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今年も豪華メンバーが揃った天皇賞・秋、注目馬の追い切りをチェック!

  • 2018年10月24日(水) 18時00分

好仕上がり馬多数、それぞれのキーポイントにも注目


 先週の菊花賞。まずは予想を参考にしてくださった皆様、申し訳ありませんでした。◎グレイルの状態に関しては、過去最高だったと今でも思っていますが、言い訳をさせてもらえるならレースペース。せめて残り800mからは速くなるはずのレースが、残り400mの地点まで、1Fのラップが12秒を切らない「超」がつくスローペース。最後方に近い位置から追走していたので、見せ場すらないままに終わるのは展開が大きな要因だったことは間違いありません。

 これによって起こった事象がメンバー最速上がりをマークした馬が5頭もいたこと。上位3頭に加えて、グローリーヴェイズとシャルドネゴールドが33.9秒でした。グレイルは34.3秒なので、展開が流れたとしても末脚で負けてる、という判断もあるかも知れませんが、道中の流れが違えば、全体的にこの数字は大きく変化すると思います。いずれにせよ、こうなってしまったら、ごめんなさいとお詫びするしかないので、天皇賞・秋ではそんなことにならないように、展開を読み切りたいと思います。

 あと、重賞は27日の土曜日にアルテミスSとスワンSがありますが、前者には美浦の良血馬がたくさん出走予定ですね。これらに対して、どんなレースを見せてくれるか。栗東から注目の1戦1勝馬が東上するので、これに関しては下記で取り上げさせてもらいました。

【天皇賞・秋/スワーヴリチャード】

 1週前追い切りはこの馬らしいというか、スピード感が抜群で、時計的にも見た目的にも文句ない走り。ここまで丁寧に乗り込んできて、中身が出来ているからこその動きだったと解釈しています。

 それだけに最終追い切りをどの程度にしてくるのか。注目でしたが、3頭併せで、しかもM.デムーロ騎手が跨ったのは意外。時計が速くなりすぎるのでは、と心配しましたが、それも杞憂。前に2頭を見ながら、最後は馬なりで前に並びかける形でフィニッシュ。6F81.9秒、1F11.6秒はオーバーワークにならない程度のちょうどいいところだったと思います。

スワーヴリチャード

スピード感が抜群で文句なしのスワーヴリチャード


【天皇賞・秋/マカヒキ】

 前走は栗東在厩時から雰囲気を感じさせていただけに、それが結果として着順に表れたと思います。そこから上昇できるのか、非常に興味がありましたが、個人的には前走以上の印象を受けています。それをサポートしたのが武豊騎手。1週前追い切りに騎乗しましたが、その動きが絶品。スムーズという言葉がぴったりな走りでした。

 その効果なのか、最終追い切り直前では3歳時に見られた、少し煩くなるような仕草もありました。これは決して悪いわけではなく、この馬本来の良さを示す行動だと思います。坂路では時計が遅くなってしまいましたが、もともと良馬場でパフォーマンスが高い馬。あとは名手にエスコートしてもらうだけです。

マカヒキ

スムーズという言葉がぴったりな走りのマカヒキ


【天皇賞・秋/キセキ】

 振り返れば、宝塚記念時に復調の気配を見せ、毎日王冠の中間ではそれ以上の雰囲気を感じさせていました。前走の結果を見ると、確実に走れる状態に近づいていることは間違いありません。今回も前走を使ったダメージはなく、むしろ落ち着きが出ているといった感じもあります。

 だからこそ、最終追い切りも前走と同じパターン。1回目のハローが終了した直後のCWで、非常に混雑した時間帯。それをゆったりとしたフットワークで走れるくらいですから、本当に大人しくなりました。追い切り自体は終い重点でしたが、最後は鋭い伸びで1F11.5秒。時計を要する馬場状態だったことを考えると、この馬らしい爆発力が戻ってきた印象すらあります。ただ、全体時計が遅くての終いの伸び。やはり前走のように前半から脚を使うと爆発力は薄くなると思うので、そのあたりが結果の鍵を握りそうです。

キセキ

落ち着きが出ているキセキ


【天皇賞・秋/ミッキーロケット】

 まず、京都大賞典を使う予定が、天皇賞・秋へスライドになったことについては、全く心配しなくてよいでしょう。帰厩が遅れたとはいえ、ここまでの準備期間としては十分ですし、相応の調教量は消化しています。

 だからこその1週前追い切り。追い切りでは抜群に動くレッドラウダを追走して楽々と先着。昨年の天皇賞・秋では本命を打ちましたが、やはり右側にラチがある状況だと素晴らしい動きと切れを見せてくれると思います。最終追い切りでもしっかり動きましたし、仕上がり状態に関しては問題なし。あとは展開や枠順などの状況が整えばといったところ。

ミッキーロケット

仕上がり問題なしのミッキーロケット


【アルテミスS/ビーチサンバ】

 前走の走破時計は平凡ですが、瞬発力勝負のレースにおいて、2着には0.3秒、3着には0.7秒と差をつけるレースでの完勝。いわゆる「モノが違う」勝ち方をしてくれましたが、それをあらためて実感したのは、1週前追い切りのCWでの動き。

 藤岡康太騎手が跨っていましたが、3頭併せの最内から楽々と抜けてきます。追い切り直後のジョッキーは興奮気味でしたし、私自身も興奮しました(笑)。最終追い切りは坂路で単走だったこともあり、地味に終えていますが、馬場状態が悪かったことを思えば、先週の段階でしっかり負荷をかけることができて正解。簡単なメンバーでないことは承知していますが、それらを相手に結果を出してこそ、次のステップが見えてくるというものです。

ビーチサンバ

次のステップへの期待が高まるビーチサンバ(写真奥)


◆次走要注意

・10/21 3歳上500万下【トウカイオルデン】(1人3着)

 スタートも決めて、前に壁をつくって、絶好のレースと思いましたが、最後の直線は全く動けないポジション。ゴール直前で脚は使ったものの、消化不良のレースで終わってしまいました。前向きに考えれば、距離はこなしましたし、次は決めてくれるでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切りでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・古都S【アドマイヤエイカン】

 最終追い切りの動きは前走よりも明らかに良かった今回。CWでアドマイヤアルバとの併せ馬でしたが、外から並びかけて、最後まで余裕のある走り。あとは距離をこなしてくれるかどうか。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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