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豪華メンバーが揃い、予想が面白くなった今年のマイルCS

  • 2018年11月16日(金) 18時00分

毎日王冠組はマイルCSで勝ちきれないローテだが…


 今年のマイルCSはGI馬7頭、GI勝ちはないが2着がある馬が4頭と、豪華メンバーになった。馬券的には難しいが、そのぶん予想は面白いレースだ。

 前哨戦別に見ると、まずスワンSはモズアスコットがロードクエストに敗れるという意外な結果となった。ただ、本番への上積みという点ではモズアスコットのほうにファンが期待するところは大きく、今回も人気になりそう。これまですべて4着以内という馬だけに、確実に差し脚は伸ばしてくるだろう。

 ロードクエストのほうもそれなりにチャンスはある。週末の京都は多少雨が絡んできそうだが、最終的に馬場が軽くなればなるほどモズアスコット有利。渋るというところまでいかずに少し重めになるくらいだとロードクエストに台頭の余地があるかと思う。

 毎日王冠はアエロリットの逃げ切りだった。この毎日王冠組、かつてはマイルCSで勝ちきれないものの、それなりに2,3着は出してくるローテだった。ただ、気付いてみれば過去10年は[0-1-1-14]。今年はマイルで良さそうなステルヴィオやNHKマイルCの覇者ケイアイノーテックもいるが、この中から複数頭を馬券に取り入れてしまっていいのか、ちょっと迷うところだ。

 3歳馬があまり走っていないという点を重視するならアエロリットを残すことになるが、前走逃げ・先行馬があまり強くないレースというところを意識すると3歳馬をとらざるをえなくなる。

 富士S組は7頭。ここも番手から勝ったロジクライをどう評価するかが問題。今年は逃げ・先行タイプが少ないので有利と考えることもできるが、誰の目にも明らかなくらいメンバーの脚質が偏っているときは皆の想定と逆の展開にもなりやすい。

 個人的には、既にGIで好走歴があってここでステップレースらしい負け方をしているエアスピネル、ペルシアンナイトのほうが買いやすい。特にペルシアンナイトは前走時59キロというエクスキューズもある。

 天皇賞秋からは2頭が参戦。注目はやはりアルアインだ。シンザン記念以来のマイル戦だが、ラップの起伏、特に一瞬の脚を要求されると弱いということを考えると、逆にマイル戦はプラスの可能性もある。一方でいきなりマイルのGIでもあり、前半の追走ができなかった場合は内枠が仇となってしまう可能性もなくはない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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