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【真島大輔騎手(1)】佐賀の競馬一家出身 地元への甘えを断ち、最激戦区・大井へ

  • 2018年08月13日(月) 18時01分
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▲TCKジョッキーによるリレー連載第3回に、大井生え抜きの真島大輔騎手が登場!(撮影:榎本良平)


隔月連載「俺たちTCKジョッキーズ」。8月は全3回にわたり真島大輔騎手(35歳)に迫ります。昨年、地方馬ララベルとJBCレディスクラシック(JpnI)を制覇したTCK生え抜きジョッキーですが、生まれ育った場所は佐賀競馬場でした。遊び仲間にはJRAの川田将雅騎手がいて、「騎手になるべくしてなった」という真島騎手。プロ意識の高さから地元・佐賀ではなくTCKを選びデビューしますが、とある問題から「一度リタイアして故郷に帰った」といいます。一体何があったのでしょうか。第1回目はJpnIジョッキーのルーツに迫ります。(取材・構成:大恵陽子)

自転車で“競馬のレース”をしていた少年時代


――佐賀県のご出身で、お父様は元騎手の真島元徳調教師(佐賀)、叔父様は真島正徳騎手(佐賀)ですが、子供の頃、馬はどんな存在でしたか?

真島 競馬サークルで育ったような感じで、小さい頃から馬が周りにいる環境でした。触ったり、跨ったり、馬の下をくぐったり、怖いものがなかったから楽しく馬と接しながら遊んでいました。よく大人には怒られていましたけど(笑)。小学校4〜5年生の頃に親父は調教師になったんですが、レースに乗っている姿も鮮明に覚えています。レースを見るのが本当に好きで、親父のレースもずっと見ていて、「こういうレースをしているんだな」って考えながら見ていました。結構前に引退されたんですが、古川哲也さんは子供ながらに「うまいな〜」って思って見ていた騎手です。当時、常にリーディングを獲っていて、うちの親父が2位。いま現役でもリーディングだろうなって印象があります。

――佐賀競馬で生まれ育った騎手と言えば、JRAで活躍している川田将雅騎手もそうですね。真島騎手の2学年下になりますが、交流はありましたか?

真島 先月、(川田)将雅がジャパンダートダービーに乗りに大井競馬場に来ていたので喋っていました。小さい頃、サークル内で遊ぶっていうことはあったんですが、彼は乗馬をやっていたのであまり時間がなくて。でも、よく喋っていましたね。一生懸命がんばっているなって応援していました。

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▲川田将雅騎手(JRA)は地元の幼なじみ「先月、JDDに乗りに来た時も喋っていました」(撮影:高橋正和)


――競馬サークルで育ちましたが、騎手になろうと思った具体的なきっかけは何だったんですか?

真島 よく聞かれるんですけど、なりたいという気持ちよりも「なる!」っていうのが普通でした。小さい頃から自分には騎手しかなくて、どんな遊びも競馬に繋がっていました。自転車に乗っていても仲間同士で競馬に見立てた競走をやったり、走っていても馬の名前を叫びながらだったり(笑)。

 馬に乗ることしかやっていなくて勉強は全然していなかったので、JRA競馬学校を受けた時は「本当に難しいな」と思いましたし、地方競馬教養センターの一次試験に落ちた時はすごくショックでした。「自分の頭じゃ通用しないんだな」と思って、半年後に地方競馬教養センターを2回目に受験するまでは死ぬ気で勉強したのと、体が大きくなると思っていたので体重調整との両立でした。キツかった思い出がありますね。

――2回目の受験となる秋入学で地方競馬教養センターに合格しましたが、所属先を地元の佐賀ではなくTCKにするというのはどういう経緯で決まったのですか?

真島 佐賀で騎手になるっていう思いはなかったんです。親父のところでは甘えちゃうだろうし、それだけは嫌だなって気持ちでした。思い切って離れた所で、と思ったんですが、中央と佐賀競馬場しか知らなかったのでどこがいいか全然分からなくて、親父の同期の早田秀治さんに紹介してもらい、今はもう引退されたんですがTCKの中村護先生のところにお世話になることになりました。

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▲大井所属の裏にある決意「親父のところでは甘えてしまう…、それだけは嫌でした」


――自分に厳しくするために親元を離れたんですね。しかし、勝負服はお父様のデザインを受け継ぎましたね。

真島 初めは自分のデザインしたものを出したんですが、袖と胴の山形の色が同じじゃないといけないって言われて通らなかったんです。「じゃあ、親父のでいいや」って(笑)。通らないってなるともう考えるのめんどくさいやと思って、「ちょっと俺、それもらうわ」って親父に言ったんです。

――え!意外とあっさりした理由だったんですね(笑)。とはいえ、お父様は嬉しかったでしょうね。着心地はどうですか?

