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トーセンバジルらが豪州で初調教、名門厩舎に移籍の日本馬3頭

  • 2018年08月23日(木) 18時00分
ビクトリア競馬便り

▲豪初戦は9月のG3を予定しているアドマイヤロブソン(写真手前)


(8月23日号 文=ポール・シムズ)

実践式調教の内容次第で今後のプランが明らかに


 ダレン・ウィーア厩舎に移籍したアドマイヤロブソン、カシアス、トーセンバジルの日本馬3頭が先週土曜日、メルボルン郊外にあるバララット競馬場で、豪州到着後初めて馬場入りをして調教を行った。この日はバララット競馬場で障害レースが行われていたが、レースの合間を利用して馬場で調教を行ったのである。

 ウェリビー・インターナショナル・ホースケアで2週間の輸入検疫を終えた3頭は、ヴィクトリア州の南西に位置するウォーナンブールという海辺のリゾート地にある、ウィーア厩舎の調教施設に入厩。日本からの長い輸送と長期検疫後ということで、精神的に馬を少しピリッとさせ、今後の調教プランを決めたいというウィーア調教師の考えで、競馬場の芝馬場を使って調教を行ったようだ。

「私たちは、検疫施設で毎日彼らの管理をして、馬の状態や様子をしっかりと見てきましたが、レース中の彼らの特徴はまだ把握していません。実際に競馬場のコースを使って調教を行ったことで、馬たちの性格や、より細かな特性を見つけることができてとても良かったですし、今後の調教プランを考える上で役に立ちました」と話したウィーア調教師。

 アドマイヤロブソンとカシアスは、競馬場という環境でも大変落ち着いていた一方で、トーセンバジルは少しうるさいところを見せていたようだ。

「トーセンバジルは、気性面での課題がみつかりました。今後改善していきたいと思います」とウィーア氏。

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▲少しうるさい面を見せていたトーセンバジル(撮影:下野雄規)


 いよいよ9月1日(土)にコーフィールド競馬場で行われる芝1000mのG1メムジーステークスを皮切りにスタートする「スプリング・レーシング・カーニヴァル」。現段階で、アドマイヤロブソンとトーセンバジルは、10月20日(土)のG1コーフィールドカップ(2400m)を視野に、そしてカシアスはスプリント戦を目標にしている。

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▲スプリント路線で活躍が期待されるカシアス(写真左)


 ウィーア調教師は、「トーセンバジルはコーフィールドカップを最大目標にしていますが、ステップレースの予定はこれから決めます。アドマイヤロブソンは、まずはナチュラリズムステークス(G3、9月22日、2000m)を目標に仕上げていく予定です」

 3頭は、24日にウォーナンブール調教場で行われるバリアトライアル(実戦式調教)に出走予定で、その内容次第で、より具体的な今後のスケジュールが明らかになるだろう。

1864年に創設された、オーストラリアのビクトリア州における競馬主催団体。メルボルンCなどの大競走が行われるフレミントン競馬場をはじめとした、ビクトリア州各地の競馬場で開催される競馬の運営・統括をしている。近年では日本調教馬の移籍も多数実現しており、日豪の関係に重要な役割を担っている。

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