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フランケル+南アフリカ牝系のカタールパール

  • 2018年12月12日(水) 12時00分
●イヴニングブルーム(牝 栗東・木村哲也 父Admire Moon、母Rose Trail)

 母ローズトレイルは日本でアドマイヤムーンと種付けしたあと、イギリスへ送られて本馬を出産した。マル外扱いとなるため、父母の名前は英文表記となっている。3代母Bint MarscayはゴールデンスリッパーS(豪G1・芝1200m)などを制して豪2歳チャンピオンに選出された名牝。近親に多くの名馬が出ており活力がある。

 2代母Manningtonはブルーダイアモンドフィリーズプレリュード(豪G3・芝1100m)を勝ち、母Rose Trailの半兄にヴィクトリアダービー(豪G1・芝2500m)を勝ったBonicio、フィリーズクラシック(豪G2・芝1500m)を勝ったRomneyaがいる。母は「Kingmambo×デインヒル」という重厚な組み合わせで、かつオーストラリアのスピード牝系なので、本馬はスプリント路線で活躍しそうだ。

●カタールパール(牡 栗東・中内田充正 父Frankel、母Pearl of Africa)

 母Pearl of Africaは重賞勝ちこそないものの、ダンスデザインS(愛G3・芝9f)2着、ケープヴェルディS(首G2・芝8f)3着、バランシーンS(首G2・芝9f)3着などの成績がある。2代母Kournikovaはトリプリティアラ1600(南アG1・芝1600m)の勝ち馬。ポピュラーとはいえない南アフリカ由来の牝系ながら質は高い。

 母の父Jeremyはディープインパクトを経由しないヨーロッパ唯一のウインドインハーヘア牝系種牡馬。父Frankelは大種牡馬Galileoの最高傑作で、現役時代はイギリスのマイル路線を中心に走って14戦全勝(G1は10勝)の成績を残した。ヨーロッパではCracksman(17、18年英チャンピオンS-G1、18年コロネーションC-英G1、18年ガネー賞-仏G1)、Without Parole(18年セントジェームズパレスS-英G1)、Call the Wind(18年カドラン賞-仏G1)などを出し、日本でもソウルスターリング(17年オークス-GI、16年阪神ジュベナイルフィリーズ-GI)、モズアスコット(18年安田記念-GI)、ミスエルテ(16年ファンタジーS-GIII)が重賞を勝った。本馬は芝1600〜2000mあたりを得意とする芝馬で、ベストは洋芝。道悪も上手そうだ。

●ジャスパーケイ(牡 栗東・森秀行 父マンハッタンカフェ、母シェアエレガンス)

 全兄ヒルノダムールは天皇賞・春(GI)、大阪杯(GII)の勝ち馬。母方にBlushing Groomを持つマンハッタンカフェ産駒は成功しており、ヒルノダムールのほかにルージュバック(16年毎日王冠-GIIなど重賞4勝)、メイショウクオリア(08年京都新聞杯-GII)、ベストメンバー(09年京都新聞杯-GII)、サンディエゴシチー(09年札幌2歳S-GIII)、オリエンタルロック(07年札幌2歳S-GIII)など多数の活躍馬が出ている。

 同じマンハッタンカフェ産駒で重賞を4勝したガルボは、母にNijinsky≒Far North 3×3がある。本馬の母はNijinsky≒The Minstrel(Far Northの全弟)2×3なので、両者の血統構成はよく似ている。全兄ヒルノダムールは4歳時に本格化したが、3歳春時点でも皐月賞(GI)2着の成績がある。クラシック戦線でも期待が持てる馬だろう。

●スワンレーク(牝 栗東・鮫島一歩 父ロードカナロア、母グランパドドゥ)

 キーンランドC(GIII)をレコード勝ちするなど芝短距離で3つの重賞を制したパドトロワ(父スウェプトオーヴァーボード)の半弟。母グランパドドゥは現役時代に中日新聞杯(GIII)を逃げ切っている。

 決して短距離向きではなく、やや鋭さに欠ける中距離馬といったキャラクターだった。それだけにスピードを武器とするロードカナロアは配合相手として好ましい。母の代表産駒パドトロワも父がスピード型のスウェプトオーヴァーボードだった。母方にサンデーサイレンスとNureyevを併せ持つロードカナロア産駒は牝馬三冠とジャパンC(GI)を勝ったアーモンドアイと同じ。芝向きのマイラーだろう。

●ボッケリーニ(牡 栗東・池江泰寿 父キングカメハメハ、母ポップコーンジャズ)

 天皇賞・秋(GI)、宝塚記念(GI)など6つの重賞を制したラブリーデイ(父キングカメハメハ)の全弟。母ポップコーンジャズは現役時代、スイートピーS(OP)2着、オークス(G1)6着という成績を残した。

「キングカメハメハ×ダンスインザダーク」という組み合わせはショウリュウムーン(12年朝日チャレンジC-GIII、10年チューリップ賞-GIII、11年京都牝馬S-GIII)やユーキャンスマイル(18年菊花賞-GI・3着)と同じ。また、RobertoとNijinskyを併せ持つキングカメハメハ産駒は、本馬のほかにレッツゴードンキ、ケイアイエレガント、フィフスペトル、キョウワダッフィー、キングストリート、クラシカルノヴァなど多くの活躍馬が出ている成功パターン。兄同様の活躍を期待したい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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