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ルヴァンスレーヴ、3歳馬による南部杯初制覇を目指す/マイルCS南部杯

  • 2018年10月07日(日) 18時00分

世代対決も楽しみな頂上決戦


 10月8日(祝・月)盛岡競馬場で行われるRoad to JBC『第31回マイルCS南部杯』。1997年にダートグレード競走に格付けされ、メイセイオペラ(1998年)、アグネスデジタル(2001年)、トーホウエンペラー(2002年)、アドマイヤドン(2003年)、ユートピア(2004年・2005年)、ブルーコンコルド(2006年・2007年・2008年)、エスポワールシチー(2009年・2012年・2013年)、コパノリッキー(2016年・2017年)ら数々の名馬を輩出してきたダートマイル王決定戦。3連覇したブルーコンコルド、3回制覇したエスポワールシチー、連覇したユートピア、ベストウォーリア、コパノリッキーなどリピーターが活躍する舞台でもあります。

 今年のメンバーはJRA7頭、高知2頭、地元岩手5頭の合計14頭。近年JRA勢による上位独占が続いており、今回もやはりJRAの7頭が中心となります。

 今回注目したのは3歳馬ルヴァンスレーヴ。デビューから6戦5勝【5-1-0-0】。昨年12月の全日本2歳優駿を制し2歳チャンピオンに輝き、6月のユニコーンSも1着、前走7月のジャパンダートダービーも快勝しJpnI2勝目。名実ともに世代チャンピオンに輝きました。先週10月2日に金沢で行われた白山大賞典を3歳馬グリムが古馬との初対戦で勝利し、現3歳世代の強さを印象付けたばかりですが、ここで世代の真打登場! そのルヴァンスレーヴも古馬と初対戦ですが、これまで左回りで4勝(新潟・川崎・東京2勝)、1600mで3勝。盛岡競馬場のダート1600mは、本当に力のある馬が勝つまぎれの少ないチャンピオンコース。真の王者を目指す若き挑戦者・ルヴァンスレーヴにとって大きな晴れ舞台です。

 ルヴァンスレーヴが勝てば3歳馬による初の南部杯制覇。ちなみに3歳馬の出走は数が少なく、2004年トップオブワールド4着が最高着順。2011年ボレアス(11着)以来7年ぶりの出走となりますが、ルヴァンスレーヴはこれまでの出走馬に比べて断然の実績。3歳馬の初制覇達成で歴史に名を刻むことができるでしょうか?! 非常に楽しみです。

前走7月のジャパンダートダービーを快勝したルヴァンスレーヴ(写真は18年ジャパンダートダービー優勝時、撮影:高橋正和)


 古馬の筆頭はゴールドドリーム。昨年はフェブラリーSとチャンピオンズCを制しJRA最優秀ダートホースに輝きました。今年のフェブラリーSは2着でしたが、かしわ記念1着、帝王賞1着と通算GI・JpnI4勝を挙げ充実の成績。昨年の南部杯では大きく出遅れて5着でしたが、実績を積み重ねた今、雪辱を果たしたい1戦。父は昨年連覇を果たしたコパノリッキーと同じゴールドアリュール。エスポワールシチー、オーロマイスターも父ゴールドアリュールで、産駒が南部杯と相性が良いのも注目ポイントです。

古馬筆頭のゴールドドリーム(写真は18年帝王賞優勝時、撮影:高橋正和)


 ノンコノユメは今年、フェブラリーSを制し完全復活。3歳時にはルヴァンスレーヴと同じくユニコーンS、ジャパンダートダービーを勝利しましたが、そののち去勢手術後の低迷期を経験。長い時を経ての復活劇は競馬ファンの心を打つものがありました。初めての盛岡コースでいつもの末脚炸裂なるか? 楽しみです。

フェブラリーSを制し、完全復活したノンコノユメ(写真は18年フェブラリーS優勝時、撮影:下野雄規)


 昨年2着のノボバカラ。7番人気とJRA勢ではいちばん人気薄でしたが、逃げてコパノリッキーの2着を確保しました。昨年同様、鞍上に金沢の吉原寛人騎手を迎え、1年ぶりのコンビで昨年の再現なるか目が離せない1頭です。

昨年このレースで2着のノボバカラ(写真は16年カペラS優勝時、撮影:下野雄規)


 オールブラッシュは田邊裕信騎手と村山明厩舎というコパノリッキーのコンビが送り出す怖い存在。2017年の川崎記念を制しているJpnIホースで、今年のかしわ記念ではゴールドドリームの2着。8枠14番と大外枠になりましたが、陣営の戦略に注目。

陣営の戦略に注目のオールブラッシュ(写真は17年川崎記念優勝時、撮影:高橋正和)


 ベストウォーリアは2014年、2015年と南部杯連覇。2016年2着、2017年6着で今回が5回目の出走。8歳になり近走不振ですが、盛岡は【2-1-0-2】。得意のコースでどこまで進出できるでしょうか。

得意のコースでどこまで進出できるか注目のベストウォーリア(写真は14年南部杯優勝時、撮影:高橋正和)


 メイショウウタゲはコツコツと勝ち星を積み重ねてきた7歳馬。前走・エニフS(阪神・OP)では致命的出遅れから直線一気で快勝。ダートグレード競走では2017年東海S3着が最高。地方競馬は初参戦となります。

地方競馬は初参戦となるメイショウウタゲ(写真は18年エニフS優勝時(c)netkeiba.com)


 今年も豪華メンバーが揃ったマイルCS南部杯。3歳ルヴァンスレーヴか、5歳ゴールドドリームか、6歳ノンコノユメか。世代対決も楽しみな頂上決戦。先行馬有利か?直線で追い込みが決まるのか? 見応えあるレースになること間違いなしです。3連休を締めくくる戦い、盛岡競馬場にご注目ください。

※次回の更新は10月9日(火)18時。翌日に大井競馬場で行われる「東京盃」のコラムをお届けします。
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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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