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群雄割拠の菊花賞、「勢いは最強の力」を検討の中心に据えたい

  • 2018年10月20日(土) 12時00分

全馬が未経験の距離、何が起こっても不思議はない


 菊花賞戦線は、群雄割拠。全馬が未経験の距離を戦うのだから、何が起こっても不思議はない位の気持でいきたい。「勢いは最強の力」という意味を含む孫子の言葉、「善(よ)く戦う者は、これを勢(せい)に求めて人に責(もと)めず」を実践してみたい。戦上手はまず何よりも勢いに乗ることを重視しているという孫子の兵法は、こういうときほど生きてくる。

 いずれも距離克服がカギなのだから、裏街道を歩んできたもの、夏の上り馬の中に伏兵は潜んでいるものと考えてみた。

 過去10年、神戸新聞杯3着で菊花賞馬になった馬と言えば、オウケンブルースリ、ビッグウィーク、トーホウジャッカルの3頭がいるが、いずれも、夏競馬で1000万特別を連対して秋を迎えていた。昨年の勝ち馬キセキだって、1000万の信濃川特別を勝ち神戸新聞杯2着から本番だった。

 春はクラシックに乗れず、その後力をつけてきたものと言えば、カフジバンガード、グロンディオーズ、それにメイショウテッコン、ユーキャンスマイルの4頭がいる。この中で、父が菊花賞馬マンハッタンカフェのメイショウテッコンは、速い脚が持続できるタイプ。夏にラジオNIKKEI賞を勝って神戸新聞杯3着なら、運が向いてくるかもしれない。カフジバンガードは、京都が合うハービンジャー産駒。スタミナがあって長くいい脚を使える。この2頭は、先行してゆったり走りたいタイプで、好枠に入ったことで運は引き寄せた。

 成功の秘訣は「運鈍根」の三原則が柱の心掛けと言うが、運を生かすのにあせってはならない。走る距離は長いのだから慌てず鈍の心で、そして最後は根気とねばりの根でまとめる。どうだろうか。

 ダービー馬が出ていないなら、これにゴール寸前で交わされた皐月賞馬エポカドーロを主役とするのが、春の力関係から当然だが、その春、皐月賞は7番人気で勝ち、2着と3着は9番人気と8番人気だった。そしてダービーが、5番人気、4番人気、16番人気の順でいずれも波乱だった。

 ますます、「勢いは最強の力」を検討の中心に据え、上記の各馬の他に、ダービーは立ち遅れて5着だったブラストワンピースも、英気を養って新潟記念で古馬を倒した勢いを買って注目しておく。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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