来期の牡馬クラシックを展望する重要なレース/京都2歳S
トップクラスの能力基準の1頭になって不思議ない馬
2歳馬の重賞体系がかなり変化している。秋後半の「東京スポーツ杯2歳S1800m→京都2歳2歳S2000m→ホープフルS2000m」とつづく中距離重賞が、来期の牡馬クラシックを展望する男馬にとっては重要なレース。
京都2歳Sは重賞に昇格して今回がまだ5年目だが、第一回の3着馬にシュヴァルグラン(日曜のジャパンC出走)がいた。重賞になる前には、12年エピファネイア、09年ヴィクトワールピサ、08年アンライバルドなどが快走したレースであり、2歳馬の始動が早まっている現在、11月末に京都2000mで行われるこの重賞はさらに重要度を増すことになる。
今年、11月17日の東京スポーツ杯2歳Sは、8番人気のニシノデイジー(父ハービンジャー)、7番人気アガラス(父ブラックタイド)、4番人気ヴァンドギャルド(父ディープインパクト)…の決着で、人気上位勢はそろって4着以下だった。
そこで、あのレースはまだ勢力図のベースにはならないだろうとされているが、ここにはニシノデイジーの勝った札幌2歳S1800mを、0秒1差の3着だった当時1番人気のクラージュゲリエ(父キングカメハメハ)が出走する。また、6月の新馬でブレイキングドーン(父ヴィクトワールピサ)に完敗したアドマイヤジャスタは、京都2000mの紫菊賞を勝って目下【2-1-0-0】。ブレイキングドーンが除外になった京都1800mの萩ステークスを楽勝したサートゥルナーリアは【2-0-0-0】なので、クラージュゲリエ、ブレイキングドーンのレース内容によっては、2歳牡馬世代の最初の勢力図のベースが浮かび上がってくる可能性もある。
再びモレイラが騎乗するクラージュゲリエに注目したい。新馬は中団でもまれて一旦下がり、最後の直線は一番外へ。最後11秒3−11秒3の高速上がりを楽に差し切って上がり最速の34秒0。前回の札幌2歳Sも決してすんなり好位追走ではなく、気を抜いたりしながら、エンジンがかかってから最後の直線は一番外へ…。負けはしたが上がり36秒8は最速だった。
半兄のプロフェット(父ハービンジャー)はちょっと脚の使いどころが難しく伸び悩んでいるが、弟の方が切れるタイプだろう。この頭数のわりに注目馬が4頭も5頭もそろったが、トップクラスの能力基準の1頭になって不思議ない馬としてクラージュゲリエのレース内容に注目したい。