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意外に狙える、前走惜敗馬の1着/チャンピオンズC

  • 2018年11月27日(火) 12時00分

前走2,3着馬の1着付けに妙味


 ダートの中距離界は少数の実力馬の間でタイトルが回っていくことが多く、よほどトリッキーな展開にでもならない限り、GI・JpnIの優勝馬は常識的な範囲から出ることがほとんどだ。前走大敗馬や過去に何度もGI・JpnIに挑戦して失敗してきた馬がいきなり激走して勝つということはまずない。

 フェブラリーSはコパノリッキーやゴールドドリームなどが「前走大敗からの初タイトル」を成し遂げているが、JCダート〜チャンピオンズカップはまず、前走2ケタ着順からの優勝はなし。前走4〜9着から勝ったのはゴールドドリーム、ホッコータルマエ、カネヒキリで、いずれもそれ以前にダートGI・JpnI勝ちがあった。

 このように「前走着順重視、格重視」が好結果につながりやすいチャンピオンズカップの予想だが、強い馬どうしのアトサキでは、馬券上の工夫をする余地がある。

 JCダート以来18回のJRA所属馬について前走着順別成績を見ると、前走1着馬より前走2,3着馬のほうが勝率が高い(それぞれ9.2%、13.5%、9.4%)。単回収率も52%、260%、152%で惜敗組のほうが高く、複回収率も76%、128%、165%で同様になっている。

 回収率については2015年のサンビスタ(前走2着から12番人気1着)が効きすぎてはいるのだが、勝率についてはこれを前走GI・JpnI出走馬に限定しても同様の結論になる。ちなみに4.5%、11.1%、15.4%だ。

 そう考えると、実力馬どうしのアトサキはイメージ以上に入れ替わりやすいし、前走を勝ってきた馬の連勝は意外に容易ではないということになる。今回はルヴァンスレーヴやケイティブレイブが前走1着、ゴールドドリーム・オメガパフューム、サンライズソアが前走2,3着の立場から出走することになるが、後者の1着付けに妙味があるのかもしれないし、少なくとも前者のアタマで決め付けず、1,2着を折り返すような買い方を検討する必要があるのではと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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