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今年も順当には決まらない!/新潟記念

  • 2018年08月30日(木) 18時00分

■新潟記念(G3・新潟芝2000m外)フルゲート18頭/登録14頭

【コース総論】新潟芝2000m外 Aコース使用

・コースの要所!

★人気サイドの信頼度が意外なほど低いコース。中穴を狙うのがオススメ。
★基本的には内枠有利&外枠不利。多頭数の外枠はけっこう割引が必要か。
★最速上がり馬が優秀な成績。とくに1着馬に関しては差し馬を重視したい。




 バックストレッチをフルに使う新潟の芝2000m外。スタート地点は2コーナー奥のポケットで、最初のコーナー進入までは約950mという長さだ。最後の直線も約660mと、コース全体の8割以上が直線で構成されている。長い直線→小回り→長い直線というコース形態もあり、流れの緩急は大きくなりがちだ。

 ある意味トリッキーなコースで、その影響もあるのか人気サイドの信頼度は低め。対照的に絶好調なのが4〜6番人気や7〜9番人気といった中穴で、信頼度はもちろん、回収率ベースの数値も非常に高い。さらに、ふたケタ人気の超穴馬も侮れないレベルであり、人気薄を積極的に狙ったほうがいいコースであるのは間違いない。

 次に枠番だが、こちらは基本的には内枠有利&外枠不利。これだけ直線部分が長いと枠番の影響などあまりなさそうなものだが、データはハッキリと「内が有利で外が不利」と物語っている。回収率ベースの数値や枠番値からも、内のほうがベターなコースであるのは確実。内枠に入った馬をプラス、外枠を引いた馬をマイナスに評価すべきだ。

 最後に脚質面。信頼度がもっとも高いのは先行勢だが、逃げた馬の信頼度が低いことや、最速上がり馬の内容が優秀であることから、実際は差し優勢と考えたほうがよさそうである。1着馬に関してはとくに信頼度の差が小さく、中団から差す馬を重視するスタンスを推奨したいところ。「差し→先行」決着となる可能性が高いコースといえる。

【レース総論】新潟記念(G3) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気を筆頭に人気サイドが非常に弱い。穴を狙ってナンボのレース。
★枠番は内枠有利&外枠不利、脚質は差し優勢とコースデータ同様の傾向。
★ハンデは重すぎず軽すぎずがベスト。牡馬なら55〜56.5キロの馬を重視。
★適度な間隔で使われてきた馬が圧倒的優勢。高齢馬が侮れない点も注意。








 レースの平均配当は、単勝1884円、馬連8750円、3連複4万2962円と「超」高水準。順当に決まった年が近年でまったくないのだから、こういう結果が出て当然である。その要因は人気サイドの弱さで、1番人気[1-2-0-7]、2番人気[1-1-0-8]、3番人気[0-0-2-8]、オマケに4番人気も[0-0-1-9]と、まさに総崩れの様相だ。

 対照的に人気薄は絶好調で、4〜6番人気や7〜9番人気はもちろん、ふたケタ人気の超穴馬であっても余裕で狙えるレベル。逆にターゲットを絞り込むのが難しいほどだが、とにかく「人気薄を狙ってナンボ」のレースであるのは間違いない。性別や厩舎の東西については、それほど気にする必要がなさそうだ。

 次に枠番だが、内枠有利&外枠不利というコースデータ通りの結果。単純に内外を比較したデータでは、コースデータ以上の成績差が出ている。脚質別成績もコースデータとまったく同じ傾向で、上がり最速馬の好成績や中団待機組の勝率の高さを考えると、1着に関しては中団から差せる馬を狙うのがベター。「差し→先行」決着に決め打ってもいいかもしれない。

 年齢別で目立っているのが、高齢馬の強さだ。さすがに8歳以上になると期待薄だが、6〜7歳馬は幾度となく上位へと食い込んでいるように、割り引く必要はまったくなし。昨年は5歳以下馬が上位を独占したが、今年は高齢馬の巻き返しがあるかもしれない。あとは、複勝率や複勝回収率が高い4歳馬も要チェックといえる。

 そして、ハンデ戦といえば気になるのが斤量だ。こちらは簡潔にいえば「牡馬は軽すぎても重すぎてもダメ」で、ハンデ55〜57キロのゾーンに好走例が集中。さらに厳密にいえば、ハンデ55〜56.5キロを狙うのがいちばん儲かる。牝馬は好走例がいずれも52キロであることから、軽ハンデ馬を狙ったほうがいいだろう。

 このレースで重視したいデータが出走間隔だ。ハンデと似たようなパターンで、出走間隔は短すぎても長すぎてもダメ。過去10年で馬券に絡んだ30頭のうち、じつに25頭までが中3週〜中8週での出走だった。あとは、人気薄で激走した馬のほとんどが「前走ではひとケタ人気」だったことも、覚えておいて損はないはずだ。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 ペースや展開次第で前も残るし差しも決まるフラットな状況。

・天候予測
 土曜日まで雨が降り続く見込み。日曜日も道悪が残る可能性が高そう。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ゼンノロブロイ産駒○

 夏開催の最終週である新潟だが、極端な差し馬場にはならず、フラットな状況が続いている。前残り傾向が強い時期もあったことを考えると、これでも少しずつは差し優勢のバイアスになってきているのかもしれない。また、今週末にかけて雨が降り続く見込みで、日曜日になっても道悪が残りそうなのも懸念材料。「差せそうで差せない新潟」が発生するケースも十分ある。

 血統面は、ディープインパクト産駒とゼンノロブロイ産駒をプラス評価の対象とした。ステイゴールド産駒も複勝率は低くないのだが、[3-12-4-64]という成績を見てもわかるように、勝ち切れていないのはマイナス。また、ハービンジャー産駒の適性がハッキリと低いのも、注意したいポイントといえる。断然人気となりそうなブラストワンピースだが、過信は禁物だ。

★出走登録馬・総論×各論

 フルゲート18頭に対して登録14頭で、ベアインマインドが回避して土曜日のレースに回る見込み。このままいけば13頭立てと、サマー2000シリーズの最終戦としては少し寂しい頭数となってしまった。とはいえ、ダービー以来となる3歳馬ブラストワンピースに、まだ底を見せていないセダブリランテス、屈腱炎から立ち直って重賞でも好走したグリュイエールなど、なかなか楽しみなメンバーが揃った。

 ただし、上位人気がまったくアテにならないというのは前述した通りで、現在netkeiba.comの予想オッズで人気を集めているブラストワンピース、グリュイエール、セダブリランテス、メートルダールあたりは、信頼しかねる側面アリ。何か買い材料のある人気薄を狙ったほうが面白いはずだ。もっとも、人気薄も見事なまでに一長一短という印象で、その取捨が非常に難しかったりはするのだが……。

 かなり悩んだ上でのトップ評価がストーンウェアだ。ハンデ54キロというのが割引材料だが、新潟記念での好走率が高い中穴人気になりそうなこと、小倉記念から中3週での出走であること、その小倉記念の内容がけっして悪くないことなど、プラスに評価できる項目はけっこう豊富。前走のようなレースができれば、なおさら面白い。

 二番手評価にエンジニア。準オープンを勝っての昇級戦となるが、こちらもハンデは54キロと軽すぎない。好位で流れに乗るのが上手な馬で、この血統から道悪は大歓迎のはずで、実際に稍重〜不良では好成績を残している。中6週のローテも好印象で、こちらも上位に食い込める余地は十分にあるはず。それに、人気もちょうどいい。

 三番手評価にマイネルハニー。北海道シリーズでの競馬は冴えない結果が続いたが、57キロというハンデが示すように、実績上位といえる存在。楽にハナを奪える展開にでもなれば、アッサリ巻き返してくる可能性がある。前走の大敗で人気はさらに落ちるだろうし、見直してみる価値があると見るが、どうか。

 以下はマイネルミラノ、グリュイエール、セダブリランテス、メートルダール、ブラストワンピースという評価の序列。もしこの序列のまま決まったらとんでもない配当になりそうだが、新潟記念はそういうことがあって不思議ではないレースである。上位評価組から手広く振り回す馬券で、ここは好配当狙いに徹してみたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧



札幌11レース キーンランドC(G3)
1着 11ナックビーナス
2着 07ダノンスマッシュ
3着 04ペイシャフェリシタ

上位評価馬で決まってハズレ(#^ω^)ビキビキ

逃げた11ナックビーナス(二番手評価)が素晴らしい走りで完勝。2着にも好位を追走したダノンスマッシュ(四番手評価)が入る前残り決着でした。中団から差した06レッツゴードンキは……伸びそうで伸びず掲示板が精一杯。なんだろう、この「当たりそうでちっとも当たらない感」は!

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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