明らかに条件有利で安心な馬よりも、狙いたいのは…/武蔵野S
6歳馬なのに新星、あの馬の魅力は捨てがたい
3歳春の伏竜Sからここまで、ずっとオープンクラスのダートで【4-5-0-4】の成績を残しているのは4歳サンライズノヴァ(父ゴールドアリュール)。まして、目下2連勝中。GI級ともいえる同馬が、別定重量のここで56キロにとどまるのは、3歳時のユニコーンSはGIII。それ以外の3勝はすべてオープン特別のため。
明らかに条件有利なサンライズノヴァ中心が安心だが、新星ウェスタールンド(父ネオユニヴァース)の魅力は捨てがたい。ふつう6歳馬に新星はありえないが、この馬、1000万条件だった5歳春から1年5カ月も休んでいる(それまでにも3カ月以上の休養が4回ある)。休み明けのこの夏からダートに転じると【2-1-0-0】。すごいダート適性を示し始めた。
光ったのはオープンに格上がり初戦。前回のシリウスSで示した爆発力。先週のJBCクラシックを猛然と追い込んで2着したオメガパヒュームを、離れたしんがり追走からクビ差まで追い詰めた。直線、馬群を割って斜めに内に突っ込み、上がりは35秒1。鮮やかに差し切った勝ち馬のそれを0秒8も上回った。
ダッシュ一歩で毎回のように置かれる。直線が長いからといって、初の東京ダートが合うというものではないが、芝専門に3勝した当時、1600mに1分35秒1(京都)、1800mに1分47秒1(京都)があるようにスピード不足のダート巧者ではない。テン乗りになるが、先週のAR共和国杯を制したC.オドノヒュー(愛)は追い比べに自信がある。ここは、人気の中心ながらまた今回も同じように置かれるはずのサンライズノヴァ(戸崎)をマークして追走すればいい。
全姉ミクロコスモス(4勝)の産駒に、今年の日本ダービーを16番人気で3着し、3連単285万円強の主役になったコズミックフォースがいる。牝系は北米育ちの非常にタフな一族で、ウェスタールンドは母ユーアンミー(その父はミスタープロスペクターの孫世代のマーケトリー)の17歳時の産駒。1年5カ月の休養中にセン馬になっているので、ダートに転じて活路を見いだした現在、さらにタフに活躍しなければならない。だから、6歳でも新星としたい。