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モレイラ騎手を徹底解剖! 勝ち星量産の源は“肩甲骨”にあり

  • 2018年08月30日(木) 18時01分
哲三の眼

▲モレイラ騎手は意外にも今回のキーンランドCがJRA重賞初勝利 (撮影:高橋正和)


サマースプリントシリーズ第5戦・キーンランドCは、これまで惜しいレースが続いていたナックビーナスが重賞初制覇。鞍上は初コンビとなるJ.モレイラ騎手で、近走とは違う戦術を選択しハナを切ると、直線では危なげなく突き放す快勝ぶり。哲三氏も「しっかりと(馬を)コントロール出来ていたからこそ」とその勝ち方を絶賛します。今回はそのモレイラ騎手の技術を徹底解剖。哲三氏ならではの視点で勝ち星を量産できる理由に迫ります。(構成:赤見千尋)

モレイラの“形”だけ真似しても効果は得られない


 先週は世界のトップジョッキーが集まって札幌で熱いレースを見せてくれました。人それぞれ乗り方は違うけれど、このジョッキーはここがすごいな、あのジョッキーはここがすごいな、というところが見られてとても楽しかったです。

 その中でもモレイラ騎手は目立っていましたね。特にキーンランドCでは、あと一歩のところで重賞を勝ち切れなかったナックビーナスで、あっさり逃げ切り勝ち。人馬ともにこれがJRA初重賞制覇とは思えないほど強い勝ち方でした。

 以前このコラムで、『なぜモレイラ騎手だと早めに動いても馬は持つのか』ということについてお話しました。今回も馬が前に行こうとする姿勢を尊重しながら、しっかりとコントロール出来ていたからこそ、あの強い勝ち方に繋がったと思います。

■8月26日 キーンランドC(11番:ナックビーナス)

 そのやり方、乗り方というのはジョッキーそれぞれで違うわけですが、モレイラは基本的に手綱を短く持って馬を操作しています。手綱を短く持つと、その分ハミに強い力が加わってしまい、ガチッと掛けてしまう可能性がある。でもモレイラ騎手が騎乗している時、ガチッと掛かっているようには見えないし、馬も走りやすそうに見えるんです。

 モレイラ騎手のいいところを真似しようと、勉強している騎手はたくさんいると思いますし、そういう努力は素晴らしいことです。ただし、同じように短い手綱で騎乗しても、その形だけ、フォームだけを真似していたら同じような効果は得られないのではないでしょうか。

 では、何が違うのか。

 手綱を

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1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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