対決の構図をしっかりと見極めたい
ミッキーロケット、マカヒキが回避したJC。頭数が減った分、少し寂しさも感じますが、2頭はどちらも有馬記念に向けて調整を行っています。ビッグレースが続くこの時期ですから、頭数が少なくなるのは仕方ないところかも知れません。
ちなみにミッキーロケットは先週水曜日の追い切り後に筋肉痛が判明。その後は運動をしながら様子を見ていましたが「有馬記念を使うための英断」と音無秀孝調教師。「使えなくはないけど、ここで無理をすることもないので。今週いっぱいは運動とプールというメニューで調整して、週末あたりからは坂路に入れていきます」ということでした。
先週水曜日の追い切り後に筋肉痛が判明したミッキーロケット(11月20日撮影)
アーモンドアイが中心になるJCですが、これに対して古馬牡馬がどんな競馬をしてくれるか。その構図をしっかり見極めることができれば、馬券はそんなに難しくないはずですが、今秋のG1で結果を出していない男がそんな発言をできる立場にないですよね(笑)
【JC/スワーヴリチャード】
前走はスタートがすべて。基本的にはそれでよいと思いますが、調教内容から「あえて」敗因を探すなら、強め、速めの追い切りが仇になったと考えることもできます。思えば、今年の初戦、金鯱賞ではかなり遅い時計での追い切りでしたが、それで結果を出し、大阪杯でも同じ内容で初G1を制覇しました。
しかし安田記念でかなり速い時計の追い切りを行い、その流れが続いた前走。それを思えば、今回はかなり時計をセーブした追い切り。2週続けてCWでの追い切りでしたが、先行したダイシンカローリの後ろでじっと我慢させる内容。先週よりも今週の方が脚がたまっていましたし、ゴール50m手前での反応の良さが素晴らしかったと思います。我慢して弾ける、これが嵌るかどうかではないでしょうか。
「我慢して弾ける」これが嵌るかどうかのスワーヴリチャード(写真奥)
【JC/サトノダイヤモンド】
先週はJ.モレイラ騎手が跨っての1週前追い切り。動き自体は宝塚記念以来だった前走よりも今回の方が断然上だと思いますが、反応なんかは前走の方が上だったというのが個人的な印象。それだけに、最終追い切りでもジョッキーが跨って、どんな反応を見せてくれるか見たかったところですが。
最終追い切りは朝一番にCWで4F追い切り。ちなみに4F追いは2017年阪神大賞典以来ですから、調子が上向いていることは間違いないと思います。反応も良くて、時計も4F53.5〜3F37.6〜1F11.8秒とそれなりの数字が出ましたから、特にケチをつけるところはありません。
文句ない走りをみせたサトノダイヤモンド(11月20日撮影)
【JC/シュヴァルグラン】
昨年の覇者ですが、その鞍上にいたH.ボウマン騎手が騎乗停止ということで、今回はC.デムーロ騎手に乗り替わり。1週前追い切りに騎乗して、CWでの併せ馬では、ランブリングアレーに遅れる内容。動き自体としては、少し素軽さがない印象も受けますが、その分、馬体が充実しているとみることもできます。
最終追い切りにもC.デムーロ騎手が跨りました。坂路でアドマイヤコーストを追いかけましたが、正直な感想は手応えの割に反応が今ひとつだったこと。時計は昨年の方が遅くなりましたが、その時の方がゴール前での手応えは良かったというのが今回との違いです。前走は58キロでしたし、悲観する内容ではないかも知れませんが、そこからの流れにおいても、昨年以上とはいかないような気がします。
馬体が充実しているシュヴァルグラン(写真奥・11月15日撮影)
【JC/キセキ】
毎日王冠で復活気配を感じて、天皇賞・秋はそこからやや上向きかなというのが個人的な印象。しかし、今回は前走から急カーブを描いて上昇しているような気がしますが、それは落ち着きの中にある闘争心が出てきたからだと思っています。
それを確信できた最終追い切り。1回目のハローが終了したCWへ入場しましたが、他厩舎の馬も多く、本来は単走のところが3コーナーではレースのように馬群が密集しました。それでも折り合いを欠くようなところはありませんでしたが、4コーナー手前でハミを噛んだのか、手前が逆に。でも、そのあとは冷静さを取り戻し、ゴール前ではきっちりと伸びています。
あの4コーナーは日経賞の悪夢を思い出させるものでしたが、そこから落ち着けるのが今のキセキ。だからといって大人しいわけではなく、鞍上がしっかりとコントロールできる気性状態というのがよいのでしょう。最終追いで得た感触をどんな印で表現するか、今から悩んでいます。
気性が安定しているキセキ
【京阪杯/ダノンスマッシュ】
netkeiba.comの京阪杯のレースタイトルに「過去10年で1番人気は1勝」となっているように難解重賞。現時点で予想オッズが1番人気ですから、データ的には推せないはずですが、主観的には先週の段階で「京阪杯はこの馬」と決めていました。
キーンランドC以来になりますが、トラック馬場での追い切りは先週が初めて。CWでの併せ馬でしたが、相手はジューヌエコールという走る馬でした。にもかかわらず、これを追走して、さらに外を回して、楽々と先着。もともと追い切りでは動く馬でしたが、3歳秋を過ぎて、パワーアップしてきた印象。折り合いを気にする必要がないスプリント戦なら、思う存分スピード能力を発揮することができそうです。
思う存分スピード能力を発揮したいダノンスマッシュ(写真手前・11月15日撮影)
◆次走要注意
・11/17 2歳未勝利【レッドルゼル】(1人1着)
危なげないというか、完勝のレースぶり。前半から速いラップを刻んだことが、ゴール前での大差勝ちになったように思いますが、テンからスピードに乗っていけるのが最大の強み。もちろん次も簡単には止まらないでしょう。
[メモ登録用コメント] [マイル以下]最終追い切りでラスト1F最速ラップなら勝ち負け
◆今週の追い切り特報
・白菊賞【エイシンゾーン】
先週に引き続き、CWでの併せ馬でしたが、今朝は3頭併せの真ん中で最後は内にいた馬に一瞬で並びかけて、追い比べを制するという内容。闘争心抜群の動きでしたから、番手からのレースなら後ろに抜かれることはなさそうです。
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