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上がりが速ければスプリント血統。上がり遅ければタフな血統

  • 2018年10月19日(金) 19時00分

今の京都は、良馬場といって上がりが速くなるわけではない


 菊花賞はレースの「上がりタイム」で血統の傾向が大きく変わるレース。

 35秒前半、あるいは34秒台にも突入するような「速い上がり」の場合は、スプリント血統や米国のスピード血統が優勢。

 逆に「レース上がり」35秒後半以上の消耗戦になる場合は欧州血統。特にロベルト系の血を持つ馬が走りやすいレース。ダート長距離に強い血統が走ります。

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 ダート中長距離戦も高速ダートになると、米国血統。パサパサの上がりがかかる馬場になると、欧州血統が走るのに似た構造ともいえるでしょうか。

 2015年の菊花賞はレース上がりが35.4秒。1、2着馬は上がり35秒0、35秒1。「速い上がり」のレースで勝ち馬のキタサンブラックの母父はスプリンターのサクラバクシンオー。2着リアルスティールも母父は米国のスピード血統ストームキャット。

 2016年はレース上りが34.7秒。勝ち馬のサトノダイヤモンドも母系にサザンヘイロー。高速決着を好む母系。2着レインボーラインも母父米国型。3着のエアスピネルはマイルで実績を残す馬。

 2014年もレース上がりは34秒台。勝ち馬のトーホウジャッカルは姉が芝1200m重賞を勝った快速馬のトーホウアマポーラ。母父は米国型のスピード血統アンブライドルズソング。

 一方、上がりがかかるレースの場合。母父欧州型。特にロベルトを持つ馬が台頭。なかでもタフな長距離ダートも得意なブライアンズタイムの血が走ります。

 昨年も上がりのかかる馬場で、母父にロベルト系のブライアンズタイムを持つクリンチャーが2着に。勝ち馬のキセキはルーラーシップ産駒。同種牡馬も中距離ダートを走る産駒も多数出しています。

 同じく上がりが36秒かかった2013年は、勝ったエピファネイアが父ロベルト系、母母父サドラーズウェルズ。3着バンデは父系がサドラーズウェルズ系で英国ダービー馬のオーソライズド。兄のドクターディーノは香港の芝2400mG1と欧州の芝2400m重賞勝ち馬。

 ゴールドシップが勝った2012年も上がり36.1秒。2着のスカイディグニティはブライアンズタイム産駒。

 軽い馬場の場合に注目したいのは母父米国血統のメイショウテッコン、グローリーヴェイズ。

 メイショウテッコンは母がアメリカ血統。母母父も米国型。母方全体も欧州の血が薄く米国色の強い血統。軽い馬場の京都は合います。

 グローリーヴェイズは母父フォーティナイナー系。同系の産駒は、JRAのスプリントG1を2年連続で完全制覇。スプリントの血が活きる軽い馬場向きの母父。

 タフなレースなら欧州血統とダート長距離血統の出番。

 タイムフライヤーは母父がロベルト系のブライアンズタイム。上がりがかかる馬場、レースになった場合には急上昇する血。近親サクラローレル、タイムパラドックス。ダートも含む上がりのかかる長距離レースに強い一族。

 グロンディオーズは父がルーラーシップ。タフな馬場だった昨年の勝ち馬キセキも同一種牡馬。母系に欧州の名血トップヴィル。欧州の名馬ダーレミやモンジューを出した欧州の名血。兄ムスカテールは2014年のダート交流G1川崎記念でダートの名馬ホッコータルマエと0.1秒差の2着。

 今秋の京都は、良馬場だからといって上がりが速くなるわけではないので、馬場と展開によっては上がりのかかる馬場になる可能性も十分に考慮する必要があります。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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