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「梅雨を制する者は函館を制す!? 気象予報士が洋芝攻略法を指南」<第16回>三宅誠

  • 2018年06月11日(月) 18時00分
三宅誠

気象予報士という独自の観点から、気温と馬場状態に着目した穴馬を見つけ出すのが三宅さんの予想スタイルだ。



気温の変化と馬場の含水率に着目し、激走馬を見つけ出す



 私の予想を一言でいえば、気象予報士という職業を生かした季節馬激走予想ということになるのでしょうか。具体的には、まずはレース気温に着目して季節馬を体系的に特定したうえ、さらにJRAの馬場発表をもとに馬場状態を解析、分類。それらの独自情報を活用し、それぞれの気候・馬場に合った穴馬を抽出します。

三宅誠

気候を5つ、馬場状態と細分化し、データベース化。そのデータベースをもとにそれぞれの気候、馬場状態を精査し、穴馬を抽出する。



 とくに季節の変わり目など、気温上昇に着目して激走馬を見つけ出した例は過去にも数多くあり、今年は4月3週目がそうでした。今冬は久々に厳しい寒さとなりましたが、3月から一転春らしい陽気となりました。4月3週目には早くも今年初めて夏日となった日があり、気温上昇にともない、実際にこの週は夏馬が何頭も激走しました。

 私はその週の気温上昇を見込んで、日曜の福島8Rでワンダフルラッシュ(12番人気1着)を推し、他にも鎌倉Sのメイショウボンロク(7番人気1着)、福島牝馬Sを7番人気で制したキンショーユキヒメ、オアシスSのルグランフリソン(5番人気1着)、彦根Sではナガラフラワー(5番人気1着)を推奨しました。なかでも、大穴として推したワンダフルラッシュは単勝が90倍を超えました。このように気温の変化に気付けば、人気薄でも強く推せるのが季節馬なのです。

梅雨時期の開催前半と後半では、馬券に絡む馬の傾向が変わってくる



 さて、いよいよ本格的な梅雨に突入しましたが、梅雨の時期というのは連日雨が降り続くわけではなく、晴れの日も意外に多いのです。晴れると夏の陽気となる一方で、シトシトと雨が降り梅雨寒となれば一転、春の陽気に逆戻りするなど、気温の差が大きくなります。

 東日本と西日本では地域的な差異も見られ、とくに西日本は雨が多く、近畿地方は6月下旬にピークを迎えます。宝塚記念に道悪が多く、荒れ馬場で時計がかかることは、気象の統計からも合致しています。梅雨明け直前から大雨が頻発、非常に蒸し暑くなるのは東西とも同じです。

三宅誠

“神戸の6月下旬は一年で最も雨量が多く、府中と神戸の6月の降雨量を比較すると、とくに下旬は圧倒的に神戸のほうが多いことがわかる。



 阪神の馬場傾向も開催序盤は高速馬場であるのに対して、後半になるにつれ雨の日が多くなり、次第に馬場が荒れて時計がかかってきます。つまり、高速馬場が得意な馬が開催前半で活躍してもその傾向は続かない、ということです。この時期は、開催の前半と後半で馬券に絡む馬の傾向がガラッと変わるので注意が必要です。

 同時に、これまで時計が出る高速馬場で活躍していた馬に変わって、苦戦続きだった道悪巧者、時計を要してこその馬に妙味が出てきます。また、大雨でダートが高速化するケースも多くなります。ダートの持ち時計上位の馬を狙い撃ちするのも手でしょう。

 梅雨は晴れると“夏”であると触れましたが、馬体を射す日射が一年中で最も強く、さらに蒸し暑さが加わります。この時期、夏馬の台頭が目立ってくるのはそのためです。つまり、暑さに適性がある馬を絡めて高配当を狙うのに絶好の季節なのです。逆に、連戦続きでも人気を背負っているような馬は過信は禁物です。

 では、具体的にどんな馬を狙うべきか。過去の戦歴を3年以上遡ることが大切です。前年夏に好走した、または毎年夏に好走が集中している馬はもちろん、3年に1度でも夏に好走歴がある馬も要チェックです。ただし、涼しい函館・札幌の成績は外して考えることがポイントです。

