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4歳馬に注目! 特に上位人気は無視できないエプソムC

  • 2018年06月08日(金) 18時00分


◆距離延長組にしぶとい競馬を期待

 エプソムCは上位人気馬が強く、かつ4歳馬が強い重賞。夏競馬扱いになったことでもともと持っていた収得賞金の多い4歳馬だけが出走するようになり、2012年以降はさらに4歳馬優位が強化されている。降級ラストイヤーの今年も人気の4歳馬は無視できない。

 4歳馬の1頭で人気が予想されるのがダイワキャグニー。東京では安定感抜群だし、取ろうと思えば位置も取れる自在性がある。重賞勝ちは無いが好走歴はあり、人気でも買わざるをえない馬だと思う。

 もう1頭の4歳馬がサトノアーサー。クラシック戦線でも期待されていた馬だけに、本格化すればまとめて他馬を負かしても不思議ではない。ただこちらは脚質が差し一辺倒。先週までは位置取りで結果が決まってしまったレースも目立ち、自分で競馬を作れないのは弱みではある。

 5歳以上馬ではサーブルオールが上位人気になりそう。これまで極端にひどい結果になったことがないし、どんなコース、展開にでもある程度対応できるところが強み。重賞好走歴が無いのに上位人気というのは馬券的に歓迎できないが、それでもなにかしらのシルシは必要になるだろう。

 グリュイエールも前走が準オープン勝ち。2年の休み明けでも勝ってしまう地力が評価されてこれもある程度売れそうだ。能力の絶対値は高いと思うが、問題は距離。もともとエプソムCは距離短縮組があまり強くない傾向にあり、休養前2200mや2400mを選んで使っていたこの馬がレースの流れにどこまで対応できるか。

 スマートオーディンは今回が2年近い休み明け。休養前はかなりの決め手を誇っていた馬で、順調ならGIIIレベルではもちろん通用する馬。ただ今回は転厩緒戦でもあり、さすがに試運転の側面もあると思う。よほど人気にならないようならヒモに入れてみたいが、まずはオッズを見てというところだ。

 ハクサンルドルフは東京成績が悪くないのである程度売れてきそう。ただ脚質のせいもあって勝ち切れない面があるのは成績が示す通り。買うにしても3連単の3着あたりかと思うが、GIIIでそこまで足りるかも冷静に見積もりたい。

 個人的に面白いのではと思っているのがベルキャニオン。今年は距離延長組が少ないのが特徴で、2頭しかいないうちの1頭がこれ。位置を取れる馬だし、しぶとく残して馬券圏内という競馬を期待したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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