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今年も少しひねって買うのが正解!?/毎日王冠

  • 2018年10月03日(水) 18時00分

■毎日王冠(G2・東京芝1800m)フルゲート18頭/登録13頭


【コース総論】東京芝1800m Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気など人気サイドが順当に強い。極端な穴狙いは避けるのがベター。
★フルゲートでは外枠の成績がイマイチ。内枠〜中枠の馬を上に評価したい。
★かなり差し優勢で中団待機組が好成績。単勝適正回収値もバツグンに高い。





 2コーナーのポケットからスタートして、バックストレッチへと斜めに進入する東京芝1800m。とはいえ、芝2000mほどトリッキーなコース形態ではなく、展開的な紛れも小さい部類である。広々とした大回りの競馬場であるため、馬だけでなくジョッキーも、能力をキッチリ発揮しやすいことだろう。

 人気別成績にも、能力を発揮しやすいコースであるのがハッキリと現れている。1番人気は[16-13-1-13]で連対率67.4%と高信頼度で、3着はわずかに1回。単勝適正回収値や複勝回収値も非常に高く、文句なしに優秀な内容といえる。また、それ以外の上位人気馬も全体的に好内容であり、対照的に人気薄は低空飛行。極端な穴狙いは避けるべきで、「上位人気を絞ってキッチリ獲る」ような買い方が求められる。

 次に枠番データ。内外で極端な成績差は見られないコースだが、外枠である馬番13〜18番の複勝率が落ち込んでいるのが見てとれる。複勝回収値も36と非常に低く、これは外枠から好走している馬が、人気サイドばかりであるのを示している。今年の毎日王冠は最高でも13頭なのであまり気にする必要はないが、基本的には「やや外枠不利」であることを覚えておきたい。

 最後に脚質面。これはハッキリと「差し優勢」である。データ母数が少ないとはいえ、中団待機組がトータル[8-4-6-60]で勝率10.3%と、他を圧倒。連対率や複勝率はもちろん、単勝適正回収値が141.7と非常に高いのも注目に値する。最速上がり馬の成績も優秀で、キレ味の鋭い末脚が大きな武器となること間違いなし。ここでは「差し→差し」決着や、「差し→先行」決着を前提に予想を組み立てたい。

【レース総論】毎日王冠(G2) 過去10年

・レースの要所!

★開幕週の影響が色濃く感じられるレース結果。波乱傾向もそれなりに強い。
★コースデータよりも格段に内枠優勢。内枠であればあるほど有利なレース。
★逃げた馬の半数が馬券圏内。先行勢もよく残っており、前の強さが目立つ。
★5歳以下馬が強い一戦。人気馬は継続騎乗組、穴馬は乗り替わり組が強い。








 レースの平均配当は、単勝788円、馬連5891円、3連複2万1948円。単勝平均は低め水準だが、出走頭数を考えると馬連平均や3連複平均はけっこう高い。昨年も、1番人気のソウルスターリングと2番人気のマカヒキがぶっ飛び、なかなかオイシイ配当となっている。堅そうなイメージのレースだが、実際は意外に荒れているのだ。

 目立っているのが、牝馬と関西馬の強さ。前者は出走数こそ少ないが、過去10年で4頭が出走して3頭が連対と絶好調だ。ここにぶつけてくるようなクラスの牝馬は、牡馬と比べてもまったく遜色のない能力を有しているといえる。そして関西馬は、トータル[7-8-4-54]で連対率20.5%、複勝率26.0%と、関東馬よりも明らかに強い。西高東低の傾向が強いレースといえそうだ。

 次に枠番だが、コースデータよりも格段に内枠が優勢となった。単純に内外で比較したデータにおいても、馬番1〜8番がトータル[8-8-9-55]で複勝率31.3%であるのに対して、馬番9〜16番は[2-2-1-42]で複勝率10.6%と、その差はなんとトリプルスコア。少頭数で行われることが多いレースとはいえ、これはかなり極端な成績差である。開幕週の馬場が大きく影響しているのは、間違いない。

 開幕週の影響は、脚質データからもハッキリと見てとれる。コースデータでは完全に差し優勢だったが、レースデータでは逃げた馬の半数が馬券圏内に粘っているなど、先行勢の強さが目立つ内容に。過去10年で馬券に絡んだ馬のうち、半数が4コーナーを5番手以内で回っている先行勢だった。コースがコースなので差せなくはないが、ここは先行勢重視の姿勢で臨んだほうがベターである。

 年齢別データでもっとも内容が優秀だったのは3歳馬。次いで4歳馬、5歳馬という評価順であり、「若ければ若いほど好走率が高いレース」となっている。昨年のサトノアラジンや一昨年のヒストリカルのように高齢馬も上位に食い込んではくるが、トータルで考えると若い馬のほうが強いのは明白。5歳以下馬を重視するスタンスを推奨する。

