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ルーキーの初勝利に胸中複雑!?「なんで僕が2着のときに…(苦笑)」

  • 2018年09月11日(火) 18時01分
太論

▲今週は採れたてのレース回顧とキレイになった騎乗フォームについて語ってくれました!


復帰後初勝利はおあずけになったものの、土曜日7Rのアサカディスタンス(2着)、日曜メインのコウエイタケルなど、人気以上の見せ場を演出した小牧騎手。今回は先週のレース回顧とともに、最近始めたという新たな取り組みについても語ってくれました
(取材・文/不破由妃子)


「よう追うなぁ、すごいジョッキーやなぁ」と思いながら…


──セントウルSのコウエイタケルは11番人気4着。まったくロスのないいい競馬でしたね。

小牧 あそこまできたら3着はほしかったなぁ。まぁ欲を欠き始めたら切りがないけどね。でもいい競馬ができたとは思います。1200mでも楽についていけたし、今回は枠順もよかったわ。内もそんなに荒れていなかったしね。

──いい競馬だっただけに悔しさもありますが、馬にとって初めてのGIIですから大健闘といっていいと思います。

小牧 そうやね。しかも一瞬くるかと思ったからね。あとはもう1頭の(コウエイ)エンブレムがね…(9月8日・阪神11R・エニフS・6着)。やっぱり“休み明け”っていう感じでしたわ。

──たしかに小牧さんの手が早めに動き出しましたもんね。

小牧 手応えがあんまりよくなくてね。調子がいいときは持ったまま行くような馬らしいから、やっぱり休み明けのぶんでしょう。力があるのは間違いないから、次はもっとやれると思うよ。

── 勝ったかと思ったのがアサカディスタンス(9月8日・阪神7R・3歳上500万下・2着)。もう一歩のところで…。

小牧 あれは惜しかったねぇ。まさかあんなに後ろから飛んでくるとは…(苦笑)。しかもあの子(服部寿希騎手)は初勝利でしょ? 喜ばしいことやけど、よりによってなんで僕が2着のときに…(苦笑)。違うときにしてって(笑)。でもまぁ僕自身がね、あそこまできたら勝っとかなアカンわ。それにしても勝てんね。なんでやろうね。

──でも、コウエイタケルは11番人気、アサカディスタンスも5番人気ですから、小牧さんがきちっと能力を引き出した結果ともいえます。

小牧 ん〜、どうやろ。人気はともかく、昔だったら勝ってたかもしれんで。もうちょっと頑張らなアカンなと改めて思いましたわ。乗り方とかフォームとかもね、もうちょっと考えて努力せなね。この前たまたまカノヤザクラで4着したときのセントウルS(2009年)を見たんやけど、やっぱり昔はもっと動いてたわ。

──小牧さんご自身の体がですか?

小牧 うん。具体的にはよう言わんけど、「よう追うなぁ。すごいジョッキーやなぁ」と思いながら見てたんですわ(笑)。なんか昔の自分を見て研究心が湧いてきたね。当時以上の騎乗ができるよう、もっともっと頑張りますわ。

太論

▲『よう追うなぁ。すごいジョッキーやなぁ』と思いながら見てたんですわ(笑)


──そういえば、復帰後の騎乗フォームについてこんな質問がきていました。「復帰後の小牧騎手の騎乗を見ていると、復帰前とどこか変わっているような気がします。うまくいえませんが、いい意味で前傾姿勢が強調されているような。ご自身で意識的に変えてきたところはありますか?」。

小牧 なんか自分でも騎乗フォームがキレイになってるような気がする。そう思わん?

──思います。道中の重心の位置が復帰前とは少し違うかなと。

小牧 そうそう、道中がとくにね。なんでか知ってます?

──あ、何か取り組んでらっしゃるんですね。

小牧 毎日ね、(トレセンの調教ルームの)お風呂に入る前に木馬に乗ってるんですわ。木馬に乗って鏡を見ながらトレーニングしてるんです。

──今まで木馬を使ったトレーニングはされていなかったんですか?

小牧 うん、全然やってなかった(苦笑)。最初はたまたま誰もいなかったから遊びがてら乗ってたんやけど、この前、姿勢がきれいになってるかもしれんと気付いたとき、木馬での練習がよかったのかもしれないと思ったわ。普段はあんまり自分の騎乗フォームを見返したりしないからね。

──木馬に乗って改めて確認したことで、レース中も意識が働くのかもしれませんね。

小牧 うん、無意識やけど、そうだと思う。今日もね、木馬に乗ろうかなぁと思ったんやけど、ちょうどみんなが(調教から)帰ってくる頃やったから止めたわ。僕が木馬に乗って必死に追う練習をしてたりしたら、なんか変でしょ(笑)?

──いえいえ、全然変じゃありませんよ。

小牧 僕自身がちょっと嫌やね(笑)。でも、明日からまたタイミングを見て乗りますわ。
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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