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クラシックとは別方向の能力が問われる宝塚記念

  • 2018年06月22日(金) 19時00分


◆3年連続で欧州型ミスプロ系が優勝中

 宝塚記念は3年連続で勝ち馬が、クラシック未勝利馬。

 宝塚記念でクラシック勝利実績がない馬が走りやすいのは、簡単に言ってしまえば「クラシックとは適性もピーキングも異なるから」では?

 過去10年で最も勝ち馬を出している種牡馬はステイゴールド。

 今年の出走予定馬でステイゴールド産駒はパフォーマプロミス。母父も宝塚記念に相性の良いロベルト系(タニノギムレット)。

 昨年2着のゴールドアクター、当レース勝ち馬で複数回馬券になったアーネストリーも父がロベルト系種牡馬。

 能力の方向性が大きく異なる東京芝ではパフォーマンスを落とすことも、阪神芝では強調材料にすらなります。

 ダンビュライトはキャサリーンパーの牝系。同牝系の勝ち馬に一昨年の勝ち馬マリアライト。父は欧州型ミスプロ系のルーラーシップ。宝塚記念2着馬。同種牡馬は欧州型ミスプロ系。宝塚記念は、3年連続で欧州型ミスプロ系が優勝中。

 ワーザーは香港馬。父はサトノクラウンと同じノーザンダンサー系。国内の芝中距離G1で外国馬が最も走りやすい距離は芝2200m。

 ジャパンカップで外国馬が1、2着を独占したのは2002年のジャパンカップ以来一度もない。この時のJCは東京競馬場が工事中のため、中山「芝2200m」で行われた。

 クラシックが行われない距離で施行されたために外国馬の台頭を許してしまったとも考えられる。外国馬スノーフェアリーが連覇したエリザベス女王杯も芝2200。やはりクラシック未勝利馬が勝利しやすいレース。

 悩ましいのはディープインパクト産駒の牝馬。過去10年の当レースで3着以内数が最も多いのはディープ産駒。うち、6頭は牝馬。

 ただし、勝ち馬はマリアライトのみ。ディープの牡馬が適性もピーキングも宝塚記念にフィットしない馬が多いこと。加えて、斤量の恩恵といった要素で恵まれているのかもしれません。

 今年のディープ牝馬はヴィブロスとスマートレイアー。ヴィブロスで気になるのはドバイ帰りであること。

 宝塚記念はドバイ帰りの馬も多数出走していますが、過去10年で5人気以内に支持された馬で人気よりも走った馬がいないことをどう考えるか?もちろん個体差もあるでしょうが、ドバイからの気候変化と輸送のダメージは数ヶ月で回復できない馬も多いのでしょう。

 そういえば、ケンタッキーダービーもUAEダービー勝ち馬が2年連続惨敗中。ドバイの疲労も影響しているのかもしれません。

 こうした発見しづらい内面的な疲労は調教などの普段の調整から見抜くのも難しいのでは?見抜けるのであれば、ドバイ帰りの馬は、レースにすら出ないはずですから…。

 (宝塚とは直接関係ない話ではありますが、ドバイを回避する流れも近々やってくるようにも思えます。馬券が売られなくなるのは困りますけれども)

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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