スマートフォン版へ

アイビスサマーダッシュ、牝馬の扱い方

  • 2018年07月24日(火) 12時00分


◆3歳牝馬=51キロは過小人気になると妙味あり?

 サマースプリントシリーズは牝馬が強いことで有名だが、アイビスサマーダッシュについては、牝馬の中からどれを取るかという作業を慎重に行いたい。レース創設以来(今回のデータは以下同様)の牝馬回収率は単167%・複77%。単回収率はサンアディユの7710円が効きすぎており、複回収率で見るとごく普通の数字でしかない。複勝率は牝馬>牡馬なので牝馬重視自体は間違っていないが、結局はそこからの選別が問題になる。

 牝馬では、収得賞金で1キロ加増されている古馬(55キロ)がこれまで[2-0-1-1]とよく走っているのだが、今年は該当馬なし。ちなみに2キロ以上加増されていた馬はこれまで2頭いて5,10着。そこまでいくと重すぎるのか。

 3歳牝馬=51キロは[2-2-2-4]で回収率が単393%・複193%。これだけを見ると「ラブカンプーは買いだ!」となるが、計10頭のうち2頭いた1番人気馬が10着と16着に沈んでいるのがちょっと気になるところ。この組はあくまで過小人気になっていてこそ妙味がある。馬券に絡んだ馬は3,4,5,5,7,7番人気。1000万条件の身だがモルフェオルフェが使ってくるならそちらを狙う手もあるかもしれないが、こちらは人気がなさすぎる立場。どちらを取るかは悩ましいところだ。

 加増なしの古牝馬=54キロは[7-5-5-67]で、同じく加増なしの古牡馬を勝率・複勝率とも上回る。この組は、前走着順が今回の結果に結びつく傾向が強い。前走オープンで6着以下だった馬は[1-0-0-25]、条件戦で4着以下だった馬は[0-0-0-17]だ。

 その影響もあって、この組は相対的に上位人気の馬が馬券に絡むことが多い。54キロの牝馬だけを取り上げた場合、該当馬中の人気最上位馬が馬券に絡んだケースは、過去17回のアイビスサマーダッシュのうち10回。2回は54キロ組自体が馬券に絡んでいないので、実質的には15回中の10回だ。

 今年は、単に54キロで人気最上位ということで考えるとダイメイプリンセスあたり。ただ同馬はCBC賞9着。それ以前に今年は前走オープン5着以内の古牝馬がいない。条件戦3着以内はレジーナフォルテだけ。これもある程度上位人気なので、本命党に薦めるならこの2頭ということになる。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング