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抜群の動きに思わず惚れた牝馬など、充実馬が揃った北九州記念の追い切り情報!

  • 2018年08月15日(水) 18時00分


今回も鋭い末脚がさく裂しそうなアサクサゲンキ


 新潟、小倉での開催は4週目。ということで、いよいよ夏競馬も折り返して後半になります。残り3週で秋競馬が始まると思うと、なんだか短い夏ですよね。栗東も皐月賞馬のエポカドーロが戻ってきていたり、お盆明けは続々と秋の主役を務めるようなスターホースが帰栗してくると思います。

 秋最初のG1がスプリンターズS。今週はそのステップレースとしても重要な北九州記念が行われます。個人的には小粒な印象ですが、そのパフォーマンス次第では当然G1で注目されるような存在になるはず。そういった意味でも、秋へ向けて馬券もきっちりと的中させておきたいレースです。

【北九州記念/ダイアナヘイロー】

 昨年の覇者。昨年はコツコツと条件戦の階段を昇って、4連勝で初重賞制覇を決めました。当時は佐世保Sを勝った後、そのまま小倉競馬場に滞在しての調整でしたが、今年は函館SSを使ったローテーションなので、一旦栗東へ帰厩して、1週前追い切りは栗東坂路で行い、その後、小倉競馬場へ移動しています。

 最終追いの内容に関しては、動きを見ていないため、この原稿を書いている時点で判断を控えます。ただ、1週前追い切りの坂路は素晴らしい動きを見せていましたし、きっと最終追いも昨年の最終追い同様、スピード感ある動きを見せているはず。このあたりは調教映像を見て、しっかり判断したいと思います。ただ、馬券的には55.5キロというハンデは決して楽ではないという予想です。

【北九州記念/ゴールドクイーン】

 前走バーデンバーデンCは初めての福島競馬場への輸送、初めての古馬対戦も難なくこなして2着。あらためてこの馬のダッシュ力を感じるレースぶりでしたし、フェニックス賞を勝った舞台ともあれば、当然ここでも好走する確率は高いと思います。

 調整パターンは1週前に栗東坂路で4F51.7秒と速い時計を出して、最終追い切りは現地という内容。フェニックス賞を勝った時は最終追いが栗坂でしたし、今回は当時とパターンが違います。そもそも最終追いをトラック馬場で行うことが初めてなので、この良し悪し判断はかなり難しいところ。体調面に関して、前走後もすこぶる順調なだけに、最終追いは現地の微調整でも問題ないというのが、個人的な判断です。

ゴールドクイーン

前走後もすこぶる順調なゴールドクイーン(8月9日撮影)


【北九州記念/アサクサゲンキ】

 前走CBC賞は大外枠という条件も厳しく、4着に追い込むのが精一杯というレースぶり。しかし、メンバー最速上がりを2戦続けてマークしているように、その末脚は間違いなく魅力。最終追い切りを見ていると、この2戦の走りっぷりが普段の走りにもつながっているように思えます。

 最終追い切りは栗東坂路でアードラーとの併せ馬。体重の軽い松若風馬騎手が跨っていたとはいえ、道中から終始楽な手応えで走っており、ゴール前は一杯になる相手を尻目に楽々と先着。4F52.7秒という数字は好走時と比較すると遅くなりましたが、4F目最速ラップを踏んでいる点が高く評価できます。もちろん小倉2歳S1着時の最終追いとも時計、ラップともに違いますが、それこそ当時とはレース戦法が違っているだけに、昨年からモデルチェンジしたアサクサゲンキでの出走になりそうです。

アサクサゲンキ

併走馬に楽々と先着したアサクサゲンキ(8月14日撮影)


【北九州記念/アレスバローズ】

 CBC賞の勝ち馬がnetkeiba.comの単勝オッズで20倍以上。ハンデの56キロも決して重くないと思っていただけに、ユーザーの評価がかなり意外でした。でも、ユーザーの判断が的確な時も多いだけに、ここは簡単に連勝できないのかも知れませんね。

 ただ調教内容としては、なんのケチもつけることができません。前走後はひと息入れていますが、レース間隔があいたという点では前走と同じです。栗東へ戻ってきてから、すぐに坂路で4F目が速いラップを踏む追い切りを消化した点も同じ。そして、最終追い切りもほぼ同じような時計、ラップのバランス。ウマい馬券で本命に推すかどうかはもう少し悩みますが、無印にすることはまずないと思います。

アレスバローズ

最終追いの内容が文句なしのアレスバローズ(8月14日撮影)


【北九州記念/ナガラフラワー】

 前走CBC賞は坂路優勢の調教適性を重視して無印評価でしたが、体調に関しては万全という予想。その体調の良さをフルに発揮しての結果が2着だったと思います。その後は更に状態を上げているようにも思えます。でも北九州記念も坂路優勢なだけに、予想での印位置が相当頭を悩ませることになるでしょう。

 なにせ最終追い切りがCWで抜群の動き。テンはゆっくり入って、3コーナーを過ぎたあたりからスピードに乗り始めます。最後の直線はピッチの利いた走りで単純なスピードだけでなく、パワーも感じる動き。時計は6F90.1〜5F70.1〜4F52.7〜3F37.8〜1F12.0秒とかなり地味ですが、これは一連の動きを見ているかどうかで判断が違ってくるでしょう。私はこの動きに惚れてしまいました。

ナガラフラワー

スピードとパワーを兼ね備えた動きのナガラフラワー


◆次走要注意

・8/12 2歳新馬【タマモメイトウ】(5人2着)

 もう少し長い距離が良いと思いましたが、ハイペースになったことも幸いして、最後は鋭い末脚で勝ち馬を追い詰めています。このレースで1200への適性は高くなったと思いますが、すでに放牧へ出されているだけに、ひと息入れたことで1400への対応もできると思います。いずれにせよ、未勝利はすぐに卒業するでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りDPでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【メイショウキョウジ】

 やや急仕上げの印象もあった前走ですが、出走メンバーのレベルもあって3着確保。距離短縮も結果的にプラスだったと思います。その最終追い切りよりも数段いい動きを見せた15日の最終追い。ここはきっちり決めてくれるでしょう。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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