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エプソムCは近走成績を素直に評価したい

  • 2018年06月09日(土) 20時00分


 前回6月3日のWIN5は1149万7740円の高配当決着。3レース目の由比ヶ浜特別(東京10R)を単勝オッズ26.4倍(10番人気)のキングクリチャンが制すなど、人気薄の健闘が目立ちました。

 なお、キングクリチャンの手綱を取っていた山田敬士騎手は、今年3月にデビューしたばかりの新人ジョッキーです。地方や外国から“移籍”してきたジョッキーを除くと、JRAの騎手免許を初めて取得した年の6月までにWIN5対象レースで優勝を果たしたのは、2016年6月26日の清里特別を制した木幡巧也騎手に続き2例目。今回はその記録を3週間上回る“史上最速記録”ということになります。木幡巧也騎手はデビューから半年の期間中(2016年8月まで)にWIN5対象レースを3勝しましたが、今年の山田敬士騎手はどこまで勝利数を伸ばせるでしょうか。

 明日6月10日のWIN5は総出走頭数が70頭、総組み合わせ数が48万3840通り(土曜16時現在)。人気が偏りそうなレースも多く、どこで伏兵を狙うかがポイントと言えそうです。

◆マーメイドSはGIで善戦した経験のある馬が中心

 1レース目は3歳以上1000万下の小金井特別(東京9R)。ビックリシタナモーをはじめとする4歳勢に注目が集まると思います。

 2レース目は3歳以上1000万下の加古川特別(阪神10R)。こちらは4歳の降級組に加え、3歳のオメガパフュームが人気を集めるでしょう。

 3レース目は3歳以上1600万下、ハンデキャップ競走の多摩川S(東京10R)。少頭数ながらも比較の難しいメンバー構成で、上位人気勢の支持はやや割れるかもしれません。

 4レース目は3歳以上GIII、ハンデキャップ競走のマーメイドS(阪神11R)。土曜16時の時点ではキンショーユキヒメ、トーセンビクトリー、ミエノサクシード、ミリッサ、レイホーロマンスあたりが上位人気グループを形成していました。

 5レース目は3歳以上GIIIのエプソムC(東京11R)。こちらは土曜16時の時点だとサトノアーサー、ダイワキャグニーらが人気の中心です。

[伊吹式WIN5ランキング 2018年06月10日版]

1位 東京9R 16.アンティノウス
2位 東京10R 7.バティスティーニ
3位 東京11R 10.ダイワキャグニー
4位 阪神10R 13.オメガパフューム
5位 阪神11R 4.ミリッサ
【以上すべての馬を買うと1点買い】

6位 阪神11R 12.ミエノサクシード
7位 阪神11R 14.トーセンビクトリー
8位 阪神10R 14.ビッグアイランド
9位 東京11R 16.サトノアーサー
【以上すべての馬を買うと12点買い】

10位 東京10R 2.ワンダープチュック
11位 東京9R 1.ケンコンイッテキ
12位 阪神11R 3.アンドリエッテ
13位 阪神10R 8.ヘヴントゥナイト
14位 東京11R 3.エアアンセム
【以上すべての馬を買うと144点買い】

15位 東京10R 1.レッドオルガ
16位 東京9R 14.ビックリシタナモー
17位 阪神11R 5.レイホーロマンス
18位 阪神11R 6.キンショーユキヒメ
19位 阪神10R 12.ナムラヘラクレス
20位 阪神10R 3.アスクハードスパン
21位 阪神10R 11.マイネルオスカル
22位 東京11R 8.サーブルオール
【以上すべての馬を買うと1296点買い】

23位 東京11R 5.グリュイエール
24位 東京10R 5.プロディガルサン
25位 東京9R 2.サクレディーヴァ
26位 東京9R 10.ハルクンノテソーロ
【以上すべての馬を買うと3600点買い】

 4レース目のマーメイドS(阪神11R)はビッグレースで善戦したことがある馬を重視したい一戦。「“JRA、かつ2000m以上、かつGIのレース”において9着以内となった経験がない馬」は2013年以降[0-3-2-37]と勝ち切れていませんし、このうち「前走の上がり3ハロンタイム順位が4位以下だった馬」は2013年以降[0-0-1-30]とさらに苦戦しています。また「前走の馬体重が480kg以上だった馬」は2013年以降[0-1-0-20]なので、馬格のある馬は過信禁物と見た方が良さそう。今年のメンバー構成なら、トーセンビクトリー、ミエノサクシード、ミリッサあたりを高く評価すべきでしょう。

 5レース目のエプソムC(東京11R)は年明け以降の戦績がポイント。「“同年、かつJRA、かつ重賞かオープン特別のレース”において連対経験のない馬」は2011年以降[0-3-4-68]とあまり上位争いに食い込めていません。今年はこの条件をクリアしているのがエアアンセム、サトノアーサー、ダイワキャグニーの3頭だけ。「馬齢が4歳だった馬」は2011年以降[5-5-2-11]と堅実なので、やはり基本的にはサトノアーサーとダイワキャグニーを重視した方が良さそうです。ただし「前走との間隔が中2週以内だった馬」は2011年以降[0-2-0-29]。同年のメイステークス(2015年は「モンゴル大統領賞」の名称で施行)を使った馬がことごとく人気を裏切っているレースですから、場合によってはエアアンセムも押さえた方がいいと思います。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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