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一騎打ちモードと馬券的妙味たっぷりな両G2、秋初戦を迎える有力馬の追い切り情報をお届け!

  • 2018年10月03日(水) 18時00分


春から比べて確実に良化している2頭のG1馬


 先週末は阪神8日目の開催が2日延期。10月1日開催はある程度予測できていましたが、まさか交通事情でもう1日延期になるとは思いもしませんでした。10月2日は火曜日なので、通常は調教開始が6時。しかし開催日になったため、4時の調教開始でした。ということで、それに関連した方々はずっと休みなしの状態で、しかも今週末も3日間開催。関係者の皆様、ほんとお疲れ様です。

 というわけで、10月3日の追い切りは土日のレースへ出走予定の馬を中心に行われていて、月曜日の開催に出走予定の最終追い切りは4日というパターンが多いようです。下記では毎日王冠と京都大賞典を取り上げましたが、やっぱり京都大賞典は2頭の対決に注目したいと思います。

【毎日王冠/キセキ】

 netkeiba.comの単勝予想オッズを見て、少々驚きました。というのも、3日の11時時点ではキセキが単勝15.1倍の6番人気。菊花賞以降のパフォーマンスを見れば、当然だろうという意見なのかも知れませんが、単勝妙味があるとすれば今回かも知れません。

 そう思わせてくれるのが、中間を含めた追い切りの動き。さすがに菊花賞で本命を打った時ほどインパクトあるフットワークには戻っていませんが、その頃に近い推進力は出てきました。最終追い切りもCWの正面入口から入って追い切れたように、気性的にもかなり成長したのでしょう。ただ、G1ホースということで58キロの斤量は少々酷ではあります。

キセキ

推進力ある動きをみせたキセキ、今回はオッズ的にもねらう価値あり!?


【毎日王冠/サトノアーサー】

 前走でようやく重賞制覇、ということには間違いありませんが、ダービーと菊花賞を除けば、すべて3着以内という超堅実派。しかも4歳ですから、まさにこれからが充実一途という期間だと思います。

 今回は9月4日に栗東へ入厩していますが、約1ヶ月の間にみっちりと追い切り本数を積みました。最終追い切りはCWで2コーナーから入場しての6F追い。スプマンテを追走していましたが、楽に追い抜いて先着のゴール。前走は中2週だったので、4F追いでしたが、今回は2走前の休み明けと同じ距離。よって、ここは全く問題ありませんし、むしろ今回は本数たっぷりの調教量だけに最初からエンジン全開のレースとなりそうです。

サトノアーサー

調教量豊富でサトノアーサー、これなら休み明けでも!(9月25日撮影)


【毎日王冠/カツジ】

 前走NHKマイルCはスタート前から散々。ゲートでは潜りそうになり、ゲートを出ても煽り気味。それでもすんなり先行という形でしたが、3コーナーで前が詰まり気味になる不利。それでもめげずに直線は伸びようとしていましたが、最後はぶつけられて終了。それでいて勝ち馬から0.7秒差なら、秋に向けて良い経験をしたと諦めるしかないでしょう。

 今回は函館Wで時計を出し始めて、ここまできっちりと本数をこなしてきました。それを証明するように動きが軽快だった1週前。単走でしたが、松山弘平騎手が跨って、6F79.2秒は時計的にも動きとしても文句ありません。今回は人気もかなり落ちるようですから、馬券的な妙味もたっぷりだと思います。

カツジ

軽快な動きで巻き返しが期待出来そうなカツジ(9月25日撮影)


【京都大賞典/サトノダイヤモンド】

 今回はトレセンニュースでも再三取り上げてきました。その理由は栗東へ入厩した時の雰囲気。その時、何かが違うと感じることができましたが、実際に追い切りでの動きを見ていると、やっぱり春とは違う雰囲気を感じます。それを具体的に表現できないところが私の文章力のなさかも知れませんが、単純な言葉だと推進力。

 この馬の追い切りは首と胴体が水平になって、低い重心でダイナミックなフットワーク。しかし春は水平になっても重心が低くなかったり、ダイナミックなフットワークでも体全体はバランスが悪かったりと、見ていてイイと思える時がありませんでした。宝塚記念の途中で動いていくレースで何かのきっかけを思い出したのかも知れませんし、今回コンビを組む川田将雅騎手との相性が良いのかも知れません。とにかく今回はどんな走りを見せてくれるのか、本当に注目の一戦ですし、4日の最終追い切りでどんな仕上げをしてくるかも注目です。

サトノダイヤモンド

春から雰囲気が良化したサトノダイヤモンド、川田騎手との初コンビもプラスに出そう(10月2日撮影)


【京都大賞典/シュヴァルグラン】

 2016年秋。宝塚記念(9着)後は京都大賞典から始動というプランもありましたが、態勢が整わず、アルゼンチン共和国杯というローテーション。2017年秋は宝塚記念8着から京都大賞典で3着。この時は宝塚記念の疲れもさほどないということでしたが、今年の天皇賞・春2着からここというローテがベストだったと思います。

 というのも、本当に順調すぎて、追い切りでも常に動ける状態。これまでのシュヴァルグランなら遅れるだろうという追走する内容の併せ馬でも即座に反応できていますし、馬体を見ても内面から盛り上がるような筋肉。今が充実期という言葉がふさわしい雰囲気が整っています。

シュヴァルグラン

順調すぎて今がまさに充実期といったかんじのシュヴァルグラン(9月25日撮影)


◆次走要注意

・9/30 サフラン賞【レッドアネモス】(4人1着)

 追い切りで抜群に動いていただけに、問題はレース当日の馬体重くらいだろうと思っていましたが、そこは+2キロで全く関係なし。センスのよい競馬で逃げ切っての勝利。着差以上に強く、今後も自分のリズムでラップを刻んでいけば、重賞も楽々と勝てるはずです。

[メモ登録用コメント] [マイル]最終追い切りCWで6F80秒以下なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・2歳未勝利【オールイズウェル】

 1週前追い切りの動きも目立っていましたが、特に3日のCWでは古馬500万下を追いかけて楽に先着。時計の出にくい馬場で6F81.6秒はかなり動いていますし、これなら楽々未勝利脱出ということになりそうです。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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