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ファンタジーS組の取り扱い/阪神JF

  • 2018年12月04日(火) 12時00分

単15%・複35%という恐ろしい回収率でも狙える馬は…


 いまでこそアルテミスSなどができたが、阪神JFへ向かうメインルートは本来ファンタジーSのみであった。2歳戦においても牝馬路線を牡馬と区別するために、96年に創設されて今年で23回目となる。

 ただこのファンタジーS、あまり本番と結びついていない。阪神が旧コースだった96〜05年は[3-3-4-37]だったのだが、06年以降は[1-3-3-45]で、回収率も単15%・複35%という恐ろしいことになっている。

 ただ、2年に1回くらいは馬券に絡んでくるので、ファンタジーS組を全く買い目に入れないわけにもいかない。入れるとしたら、どのような馬を入れるべきだろうか。

 そもそも、ファンタジーS組の成績が率の面でも伸びないのは、該当出走馬が多すぎるせいでもある。また、ファンタジーSの時点で能力不足が明らかになっている馬がそれでも阪神JFに出てきてしまうため、グループの足を引っ張る。これはGIに対するメインのステップレースとなっている競走、特に世代限定戦でよくあることだ。

 06年以降の[1-3-3-45]のうち、ファンタジーSで4着以下だった馬は27頭いて1頭も馬券に絡んでいない。これを無視すれば[1-3-3-18]となる。また、06年以降の阪神JFで、ファンタジーS組が複数頭馬券に絡んだことはない。そう考えると、馬券上の扱いは自然と決まってくる。

 今年は3頭が登録しているが、ファンタジーS4着のラブミーファインは対象から外れ、残るのはダノンファンタジーかベルスールの2択。片方を軸にするならもう片方は無印決定。ヒモ同士の場合、例えば3連複フォーメーションの3列目に両方入れるのはありだが、両方が同時に買い目に入る形は避けなければならない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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