◆時計の速い渋ったダートは有利だろう
ダート2000mは落ち着いた流れになりやすく、このレースに多い12頭立て前後だとめったに波乱はない。だが、ハンデ戦だけに今年のようにフルゲート16頭になるとレースの流れが激しくなり、一転して乱戦になる。
昨年は11番人気のメイショウスミトモが混戦を差し切り勝ち。その前に16頭立てだった13年は5番人気のケイアイレオーネの追い込み勝ち。16頭立てでは、09年に差してきた2着のダークメッセージが8番人気、08年に追い込み勝ちしたマイネルアワグラスが6番人気など、フルゲートの多頭数だと、この時期の2000mになって11回、だいたい波乱の結果になる。
コパノチャーリー、サンライズソア、ラインルーフ、ミキノトランペットなど強力な先行馬が揃った点に注目して、差す脚のある55キロの伏兵コスモカナディアン(父ロージズインメイ)の大駆けに期待したい。オープンクラスのダートでは【0-2-1-8】。めったに好走していないが、昨春の仁川S(阪神ダート2000m)では、今回も対戦するグレイトパールの0秒1差2着。上がり35秒7で突っ込んでいる。
また、今春のGII東海S(中京ダート1800m)では、中位からしぶとく伸びてテイエムジンソクの0秒1差2着。ともに負担重量は勝ち馬と同じ56キロだった。
かなりムラな成績でめったにツボにはまらないので強気にはなれないが、ドバイワールドカップを快勝したロージズインメイ(その父デヴィルヒズデュー)産駒にはそういう難しさがあり、きびしい立場に置かれた苦しいレースで快走することが多い。
この夏、中京ダート1400mのGIIIプロキオンSで驚異的なJRAレコード1分20秒3が記録された際、勝ったマテラスカイの作った前半1000m通過56秒3の猛ペースを追走し、寸前まで2番手で粘ったウインムート(3着)。その全兄でJBCスプリントなど計12勝を記録したドリームバレンチノがロージズインメイの代表的な産駒である。
前出の仁川S2着時のダート2000m2分03秒5は、みんな出走回数が少ないためもあるが、一応ここでは2番目の持ちタイム。母の父ウィズアプルーヴァル(その父カロ)は、芝もダートも平気だった中距離のスピード系。時計の速い渋ったダートは有利だろう。少々ムリ筋の高配当狙いなので、少額で手広く流したい。