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本命色の強いオールカマー、今年は波乱があるかもしれない

  • 2018年09月21日(金) 18時00分


◆前半の流れ次第で決め手を行かせる可能性が

 今週行われる重賞は東西とも本命色の強いレース。無理な穴狙いは禁物だ。

 オールカマーは前走GI組が強いレース。ただ、今年は前走GIかつ着差が小さいという馬がいない。そこに例年より多少波乱の目があるといえばあるか。

 レイデオロはドバイ帰り。勝利からはちょうど1年遠ざかっている。キレ味で勝負するタイプではないので、少なめの頭数を利してある程度の位置を取ればひどい結果にはならないはず。ただ構えて乗ると僅差の2、3着はありうる。

 アルアインは2000mでも2200mでも好走しているので中山自体は歓迎材料。ただ、好走できる展開の幅がやや狭いタイプにも思える。とにかく自分が後ろ+上がり勝負が最悪の形なので、今回先行タイプが多いが、あまり後ろになりすぎないようにはしたい。

 ダンビュライトもキレないタイプで、こうしてみると今年の有力馬は持続力型の競馬がベターな馬ばかりだ。武豊騎手はその点を意識しているはずで、ここはAJC杯(当時はデムーロだが)のような競馬をしてくれるのではないかと思う。またそうでないと、他の同タイプ上位人気馬に負けてしまう。

 ガンコの天皇賞春はあの位置にいた馬にとって展開が厳しすぎた印象。ここは逆に距離が微妙に短い可能性はあるが、スタミナに余裕がある強みでぐいぐい先行していってよいと思う。東京戦になるとまた別な適性の問題になってしまうので、ここで走ってほしいし、馬券でも取りたい。

 エアアンセムも位置は取れるタイプだし、相手なりに走れる。中山も悪くない。1800〜2000mばかり走ってきた馬なので2200mをどう意識するかが問題だが、変に意識しすぎて控えるより、いつもと同じ競馬をしたほうが良いように思える。

 ゴールドアクターは走るとすれば中山のはずだが、この2走を見るとさすがに買いづらい。年齢も7歳だし、立て直しは容易でないかもしれない。予想を裏切ってほしいようにも思うが……。

 個人的にちょっと面白いかもと思っているのがブラックバゴ。ふだん出しても34秒台後半くらいしか出さない馬ばかり(先行タイプが多いためだが)の中、この馬は最後方待機から33秒台の競馬もしている。今回は単純な話として12頭しかいないぶん、前との差は小さくなりうる。それでいて多頭数最後方のときと同じように脚が溜まるなら、前半の流れ次第で決め手を行かせる可能性はある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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