真島 今はもう自分のものになってますからね。でも、最初の頃は「親父の」っていうのがあって、みんなにも言われました。でもあんまり考えないタイプなので、そんなに重みはなかったです。今では自分の物をなくさないように、アンダーウェアにも勝負服と同じ配色の紫と黄色のドクロを入れています。

「アイツ辞めるだろうな」と言われたデビュー2年目


――2001年10月29日に大井競馬場でデビューし、初勝利は12月27日。約2カ月かかりましたが、その間の気持ちはいかがでしたか?

真島 初勝利まで結構かかりましたね。焦りや悔しさはそんなになかったです。新人の中でも乗せてもらっている方で、いい馬にも乗せてもらっていました。でも、なんせ下手くそで未熟だったから勝てなくて…。初勝利の馬は誰が乗っても勝てるような馬で、本当にいい馬に乗せてもらっていたなと今思います。

 ただ、若い頃は本当に体重がキツくって。デビューして2開催目くらいからどうやって調整したらいいのか自分でも分からないくらいでした。だから、勝つのに一生懸命っていうより体重調整に一杯一杯になっていました。当時は定量が今より1kg軽くて、牡馬55kg、牝馬53kg。減量特典のある新人騎手が牝馬に乗る時は50kgだったので、体を47〜48kgにしないといけませんでした。

――減量特典があるのはレースでは有利ですが、体重調整の時には1kgの差が大きく感じたでしょうね。

真島 実は、一度リタイアして体重調整のために実家に帰ったんです。デビューして2〜3年目の2003年でした。辞めるか辞めないかというところまでいったんですけど、自分の気持ちとしては「辞める」っていうのはなかったです。また乗るっていう意識しかなかったですが、周りは「たぶんアイツ辞めるだろうな」と思っていたようです。実家に帰って2週間ほど死に物狂いで体重を落としました。TCKに戻ってきてから一時期は牡馬にだけ乗って、レースで体重を維持しながらやっていました。乗れるようになったら牝馬にも、という感じで。

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▲若手時代は体重調整に苦しむ日々「死に物狂いで体重を落としました」


――実家に帰るとは、また思い切った決断をされましたね。

真島 決断っていうか、もうどうしようもなかったです。なんせ体重がどうやっても落ちなかったんで。普通は体重でダメってなれば干されるんですけどね。中村先生をはじめ周りの方にバックアップをしていただいて、すごく感謝しています。また乗せてくださる方もいましたし、応援してくださる方も結構いてくださいました。今の自分があるのもみなさんのおかげです。

※次回の掲載は8月20日(月)18時予定です


大井競馬場でグルメイベント「東京肉合戦」を開催中!


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▲大反響! 大井競馬場で「東京肉合戦」の後半戦が開幕!


 東京シティ競馬(TCK)では、ナイター競馬「トゥインクルレース」を開催中です。毎年恒例となっている夏のグルメイベントとして今年は“お肉に合うのは、ビールか!? ごはんか!?”という永遠のテーマに決着をつける「東京肉合戦」の後半戦を8月12日(日)〜8月17日(金)の期間、場内“UMILE SQUARE(ウマイルスクエア)”にて開催いたします。

 7月30日(月)〜8月3日(金)の前半戦でも盛り上がりを見せた「東京肉合戦」ですが、後半戦では出店店舗を総入れ替えします。和牛赤身やプルコギなどの定番肉料理から、「東京肉合戦」でしか食べられない限定メニュー、ラム肉といった変わりダネなど、さらにパワーアップした肉の名店8店舗が登場し、後半戦はさらに白熱したバトルになること必至です。

