スマートフォン版へ

「GIレースは外国人騎手の馬券を買うべし」という傾向はますます強まっている

  • 2018年11月17日(土) 12時00分

馬券を買う立場からすれば、当てやすくなっていることは確かですが…


 もうみなさんご存知のとおり、先週11日の京都競馬では、全12レース中11レースで外国人騎手が勝ちました。もちろん(と書いてしまうところもいかがなものか、ですが)、メインのエリザベス女王杯も外国人騎手が1、3着。「GIレースは外国人騎手の馬券を買うべし」という傾向はますます強まっているようです。

 先々週はJBC開催で、3つのGIのうち2つのレースを日本人騎手が制しましたが、これはあくまで“特例中の特例”ですよね? 事実上、今秋のGIは、スプリンターズSで川田騎手が優勝した後は、外国人騎手が勝ち続けていると言ってもいいでしょう。

 JBCがあったことで過去の記録と比較するのがややこしくなりましたが、それを抜きにして考えれば、GIでは先週まで外国人騎手が4連勝中。まぁ去年も、外国人騎手が宝塚記念から菊花賞まで4連勝した後、天皇賞・秋の武豊騎手優勝をはさんでエリザベス女王杯からチャンピオンズCまで再び4連勝していました。なので、別に今さら大騒ぎする必要もないんですけどね。

 2015年3月にルメール騎手とMデムーロ騎手が日本の騎手免許で騎乗を始めて以来、JRAで行われた84のGI(JBC3競走を除く)で外国人騎手は37勝を挙げています。その内訳は、

15年=21戦7勝(.333)

16年=22戦9勝(.409)

17年=24戦13勝(.542)

18年=17戦8勝(.471)

というものでした。カッコ内に示した勝率が、年を追うごとに高くなってきているのが一目瞭然です。

 今のところ今年の数字は去年を下回っていますが、例年、多くの外国人騎手が来日する秋のGIシーズンはその活躍が目立っていました。残る7戦で5勝を挙げれば去年と同じ数字になるので、まずはそうなるかが注目です。

 それと、今週のマイルチャンピオンシップも外国人騎手が優勝すれば、史上初のGI5連勝(これもJBCを除外しています)。また、これまでにワンツーフィニッシュは9回、先週のような1、3着は6回ありましたが、まだ1〜3着を独占したことはありません。でもそれは、いつ起きてもおかしくない状況。ひょっとしたら、今週、そうなるかもしれませんよ。

 馬券を買う立場からすれば、まずは外国人騎手の馬を中心にして、それに2〜3人の日本人騎手を絡めればいいので、当てやすくなっていることは確か。日本の競馬は、馬の世界進出は進んでいますが、騎手に関しては、はたしてどうなんでしょうか・・・?

 さてさて、今週はじめ、当サイトに地方競馬全国協会・川崎泰彦理事のロングインタビュー記事がアップされました。なかなかおもしろい内容になっていると思います。ただし、私がお話を伺ったのは9月中旬。門別競馬や岩手競馬で残念な事態が発生する前のことでした。そのへんをご承知いただいた上でお読みいただければ幸いです。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング