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道中の位置取りが重要になる小倉2歳S

  • 2018年08月31日(金) 18時00分


◆妙味薄いシングルアップを買うなら工夫が必要

 最初に小倉2歳Sの傾向を駈け足でまとめよう。オープン特別組は好走してきた馬に限ってチャンスがあるが、人気にもなるのであまりうまみはない。先週の新潟2歳Sは新馬組と未勝利組の成績差が小さいレースだが、小倉2歳Sは新馬組が優位。その新馬組も、芝1200m組以外は苦しい。新馬戦では2〜3番手から抜け出して勝つ形がいちばん狙いやすく、それより後ろから差していた馬はここでそれを再現できない可能性もある。

 シングルアップは新馬戦で控えて2戦目が距離短縮+逃げという珍しい形。レース条件も大きく異なる中での2連勝は能力のあらわれだが、前述したようにこのパターンは人気になるので妙味としては薄い。これを軸にヒモを人気薄馬中心にいくか、ある程度配当のつく馬とこれの軸2頭でいくか、その類の工夫が必要だ。

 当時2着のチュウワフライヤーは0.2秒負けているので強気には推せないが、2戦とも控える競馬で連対してきたという点は評価できる。複穴としての妙味があり、純粋に馬券的な見地から気になるのはこちらだ。

 ファンタジストは芝1200mの新馬戦を2番手から勝利という、良いパターンでの参戦。今回は右回りと、時計をどれだけ詰められるかが課題だが、有力馬の1頭であることは疑いようがない。

 ルチアーナミノルは変わり身を見せて前走の勝ち方はかなりのものだった。ただ、未勝利戦から来てしかも決まり手が逃げというのは、パターンとしては良くはない。上位人気からどれかを切るという前提なら私のやり方だとこれになるし、シルシを回すとしても△ということになる。

 セプタリアンも臨戦過程は全く同じ。2頭とも前走はかなり着差もつけたし、どちらか片方は来てしまうのかも……ただ軸はあくまでよそから選びたい。

 一方、ミヤジシルフィードは同じコースの新馬戦を好位から勝ってきたので、冒頭に書いた傾向としては良い要素を多く持っている。あまり時計が速くなると対応できるか分からないが、土日の天気予報には雨マークもあり、多少渋ってくるとこの馬は戦いやすくなると見る。

 ジャカランダシティは新馬勝ちが逃げ切りによるものだが、セプタリアンを負かしてきたわけだからやはり気になる存在ではある。アヴドゥラ騎手はすんなりインの好位をとるとしぶとい騎手なので、そういう位置を取れるかどうかがポイントになるのではと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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