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重賞初挑戦でもここは通過点!? エイシンティンクルなど、関屋記念注目馬の追い切り分析!

  • 2018年08月08日(水) 18時00分


夏場だからこそ「考察」するポイントは至る箇所に…


 夏場なので、体調優先。これを顕著に示す予想ファクターが、調教であり、パドックであることは間違いないでしょう。おかげさまで、先週のウマい馬券はレパードSが単勝と馬連、小倉記念が複勝とワイドを的中することができました。この調子で今週末も!! と意気込んでいるのはもちろんですが、小倉記念のパドックを映像で見て感じたことがあります。

 それはマウントゴールドとストロングタイタン。まず、マウントゴールドは◎にしていたので、事前に1着時のパドック映像も確認していましたが、それと比較するとかなり煩い仕草。正直、大丈夫なんだろうかと思いましたが、そういえば、例年の夏開催の小倉パドックはこんな煩い馬が走ってしまうんだったと現場でパドックを見た経験を思い出して短評を整理しました。

 対してストロングタイタン。こちらは前走宝塚記念のパドックと比較するとやけに落ち着いています。というよりも元気がなく映る印象。最終追い切りをセーブ気味に仕上げたにも拘わらず、この雰囲気は夏負け? と思いましたが、レース後は心房細動という発表。いずれにしても体調が整っていなかったのでしょう。

 調教を見れば、パドックを見れば、と簡単に取捨選択することはできないかも知れません。しかしこれまでの好走時との比較によって理解できること、夏場独特の好走パターンを思い出すことによって、馬券を的中する確率は高めていけるような気がします。皆さんもできる範囲での「考察」を深めていくことで夏競馬を楽しんでみてはいかがでしょうか。

【関屋記念/エイシンティンクル】

 香港C、イスパーン賞を制したエイシンヒカリという兄が偉大すぎて、ここまでの成績が地味に思えますが、ここにきて、ようやく本格化。それを思わせてくれるのが2走前、前走の初めての連勝だと思います。ひょっとしたら和田竜二騎手との出会いもこの馬にとっては今後を左右する出来事だったのかも知れません。

 いずれにせよ、初めての重賞挑戦となる今回ですが、見劣り感は一切なし。むしろここを勝ってGI、そんな雰囲気を感じさせてくれるような最終追い切りでした。1週前はテンから行きたがる素振りを見せて、6F時計が77.2秒。これにはさすがのスピード能力と思わせてくれましたが、今週はそこから一転して「静」の内容。

 先週に続いて、黒岩悠騎手が跨っていましたが、しっかりとコントロールされながらの加速。じわじわラップを速めていき、ラスト1Fでは弾むようなフットワークで11.4秒をマークしました。6Fは83.0秒ときっちりと抑えの利いた走り。これなら新潟の長い直線は全く問題ないと思いますし、時計の速い馬場はこの馬の潜在能力がこなしてくれます。現状を見ていると「ここは勝たなければいけない」、そんな一戦になると思います。

エイシンティンクル

弾むようなフットワークで本格化してきたエイシンティンクル


【関屋記念/リライアブルエース】

 前走時は無印にしてしまいましたが、決して調教内容に不安があったというわけではありません。栗東坂路での最終追い切りが2F25秒以下に該当している馬を優先的に評価すると決めたので、25.2秒が無印になった理由です。ですから、4F目が最速になるラップが踏めていた点は過去の1着時と同じなので評価できましたし、前走が3着好走は納得の結果です。

 今回は中2週。前走とほぼ同じ内容になるかと予測していましたが、結論としては4F目が最速にならなかった今回のラップは評価できません。同じ中2週のトリトンSを14着に惨敗した時も4F目が最速ラップではなかったので、これが凡走時と同じという内容が評価できない理由です。

リライアブルエース

凡走時と同じ調教内容が気になるリライアブルエース(8月7日撮影)


【関屋記念/ウインガニオン】

 前走はマイネルアウラートの玉砕覚悟の逃げに付き合ってしまった形。それでも最後は踏ん張ろうとしていましたが、内ラチ沿いを走れなかったことも精神的にきつかったと思います。今回はそのダメージを心配しましたが、さすがは夏に良績を残す重賞ウイナー。今回は昨年以上に調教内容を強化している印象です。

 本数は昨年の1本から3本へ増加。最終追い切りも4F目が最速になるきれいな加速ラップを踏んでおり、巻き返しに向けて攻め強化といってよいでしょう。あとはこれがオーバーワークになってしまうようなことがなければ。もちろんラチ沿いをすんなり逃げるか先行するというレース内容に注文がつくことは前走でも判明していると思います。

ウインガニオン

追い切り本数を増やし、巻き返しに向け順調なウインガニオン(8月7日撮影)


【関屋記念/フロンティア】

 最終追い切りで抜群の動きを見せた前走。53キロと恵まれたハンデもあって、勝ち負け必至の状況だと思いましたが、結果的にはグレーターロンドンに完敗の内容。ですが、今回はその勝ち馬はおらず、クビ差の3着4着を争ったリライアブルエースが人気の中心。だったら、こちらも人気して当然だと思います。

 最終追い切りの時計は前走時ほどではありませんが、これは中2週というローテーションを考えれば当然。むしろやりすぎず軽すぎずの内容としては評価したいところです。時計の出し方自体は新潟2歳Sを勝った時に似ているといってよいでしょう。

フロンティア

中2週のフロンティア、程よい負荷で評価できる内容


【関屋記念/ワントゥワン】

 前走中京記念は2ヶ月ぶりだったとはいえ、照準を定めて使ってきたレース。それゆえにきっちり能力を出してきっちり掲示板は確保したというレースぶり。メンバー最速(タイ)上がりをマークした点はさすがだったと思いますし、いつもながら、あとは展開だけといった感じ。

 状態に関しては、中2週ですが、いつもと同じようにDP。しっかり併せることができましたし、気になるとすれば、中2週より短いレース間隔では6戦して未勝利ということくらい。もちろん後方一気の差しが届きにくい今の新潟芝という状況も予想する上ではかなりのウエイトを占めるかも知れません。

ワントゥワン

今回も展開に左右されそうなワントゥワン(8月7日撮影)


◆次走要注意

・8/5 2歳新馬【ブラックアイドタフ】(5人4着)

 松永幹夫調教師期待のルーラーシップ産駒でしたが、追い切りの動きが目立たなかったこともあり、レース週にはトーンダウン。実戦タイプであることを期待していましたが、個人的にはその実戦タイプだったように思います。このひと叩きで追い切りでも動くようになれば、先々は大きな舞台でも活躍してくれそうな気がします。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]最終追い切り併せ馬先着なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【ダノンカイザー】

 CWコースでの併せ馬に先行しましたが、先週のCWで動き良かったアエラスに圧倒的な手応えの差をつけて同入。6F81.8秒はさほど強調できませんが、あの手応えで1F11.8秒なら高く評価したいところ。キャリアも浅く、ここで一変する可能性は十分です。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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