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時に前残りがあるエリザベス女王杯は脚質がポイント

  • 2018年11月09日(金) 18時00分

騎手による人気とメリットのバランスも考える必要がある


 連覇がかかるモズカッチャン。昨年の結果で地力があることは示しているし、今回は相手関係からも人気になるのは当然。気になる点はこのところ差しの色彩が強くなっており、時に前残りがあるエリザベス女王杯では差し遅れの可能性があることか。また、成績上は間隔を置くより続戦のほうが良いように見えるので、馬券上の扱いはそこも含めて考えたい。

 ノームコアは脚質的にはこのレースに合いそう。そのうえで前走では溜めたぶんだけはじけるという新しい面を見せた。ただ、キャリアの浅さと成績に瑕の無い点が評価されすぎているようにも見える。ルメール人気とルメールによるメリットのバランスについても考える必要がある。

 騎手人気といえばリスグラシューも同様。馬のほうは、GIのレベルにあることは確実で、そのかわり2000m超の距離で結果が出ていない点が問題。ここをもたせてくるようだとさすがモレイラということになってくる。脚質的に、来る場合はモズカッチャンと組み合わせになって人気サイドでの決着になりそうだ。

 外国人騎手にこだわるなら、クリスチャン・デムーロのカンタービレも忘れないようにしたほうがいい。持ち脚質と全く違う競馬をした秋華賞で馬券に絡めたあたり、地力もそれなりに高いように思える。この馬もオークスで大敗していて距離面での根拠はないのだが、ガリレオ肌にディープインパクトで距離がもたないということはあるまい。

 個人的に魅力を感じているのがレッドジェノヴァ。前走は超一流牡馬たちと1〜2キロの斤量差であの結果というのはかなりのもの。この枠順ならプリメラアスールをカベにして内寄りから好位置で進められそう。有力馬に差しタイプも多いので、早めに抜け出して粘りたいところだ。

 フロンテアクイーンはなんだかんだで7戦連続馬券に絡んでいる。こういう長所がとか、こういう展開ならといった説明はつけづらいのだが、究極の「相手なりに走る馬」だとしたら、今回もとりあえず△はつけておいてよいかもしれない。

 なにか穴を探すとしたら、逃げ先行系だろう。年齢的にさすがに苦しいかもしれないがスマートレイアー、このところちょっと流れがよくないがクロコスミアあたり。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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