 前走クラス別や前走レース別では順当に「前走G1組が強い」という結論になるのだが、意外に侮れないのが前走エプソムC組。前走でエプソムCを勝っている馬は[3-0-1-3]で勝率42.9%と、前走G1組と互角以上に張り合えている。前走日本ダービー組や前走NHKマイルC組など、3歳G1を使われてきた組が好成績であるのも覚えておきたい。

 最後に騎手関連データ。毎日王冠は簡潔にいえば「継続騎乗の人気馬」と「乗り替わりの穴馬」が強いレースなのである。それを証明するのが掲載したデータで、とくに目立っているのが、穴馬における乗り替わり組の強さ。回収率ベースの数値が猛烈に高い「乗り替わり×4〜6番人気」や「乗り替わり×7〜9番人気」の組み合わせは、文句なしに買いといえる内容だ。今年も高配当の立役者となってくれそうである。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 開幕週のAコースで馬場自体は絶好のコンディション。速い時計が出そう。

・天候予測
 台風の動きが気になるが日曜日は晴れる見通し。良馬場前提の予想で。

・注目血統
 ルーラーシップ産駒◎、ディープインパクト産駒○、キングカメハメハ産駒▲

 やたらと週末に直撃する今年の台風。25号が日本に接近中だが、現在のところ週末の3連休に大きな影響はなさそうな気配である。良馬場で、絶好の馬場コンディションでのスピード勝負となりそうな雰囲気。念のため、土曜日のうちにエアレーションの影響を見定めておけばバッチリだろう。

 血統面からは3種牡馬の産駒をプラスに評価したが、驚かされたのがルーラーシップ産駒が見せているコース適性の高さである。[8-7-9-29]で勝率15.1%、連対率28.3%、複勝率45.3%という信頼度の高さもさることながら、単勝適正回収値125.8、複勝回収値144と爆発力の高さも尋常ではないレベル。ディープインパクト産駒やキングカメハメハ産駒も強いが、それよりも一枚も二枚も上といえる超ド級の内容といえる。

★出走登録馬 総論×各論

 東西で注目度の高い重賞が行われる今週末。サトノダイヤモンドとシュヴァルグランが激突する京都大賞典も面白そうだが、アエロリット、サトノアーサー、ケイアイノーテック、キセキ、ステルヴィオなど粒ぞろいのメンバーとなった毎日王冠のほうが、馬券的には面白そう。現在のところnetkeiba.comでは女傑アエロリットが1番人気に推されているが、当データ分析での評価は「押さえ」である。

 トップ評価はケイアイノーテック。NHKマイルCで後方2番手から一気に突き抜けた末脚は、まだ記憶にも新しい。初距離や古馬相手の56キロなど課題はあるが、それよりも楽しみの方が大きな一戦。追い込み一辺倒というタイプではないので、ここは中団で脚をタメるような競馬を期待したいところだ。レースと相性のいい伸び盛りの3歳馬でもあり、試金石となる一戦でどのようなパフォーマンスを見せてくれるか、じつに楽しみである。

 二番手評価にサトノアーサー。春に毎日王冠と同コースのエプソムCを快勝し、重賞ウイナーの仲間入りを果たした。相手関係はグッと強くなるが、もともと素質の高さを買われていた馬で、このところの充実ぶりも顕著。ここで有力馬を相手にいいレースができるようならば、この先のG1戦線でも大いに期待できるはずだ。トレセン帰厩からレースに至るまでの臨戦過程も、順調そのもの。こちらも、楽しみが大きい一戦といえる。

 三番手評価に、人気薄となりそうなステファノス。鞍上が福永ジョッキーに乗り替わる予定で、毎日王冠での好走率が高い「乗り替わり×人気薄」のパターンに合致するのは、大きな魅力である。7歳という年齢が割引材料ではあるが、血統面や前走が宝塚記念であることなどなど、買い材料もかなり豊富。うまく展開をつくような古豪らしい走りで、上位争いを期待する。

 以下はキセキ、アエロリット、ステルヴィオ、ダイワキャグニーという評価の序列。春シーズンは気性面がネックでチグハグなレースが続いたキセキだが、前走後は北海道に放牧に出てリセット。精神面で落ち着きが出て、自分の能力や適性を発揮できる状態に立ち直っていれば、好走も十分に期待できそう。この馬に関しては、パドックや返し馬での気配をしっかりチェックしたい。

 例年通りに前有利の芝バイアスになるとアエロリットが展開的に「超」有利だが、これについては土曜日の結果待ち。モレイラ騎手が鞍上で過剰人気が必至なだけに、慎重に扱いたい1頭である。あとは、ヒモ荒れ傾向が強いレースであることも、馬券を組み立てる上でしっかり意識したいポイントだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧



中山11レース スプリンターズS(G1)
1着 08ファインニードル
2着 09ラブカンプー
3着 01ラインスピリット

今年は2着まで紛れたし(#^ω^)ビキビキ

おそらく本調子ではなかった08ファインニードルが勝つんだから、現在のスプリント路線で力が抜けているのは間違いなし。使い詰めだった09ラブカンプーの粘りにも驚かされましたね。それにしても……このコラムの馬券が当たらん(頭痛)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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