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かなり内枠有利なコースである点に注意!/JBCクラシック

  • 2018年10月28日(日) 18時00分

■JBCクラシック(Jpn1・京都ダ1900m)フルゲート16頭/登録18頭


【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口


 いきなり看板に偽りアリだが、特注データの掲載はナシ。というのも、開催場が持ち回りで、施行条件が毎年のように変わるJBCクラシックにおいては、データがほぼ無意味だからである。しかも、今年のJBCクラシックは地方所属馬がカツゲキキトキト、シュテルングランツ、タガノゴールドの3頭しか出走しない、事実上の中央重賞。なおさら、過去のデータなど何のアテにもならない。

 そういう理由もあり、重視したいのが京都ダ1900mのコースデータ。詳しくは後述するが、じつはこのコースはかなり「内枠有利」なのだ。コーナー4つで相応の器用さが求められる上に、最後の直線が平坦なので、先行勢はそうそう簡単には止まらない。内枠から先行できるタイプは、人気薄でも狙ってみる価値があるはずである。

 また、意外なほど波乱傾向が強いコースであるのも注目したいポイント。オープン特別〜重賞に限ったデータではその傾向がさらに強まっており、1番人気はトータル[3-3-2-10]で勝率16.7%、単勝適正回収値41.6とハッキリ不振。対照的に穴馬は、極端な人気薄をのぞきガンガン上位に食い込んできている。

 過去の結果からは「とにかく堅い」としか言いようがないレースだが、事実上の中央重賞と化した今年に関しては、波乱の余地もあるはず。中穴から流すような、攻めた買い目で勝負してみるのも面白い。

【コース総論】京都ダ1900m

・コースの要所!

★人気サイドの信頼度が低めで、狙ってオイシイのは4〜6番人気の中穴ゾーン。
★ハッキリと内枠有利のコース。「真ん中よりも内」に入った馬はプラス評価。
★基本的には先行勢優勢も、最速上がり馬の成績は超優秀。末脚のキレも重視。





 ホームストレッチの4コーナー寄りからスタートする、京都ダ1900m。ダ1800mとの差はスタート地点が100mズレるだけだが、最初のコーナー進入までに余裕が生まれることによって、レースの流れはかなり変わってくる。簡潔にいえば、序盤〜中盤のラップが緩みやすくなり、そのぶん勝ち負けに「決め脚」が要求される印象だ。

 まずは人気別だが、1番人気を筆頭に、人気サイドの信頼度は総じて低め。それとは対照的に好内容が目立つのが、4〜6番人気の中穴ゾーンだ。複勝率は30.8%ときわめて高く、単勝適正回収値103.5、複勝回収値90と回収率ベースの数値も優秀。ここから入る馬券が、いちばん効率よく儲けられると思われる。

 次に枠番。冒頭でも少し触れたが、ハッキリと内枠有利のコースだ。もっとも内容が優秀なのは馬番1〜4番で、勝率は8.5%と突出した高さ。回収率ベースの数値やギャップ値も優秀で、内枠というだけでかなり有利に立ち回れるようだ。また、単純に内外を比較したデータにおいても、ギャップ値には大差が。「真ん中よりも内」の馬番かどうかは、かなり重視したほうがいい。

 ダート戦らしく、脚質面は先行勢が優勢。逃げた馬は[11-8-6-26]で複勝率49.0%と、2回に1回のペースで馬券絡みしている。ただし、注意したいのが「最速上がり」をマークした馬の好成績。連対率61.0%、複勝率72.9%、複勝回収値331という素晴らしい内容を残しているように、速い上がりを使えるのは大きな武器だ。過去のJBCクラシックとは違って、速い上がりを使える馬は積極的に狙う価値がある。

【レース総論その1】JBCクラシック(Jpn1) 過去10年




 過去10年のJBCクラシックについて集計した結果がこちら。開催場、距離、頭数などの違いをいっさい考慮せずにブチ込んだ、いわば「ごった煮」のようなデータである。何の役にも立たないといっても過言ではないが、過去のJBCクラシックがどのようなレースだったのかをおさらいするには、役立つかもしれない。

 あえて特徴をあげるなら、まずは「メチャクチャ堅い」という点だ。過去10年の平均配当は単勝509円、馬連917円、3連複1703円という低さで、3連複が100円台だった年が3回もある。3番人気以内馬がトータル[7-9-5-9]で複勝率70.0%をマークし、対照的に7番人気以下が馬券に絡んだのは、たったの2回だけ。地方馬が馬券に絡んだのも、2010年に2着したフリオーソだけだ。人気薄&地方馬には手が出せないレースである。

