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藤田菜七子騎手のこれまでの成績に面白いデータが!?

  • 2018年08月11日(土) 12時00分


◆12日は二つの快挙が同日に達成される可能性も!

 先週4日(土)の新潟競馬第6レースで、藤田菜七子騎手が逃げ切り勝ちを収め、JRA通算32勝目をマークしました。これで、牧原由貴子さんが持つJRA女性騎手最多勝記録の34勝まであと2勝に迫ったわけです。

 的場文男騎手の地方最多勝記録更新も時間の問題ですが、藤田騎手が牧原さんの記録を塗り替えるのも間近。12日(日)には大井競馬の開催がありますから、2人が同日にその快挙を成し遂げる可能性はないとは言えません。

 それはそれとして、藤田騎手がデビューして約2年半。ここまでに残してきた成績を調べてみると、いくつか「へぇ〜」と思えるようなデータが浮かび上がってきました。

 まずは32勝の内訳。人気別で言うと、1番人気では2勝にとどまっていますが、2番人気と4番人気でそれぞれ6勝ずつ、3番人気で5勝を上げています。1〜5番人気での勝利は、全体の68.8%。これはやっぱり、人気馬に乗らないとなかなか勝てないということの“ウラ返し”だと思います。

 場所別では新潟で11勝、東京、福島が7勝ずつで、あとは小倉3勝と中山、中京の2勝ずつ。新潟、東京の広いコースがいいようです。

 距離別ではダート1700メートル戦(福島と小倉)が6勝でトップでした。次いで、ダート1800メートル戦と1200メートル戦が5勝ずつで、ダート1400メートル戦と新潟の芝直線1000メートルが4勝ずつとなっています。芝で8勝、ダートで24勝なので、ダート戦のほうが得意と言えるでしょう。

 勝利を挙げた馬の性別では、牡馬10勝、セン馬1勝で牝馬は21勝。牝馬による勝ち星が3分の2に及んでいます。そして、牝馬限定戦での勝利が12もありました。“牝馬の菜七子”と言ってもいいくらいです。

 レース順別では、第8レースでの勝利が最も多く7勝。次いで第6レースが6勝、第2、第3、第12レースが4勝ずつ、第7レースが3勝で、第4、第5、第9、第11レースが1勝ずつでした。第11レースと言えばメインレース。これは、17年10月21日の新潟競馬・飛翼特別で挙げたものです。特別勝ちはもう1つ、16年5月にマークしていますが、これも新潟の飛竜特別。そう、どちらも芝直線1000メートル戦でした。

 ついでに、藤田騎手が2着になったのは40回。そのうち、1番人気に推されながら何かに負けたのは3回だけですが、7番人気以下の馬を2着に持ってきたことが10回もありました。2ケタ人気の馬でも5回、2着に来ています。中には、単勝オッズ106.7倍の馬で2着になったレースもあって、そういう成績を見ると「よく頑張っているなぁ」と思っちゃいます。

 ちなみに、藤田騎手は、デムーロ騎手が騎乗しているレースでまだ勝ったことがありません。ルメール騎手も出ていたレースでは3勝しているんですけどね…。

 20日(月)には、ばんえい帯広競馬のJRAジョッキーDAYに初参戦する藤田騎手。それまでに“記録更新”してほしいと、密かに応援させていただきます。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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