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夏の上がり馬の勢いを重視したい/紫苑S

  • 2018年09月07日(金) 18時00分


◆前走のレースぶりから近年9月の中山馬場向き

 2000年から「秋華賞」のステップレースとして行われているが、2013年まで紫苑Sの出走馬が秋華賞で連対したことはなかった(3着は2頭いる)。

 ところが、2014年のショウナンパンドラ(紫苑2着→秋華1着)を皮切りに、2016年はヴィブロス(2着→1着)、パールコード(5着→2着)。昨2017年はディアドラ(1着→1着)。この4年間に紫苑S組が、本番の秋華賞で4頭も連対している(勝ち馬3頭)。どういう変化があったのだろう。

 2016年からGIIIの重賞に昇格したことも関係し、関西の注目馬が遠征しやすくなったこと。3歳牝馬の中距離路線で関東馬の巻き返し傾向がみられることがある。つれて、レースレベルが上がっている。

 勝った「ショウナンパンドラ、ヴィブロス、ディアドラ」は、春シーズンからそれなりの評価を受けていたが、3頭の勝ち馬には共通点がある。たまたまの一致だが、「夏に500万下、あるいは1000万下を勝って2〜3勝馬」となり、「上昇馬の強みを発揮して紫苑Sで好走し」、「その勢いに乗って秋華賞で快走した」ことである。これが今年に当てはまるとは思えないが、消長の避けられない牝馬。上がり馬の勢いは重視したい。まして今年の場合、春の実績上位馬に相当するのは、マウレア(桜5着、オ5着)くらいしかいない。

 6月の500万下を勝ったあと、すぐ牡馬相手の1000万下特別で通用した関西馬サラス(父オルフェーヴル、母の父タピット)に注目したい。

 その前走は、前半に挟まれて最後方に下がりながら、先行型の残った渋馬場を追い込んで2着だった。タピット産駒の母ララアは、米AW8.5FのGIを勝ち、芝の8.5Fでも2勝しているから、昨秋のローズSを鮮やかに勝ったラビットラン(父タピット)と同じように、芝もOKタイプだろう。近年の9月の中山は、エアレーション作業と、部分的なエクイターフ導入などで軽い高速馬場ではなくなっているのもパワー兼備のサラス向きかもしれない。

 9月の中山開幕週というと、最近6年の京成杯AH【3-1-1-1】の田辺騎手だが、なぜか今年の京成杯AHには騎乗馬がいない。ここは気合が入る。

 同じ夏の上がり馬カレンシリエージョに、パイオニアバイオ、ランドネ。さらに人気馬も含めて手広くいく。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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