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例年よりはハードルの低いセントウルS

  • 2018年09月07日(金) 18時00分


◆前走がGIもしくは海外だった馬は勝ち切れるかどうかが問題

 今年のセントウルSは、前走で馬券に絡んでいる馬が3頭のみで、芝重賞となると1頭のみというメンバー構成(香港には4連複・4連単があるのでファインニードルも「馬券に絡んだ」ではあるのだが)。例年よりはハードルの低い重賞となっている印象だ。

 そのファインニードルは充実期を迎えている印象だし、今回はなにしろメンバーが軽い。休み明けのリスクよりも地力の違いのほうが大きそうに見える。問題は勝ち切れるかどうか。過去のこのレースでは勝率ということだと3・4歳馬>5歳馬だし、前走がGIもしくは海外だった馬は過去10年[1-5-1-18]と意外に勝ち切れていない。フォーメーションでの置きどころについては考える必要がある。

 個人的には同じ人気馬でもラブカンプーに魅力を感じる。今回唯一の前走JRA重賞3着以内馬だし、持ち時計もある。牝馬の強いレースでもあり、前述したように若い馬はこのレースでの勝率が高い。他に前走の良い馬がいないぶん人気になりすぎな印象はあるが、それでも買わないわけにはいかない。

 ダイアナヘイローは前走で1番人気を裏切ったが、それでも今回まだある程度の人気を維持しそう。典型的なピンパータイプなので、買うなら単勝か1着固定、買わないならヒモにも残さず無印としたい。

 アサクサゲンキは気が付けば追い込み馬になっていた。終いには必ず良い脚を使ってくるが、問題はそれでどこまで届くか。このスタイルにこだわるとしたらどうしても差し遅れのリスクは伴うので、こちらはダイアナヘイローとは対照的にヒモ馬扱いで2,3着に付けるというイメージだ。

 ネロはダートで好走してきたことが芝のレースにも良い影響があるのかどうか。また、展開的な問題も残る。ダイアナヘイローやウインソワレがどの程度ハナを主張してくるかどうかでこの馬の結果も変わってくる。

 レジーナフォルテ、ラインスピリットはアイビスSDの4,5着馬のわりに今回人気がなさそう。前走アイビスSD組は過去10年、前走1〜3着組が[3-2-0-2]、4着以下組が[0-0-0-3]なのだが、今回は1,3着馬不在、2着のラブカンプーが1走はさんできている状況下なので、ヒモ穴として検討するくらいはしてもいいと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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