 そしてもうひとつが徹底的に「差せない」こと。最後の直線が短い地方競馬で開催されてきたので当然といえば当然だが、過去10年に馬券絡みした30頭のうち、じつに28頭までが4コーナーを「5番手以内」で回っていた。昨年はサウンドトゥルーが後方から一気の脚で突き抜けたが、それができたのは大井競馬場だからに他ならない。

【レース総論その2】JBCクラシック参考レース




 ここで掲載しているデータは、2008年以降に京都ダ1900mで行われた「オープン特別〜重賞」を集計したもの。平安SやアルデバランSなど、合計18レースがその対象である。これはこれでかなり雑なデータだが、JBCクラシックのレースデータよりはナンボか役立つはず。大まかな傾向をコレで把握しておきたい。

 人気別データで目立っているのが、1番人気の弱さだ。コースデータでも人気サイドが弱かったが、こちらは[3-3-2-10]で勝率16.7%、単勝適正回収値41.6と、さらに低調な内容。3番人気以内馬のトータルで見てもイマイチで、まったく食指が動かない。それとは逆に絶好調なのが人気薄で、4〜6人気や7〜9人気だけでなく、10〜12番人気も好内容。さすがに13番人気以下になると厳しいが、波乱傾向はかなり強い。

 次に枠番だが、やはり注目は内枠。馬番1〜4番の勝率は9.7%と飛び抜けた高さで、回収率ベースの数値もきわめて優秀だ。連対率や複勝率など信頼度は馬番13〜16番のほうが上だが、これは平均人気の高さによって出されたもので、ある程度は差が出て当然。平均人気がもっとも低いことを加味すると、内枠の有利さは疑いようもない。単純に内外を比較したデータで、ギャップ値に大きな差が出ていることからも「内>外」だと断言する。

 脚質面は、コースデータ以上に先行勢が優勢。逃げた馬の勝率が33.3%と非常に高く、先行勢のトータルで見ても好内容。中団待機組との成績差がコースデータよりも大きいことから、クラスが上がって前がよりバテなくなっていると思われる。上がり上位馬の好成績も相変わらず目立っているが、前々のポジションから速い脚を繰り出す必要があるのは、データをご覧の通りである。

★JBCクラシック 総論×各論

 地方所属馬が3頭しかエントリーせず、事実上の中央重賞として開催される、今年のJBCクラシック。コースが京都ダ1900mとなったことで、「荒れる」確率は例年よりも大幅に高くなったはずだ。とはいえ、トップクラスのダート戦が大波乱となるケースは少ないので、極端な大穴狙いは避けるのが賢明。点数を絞った上でチョイ荒れあたりを狙うのが、いちばん効率がよさそうである。

 現時点でのトップ評価は、素直にケイティブレイブ。前走は船橋での日本テレビ盃だったが、余裕たっぷりの完勝だった。前々で流れに乗れて速い上がりも使えるのだから、大崩れが少なくて当然。コースの勝ちパターンにも合致する。オープン特別〜重賞において、「1番人気が意外に弱い」という傾向が強いのは減点材料だが、それでもこの馬が4着以下に終わるケースは考えづらい。

 二番手評価に、3歳馬のオメガパフューム。この世代の大将格であるルヴァンスレーヴが、古馬のトップクラスを相手に盛岡の南部杯を制したのは、まだ記憶に新しい。そのルヴァンスレーヴといい勝負をしていた馬で、前走のシリウスSではこちらも古馬を撃破。ダート界の世代交代を告げる存在となる可能性が、十分にありそうだ。

 三番手評価に、人気薄となりそうなオールブラッシュ。近走はイマイチな結果が続いているが、過去には川崎記念を制している実績馬で、京都のダートを大の得意としている。衰えたというイメージはなく、この舞台ならば展開ひとつで上位に食い込める余地アリ。人気薄による「一発」の期待は、この馬に託したい。


■総論×各論・先週の馬券回顧



フィエールマンはデータで買えぬ!(#^ω^)ビキビキ

もうね、外国人ジョッキーの買い&消しジャッジが正しくできれば、それだけでメインって当たるし儲かると思うんですよ。だからといって、当欄でそれをやるというのは、明らかにおかしいもんなあ。う〜ん、何かいい方法ないだろうか(模索)。

※コース、血統、レースの各データは2008年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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