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【チャンピオンズC】三強激突!「王者ゴールドドリーム、新星ルヴァンスレーヴ、進化したケイティブレイブ」陣営直撃

  • 2018年11月25日(日) 18時01分

※ゴールドドリームは右前脚歩様の違和感のため、28日に回避を発表しました。

『王者ゴールドドリーム オール連対の今年はさらなる充実期』

CWコースでの2週前追い切りタイムを見た平田修調教師は「馬なりやったけど、だいぶ動いてるな」と笑顔を見せた。今年は4戦してオール連対。これまで勝てずにいた地方競馬場や2000mでも勝利を挙げ、さらなる充実期を迎えている。昨年の王者としてチャンピオンズCに挑むが、強さを増した鍵はその1走前・南部杯にあった。ゲートで大きく立ち遅れ、後方から懸命に追い上げるも5着が精いっぱい。この敗戦がのちに事態を好転させた。(取材・文=大恵陽子)

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▲昨年の覇者ゴールドドリームを管理する平田修調教師 (撮影:大恵陽子)


昨年の秋から陣営が実施した数々の試み


 昨年10月、盛岡競馬場での南部杯で大きく出遅れ敗戦を喫した直後、陣営が課したのは厳しいゲート練習だった。

「正直、GIゼッケンを着けた馬にはあまりしたくなかったけど、せざるを得ない状況で、3日ほど“縛り”をしました。初日はかなり力んでいましたが、2日目からは中で駐立ができるようになりました」

 併せて、狭い所への慣れを見込んで通ったプール調教では「全身運動なので、肩の出が柔らかくなった」という副産物もあった。

 そうして「この馬にしては出た」というスタートを決めて昨年のチャンピオンズCを勝利。

「怪我の功名と言ってもいいかもしれないね。ちょっと出遅れるくらいならあそこまでゲート練習をしなかったけど、去年の南部杯では暴れたりしたからね。あのタイミングでやらざるを得なかったです。あれ以降、ゲートで大きく出遅れたことはないね」

 平田師はそう振り返った。

 今年は初戦・フェブラリーSで2着を挟み、5月のかしわ記念を優勝。それまで地方コースは4戦未勝利だったのを見事クリアした。

「跳びが大きな馬やから、回りにくいんやろうなって見ていました。でも、元々走らへんのが不思議やったもんね。かしわ記念は完勝やったねぇ。ゲートが良くなったことがあるのかな。あの馬にしては出るようになったから、ある程度の位置を取れるようになって、押し上げていかなあかんってことがなくなったから、地方でも走るようになったのかもしれんね」

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▲今年のかしわ記念優勝時のゴールドドリーム (撮影:高橋正和)


 続く6月の帝王賞では初めて2000mでの勝利。それまで囁かれていた距離の壁を超えた。

「推測の域やけど、肩が柔らかくなったって事実があるから、関節の可動域が広がって1歩1歩が大きくなっていることがひょっとしたら関係しているかもしれへんね。1完歩が何cmか延びれば2000mも走るとだいぶ変わってくることもあるのかなぁって思うんやけど」

 この春のJpnI2勝はともにゲート練習とプール調教による効果だったと言えるのではないだろうか。

師がライバルと目するケイティブレイブ


 秋は南部杯でルヴァンスレーヴを捕らえることができず2着だったが、「ゲートがかえって出過ぎて、相手を意識しすぎたかな」と振り返る。

 ふたたび迎えたチャンピオンズC。前走で敗れた3歳馬・ルヴァンスレーヴのほかにもう1頭、平田師がライバルと目する馬がいる。それはケイティブレイブ。

「3歳の時に兵庫チャンピオンシップで7馬身ぶっちぎられたのがショックでね。これからどれだけ強くなるんやろってとこでやられたから、強さが衝撃的でした。同期のライバルで3歳の頃から一線でずっと一緒に戦っているのはケイティくらいじゃないかな? ケイティブレイブはJBCクラシックも楽勝やったし、侮れんね」

 幾度となく戦ってきた同期との再戦ともなるが、連覇に向けてゴールドドリームも態勢は整った。

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▲昨年のチャンピオンズC優勝時、万全の状態で連覇に挑む (C)netkeiba.com


「状態はいいと思うよ。2週前追い切りは2歳新馬との併せ馬。1800mで距離もあるし、体の感じからも長めにやりました。乗っていたクリストフ(ルメール騎手)からもなんか楽しそうな雰囲気が伝わってきたね」

 調教スタンドの最前列で指揮官はそう語ると、再び双眼鏡を片手にゴールドドリームを見つめた。



『新星ルヴァンスレーヴ 将来のためにも1戦1戦しっかりと』

3歳の新星がいよいよ、JRAの舞台で強豪古馬と対決する。デビュー以来7戦6勝2着1回というパーフェクトな成績。全日本2歳優駿、ジャパンダートダービー、南部杯と、交流GI3勝を誇る。しかも、南部杯で破った相手はダート王者ゴールドドリームだ。チャンピオンズCはもちろん、この先の将来にも期待のかかる若馬。陣営はどんな仕上げ挑んでくるのか。(取材・文=佐々木祥恵)

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▲3歳の新星ルヴァンスレーヴを管理する萩原清調教師 (撮影:高橋正和)


距離不安なし、長距離輸送も経験済み


 初めての古馬との対決も何のその。前走の南部杯、昨年のこのレースの覇者ゴールドドリームをおさえて優勝したのが、3歳馬のルヴァンスレーヴだ。正にダート界に新星現るという言葉がピッタリの堂々たるレース振りだった。ただそれまでのレース振りからも、古馬を脅かす存在になるであろうことは容易に想像できた。

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