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1番人気確実な馬に辛口ジャッジも! 小倉2歳Sほか重賞注目馬の追い切りをチェック

  • 2018年08月29日(水) 18時00分


うまく立ち回ればきっちり伸びてくるセプタリアン


 6週続いた札幌、新潟、小倉開催も今週で終了。北海道はすでに函館競馬場での滞在が終了したため、厩舎によっては栗東へ引き上げてきている人と馬。函館へ出張していた方からおみやげをいただいたりすると「夏、お疲れ様でした」という気分になります。

 しかし気温的にはまだまだ夏。今朝も調教開始時間こそ過ごしやすかったものの、2時間もすれば、強い日差しで体感温度はマックス。そんな中でも秋のトライアルへ向けて有力馬も帰厩しており、来週あたりはもっと賑やかなトレセンになってきそうな感じがします。

【新潟記念/グリュイエール】

 長期休み明けの2戦目となったエプソムCは、いわゆる2走ボケを心配しましたが、そんなことを気にした自分が未熟でした。藤原英昭厩舎ですから、そこはしっかりと調整されています。重賞で初めて馬券圏内に入ったあたり、ようやく軌道に乗ってきたといった感じなのでしょう。

 ここ2走は最終追い切り場所が栗東坂路ですが、今回も同じ。終い重点でテンが速くなりすぎないように注意しての単走追い。前半と後半のラップにくっきりとメリハリがついており、新潟の長い直線で瞬発力勝負になった時、一瞬で加速できるイメージの動きでした。55キロというハンデも妥当なところですし、重賞制覇のチャンスは整っています。

グリュイエール

新潟の長い直線も味方しそうなグリュイエール(8月28日撮影)


【小倉2歳S/シングルアップ】

 デビュー戦から1F距離が短縮した前走でしたが、むしろハナへ行く積極的なレースで危なげない勝ちっぷり。中9週とレース間隔があいていましたが、逆にそれが功を奏したような走りだったように思います。

 だから今回心配になるのはレース間隔。中2週になるので、どんな調整を選ぶのか注目していましたが、前走時と同じCWでの最終追い切り。単走でしたが、素軽い動きでいい感じと思った直線半ば。しかしゴール前では少し減速するようなところがあり、鞍上も促しながらの走り。とにかく動くというイメージがある馬だけに、見た目の印象は今ひとつ。実績も含めて、1番人気になって当然だと思いますが、ひょっとしたら、というところも頭に入れておこうと思います。

シングルアップ

ゴール前では少し減速する動きが不安なシングルアップ(8月28日撮影)


【小倉2歳S/ファンタジスト】

 前走のデビュー戦は馬場の中央で頼るものがない状態でもしっかり走れるくらい、精神的にも頼もしさがあるといった印象。ゴール前では内からすくわれそうになりましたが、そこもひと追いごとに伸びて抜かせない根性を見せています。その2着馬が小倉芝1200mの未勝利戦を1分8秒7で勝ったことを思えば、この馬が小倉芝1200mの速い時計で走れないという理由はありません。

 レースを使ってからの上積みを感じさせるのが、栗東坂路での4F目のラップ。1週前追い切りは11.9秒、そして最終追い切りでは11.8秒。とにかく素晴らしい切れを持っています。だからといって、4F時計が遅いわけではなく、自己ベストは51.8秒。もちろん時計勝負になっても十分に対応できます。

【小倉2歳S/セプタリアン】

 デビュー戦の1枠1番は結果的に仇になるような2着でしたが、前走の1枠1番は行ったままのレースができたという意味では大きなアシストになる枠順。2戦とも枠順が大きく結果に影響した印象があり、逆に立ち回りの器用さが武器になるタイプというイメージがあります。

 1週前追い切りのCWでも終いの鋭い動きは3、4コーナーでの脚のため方が上手だからという走り。今回は福永祐一騎手から北村友一騎手へと乗り替わりになりますが、小倉での一瞬の脚を使わせる技術は素晴らしいジョッキー。内枠から真ん中までの枠でうまく立ち回って、直線でスペースがあれば、きっちり伸びてくると思います。

セプタリアン

立ち回りの器用さを活かしたいセプタリアン(8月28日撮影)


【小倉2歳S/ルチアーナミノル】

 デビュー戦で負けたローゼンクリーガーはダリア賞で2着。この力関係を考えても、重賞で通用するものはあると思いますし、前走の走破時計は優秀。この時に0.6秒差つけた3着馬は先週の未勝利を勝ち上がっており、ここで通用するものは十分にあります。

 問題は最終追い切りの場所。レース間隔が詰まることもあってか、今回が初めての栗東坂路での最終追い。終い重点でしっかり動けていることを考えれば、評価してもよいと思いますが、好走時とのパターン比較という意味では高い評価というわけにはいきません。

◆次走要注意

・8/25 2歳新馬【レターオンザサンド】(4人5着)

 道中のレースぶりは勝ち負けをイメージさせてくれるものでしたが、最後の瞬発力勝負で前と差をつけられた感じ。前半からペースが流れるレースになれば、本来の渋太さが活かされると思います。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]最終追いDPでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・2歳新馬【ヘヴンリーウインド】

 朝一番ということもあって、暗闇を突き抜けてきたCWコースでの最終追い切り。追い切り本数は少ないので、中身は疑問が残りますが、動ける態勢が整っているのは間違いありません。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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