 前半戦でも好評だった、豪華サポーターによるスペシャルステージを後半戦でも引き続き実施いたします。「東京肉合戦」“ビール軍”は、団長のおのののかさん、亀田興毅さん、中村静香さん。“ごはん軍”は、団長のフォーリンデブはっしーさん、MAX鈴木さん、もえのあずきさんなど、肉好きサポーターたちの熱いトークで後半戦をさらに盛り上げます。

実施日:8月12日(日)〜17日(金)
時間:14時10分〜21時00分(ラストオーダー20時30分)
※8月12日は11時30分から。8月16日は14時00分から。
※雨天決行

【出店店舗情報 8/12(日)〜8/17(金)】
『赤身専門焼肉 にくがとう』
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▲メニュー:和牛赤身ロック バター醤油焼き


 赤身専門焼肉の予約困難店の名物、和牛赤身ロックを「東京肉合戦」用にアレンジしました。特製バター醤油ダレで焼き上げた和牛ランプの柔らかさとジューシーさが絶妙です!

『西麻布けんしろう』
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▲メニュー:必殺!けんしろうハラミステーキ


 予約困難店にして完全個室の高級焼肉割烹の「西麻布けんしろう」。ごはんに合う秘伝のソースを使った柔らか低温調理のハラミステーキをお届け!普段お店では食べられない一品です!

『花は咲く』
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▲メニュー:A5ランク黒毛和牛の月見


 讃岐うどんの専門店「花は咲く」の人気メニューが「極上の肉うどん」。そのお肉だけを贅沢に楽しめるのが「月見」です。「東京肉合戦」では、とろけるA5ランク和牛すき焼きに温玉を添えてご提供します。贅沢、上質、幸せにこだわった、赤字覚悟の逸品です。

『巨牛荘』
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▲メニュー:和牛プルコギ


 焼肉通の多い芸能・スポーツ界をはじめ多くの方から大好評の名物「和牛プルコギ」。自家製白菜キムチと一緒にサニーレタスでくるんで食べると、肉の旨み、タレの甘味、キムチの辛味と酸味が一つとなって押し寄せる垂涎の逸品をお楽しみください。

『肉料理 それがし』
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▲メニュー:究極のメンチカツ


 20品目以上の食材を使用し、和の職人がまる2日かけて仕込む、究極のメンチカツ。濃厚な下味をつけたメンチカツはビールにもごはんにも相性ピッタリ!「それがし」オープン以来のロングセラー商品が満を持して登場します!

『羊香味坊』
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▲メニュー:ラム肉のクミン炒め


 すべてラム肉を使用する中国東北料理の店「羊香味坊」。今回は手切りした分厚いラム肉とパクチーをクミンと一緒に鉄板で炒めた中国東北部の家庭料理「孜然羊肉(ズーランヤンロウ)」で肉合戦に参戦します!

『ブルックリンダイナー』
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▲メニュー:肉厚スパイシーチキン


 ブルックリンスタイルの豊富な肉料理が評判のお店。一番人気は、肉厚なチキンステーキ!6種類のスパイスに一晩漬けこんだ鶏モモ肉を高温の鉄板で一気に焼き上げるスパイシー&ジューシーな一品!

『山本牛臓』
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▲メニュー:旨辛チーズタッカルビ


 麻布十番に店を構え、自家製コチュジャンをベースに手作りの創作韓国料理を多数取り揃えています。鶏肉と野菜を自家製のコチュジャンで煮込んだタッカルビにとろとろのチーズを絡めて食べる元祖旨辛チーズタッカルビです。

※出店店舗情報については、予告なく変更する場合があります。

【ごはん軍応援セール開催!】
 7月30日(月)〜8月3日(金)に開催した「東京肉合戦」前半戦では、お客様の投票の結果、見事“ビール軍”が勝利いたしました。残念ながら“ビール軍”に一歩及ばなかった“ごはん軍”を奮起すべく、後半戦では“ごはん軍”応援セールを実施いたします。

実施日:8月12日(日)〜17日(金)
内容:ごはんのサイズアップが無料になります。
(普通→大盛・大盛→特盛・特盛→山盛へのサイズアップが無料)

人数:各日先着100名様
※ウマイルスクエア内特設ごはんブースのみの適用となります。

大井競馬に所属するジョッキーの取材を担当。TCK(東京シティ競馬)・大井競馬場の魅力を余すことなくお届けします!

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