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受け継がれる名牝の血すじか、新たな名牝の誕生か

  • 2018年12月08日(土) 12時00分

血統に注目したい阪神ジュベナイルF


 大成するものは、幼いときから並み外れてすぐれていることを「栴檀(せんだん)は双葉(ふたば)より芳(かんば)し」と言っているが、阪神ジュベナイルFは、まさにそういう牝馬を見つけるレースだ。

 まだ、2戦か3戦、多くて4戦ぐらいしか走っていないから、その手立てを講じるには血統を見るのが一番だ。毎年そういう馬を捜しているのだが、その思い込みが強いもので、結果が出ているのに、いつまでもそれにとらわれていることが多い。名牝に巡り合いたいと、今年もチャレンジしてみたい。

 グレード制が導入されて以来、同じGI戦のきょうだい制覇は、まだ8例しかない。もっとありそうだが、これが現実。このうち、ドリームジャーニー、オルフェーヴル兄弟は、有馬記念が2度(オルフェーヴルの連覇)と宝塚記念が含まれるので、きょうだい別で言うと6例ということになる。

 この中に阪神ジュベナイルFも一例あり、ビワハイジを母に持つ、2008年のブエナビスタと2011年のジョワドヴィーヴルの姉妹がここを勝っている。特にジョワドヴィーヴルは、キャリアわずか一戦で、豪快に突き抜けて2戦目でGI勝利という史上初の快挙を達成していた。母ビワハイジ、姉ブエナビスタと阪神ジュベナイルF優勝の血すじは、幼いときから並み外れていたということだ。

 今年は、2016年の勝ち馬ソウルスターリングの妹シェーングランツが姉妹制覇を狙ってきた。アルテミスSの勝ちタイム、大外からの一気の追い込みというレース振りが目につき、姉妹だと気がついたのだが、姉はオークス馬であったのだから、妹シェーングランツの今後も気にしていきたい。

 因みに、この姉妹の母スタセリタは、仏オークス、ヴェルメイユ賞など仏GI3勝馬で、欧州芝牝馬チャンピオンになっていた。これも一本すじが通っている。だが、前走のアルテミスSはハイペースで先行馬がくずれるというこれまで例を見ない展開で、出遅れが味方したとも言えたが、キャリアを積んだ成果に期待したい。

 抽せんを突破したタニノミッションもウオッカ待望の産駒となる母仔制覇なるかの注目が集まる。

 名牝から名牝が生まれるか、或いは新たな名牝が誕生するか、今後につなげていきたい。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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