 配当的に旨味があるのは、過去にこの時期に好走歴のある馬で、前走で大敗していても変わり身を期待できる馬。寒い季節で凡走の山を築いていたら、さらに魅力的なのは言うまでもありません。次の狙い目は、真夏日(30度以上)の出現時になるでしょう。

三宅誠

“30度以上のレースは酷暑。本州では6月下旬から30度以上になることが多く、激走する馬も変わってくるので狙い目となる。



函館攻略のカギを握るのは、春の東京、京都開催で好成績を残してきた馬!?



 閑話休題、今週末からいよいよ函館開催が始まります。年に一度の開催であり、馬場や気候面にも特徴があるので楽しみな開催です。まず注目したいのは本州と大きく異なる気候で、芝が洋芝である点です。函館の6月は、本州でいえば春の陽気。函館の6月中旬の最高気温の平均が19℃、府中でいえば4月中旬と同じ陽気となります。同時期の東京・阪神開催では日中の気温が30℃前後になることが多いことを考えれば、いかに別世界かというのがわかると思います。

 北海道に遠征する理由はさまざまですが、暑さに弱い馬のことを考え、暑い本州を避けて涼しい北海道に遠征する馬が多いのは事実です。そうした北海道遠征(もしくは滞在)馬では夏の成績ではなく、春もしくは晩冬の成績に着目することが重要になります。つまり、春の中山や東京、京都開催で好成績を残してきた馬が激走馬となり得るのです。レースを気温で捉えるメリットを実感できるのがこの函館開催であり、大きな激走ファクターのひとつとなります。

三宅誠

6月〜7月にかけての本州各地の競馬場と函館との気候の違い。これを見てもわかるように、北海道との違いは一目瞭然だ。



 馬場でいえば走破タイムが遅く、上がりを要した時計で勝利したことがある馬が台頭してきます。阪神同様、開幕週は例年、本州並みに速いものの、次第に時計がかかっていきます。ひと雨あれば、一気に遅くなるのが洋芝の特徴。近走を速い時計で勝った馬がどうしても人気になりますが、洋芝においては疑ってかかるほうがベターです。

 洋芝のケースではありませんが、近走よりむしろ、1年前の好走歴がカギとなった面白い事例もあります。それは、5月最終週に行われた新設重賞の葵Sです。野芝の成長とDコース替りもあって高速化した馬場で、人気薄のゴールドクイーン、ラブカンプーが1、2着と大波乱を演出。2頭とも2歳の夏、オール野芝の小倉で1分8秒台の好走歴がありました。得意とする馬場なら、一年越しの一変もあるわけで、馬場読みが非常に重要だという好例です。

 函館の場合は、前述した葵Sとは逆に走破タイムの遅さに視点を替えることが肝心で、函館で未勝利勝ちした後、サッパリ振るわなかった馬が得意な洋芝に戻って大駆けする可能性があるということです。とくに今年は、冬の京都開催が昨秋の長雨の影響で時計を要した競馬が多かったため、この函館開催で好走する可能性は十分です。

 ちなみに、昨年函館で推奨馬が激走した例は大きく3つに分けられ、

【春の成績が直結した例】
函館記念・ルミナスウォリアー(5番人気、暖[3-1-1-0]春[2-2-0-3])

【道悪の成績が直結した例】
北海ハンデ・クラシックエース(6番人気、良/水少[1-0-2-4]、稍重/水多〜重[2-1-0-2]、初勝利と500万2着がいずれも函館で稍重/水多馬場)

【函館巧者が繰り返し好走した例】
駒ケ岳特別・トロピカルストーム(9番人気2着)、潮騒S・コパノチャンス(8番人気1着)

 などがあります。

 このように気温と馬場状態に着目するだけで、穴馬(季節馬)の激走を予測することはある程度可能で、とくに今年初の開催となる函館は高配当を仕留める大きなチャンスといえるでしょう。

三宅誠は『ウマい馬券』で予想を公開中!
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