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本命を決めるのも緊張気味!? 一年の締めくくり、有馬記念の追い切り情報

  • 2018年12月19日(水) 18時02分

1番人気は美浦所属馬でも注目したいのはやはり…


 いよいよ、今週は有馬記念。12月17日のスポーツ紙の一面には有馬記念がズラリ。しかもオジュウチョウサンを取り上げているあたりに、今年の独特な盛り上がりを感じるところです。今週も1番人気は美浦所属馬になりそうな予感ですが、栗東所属馬も魅力ある馬がたくさんいます。

 netkeiba.comの別ページにおいて、1週前追い切りの時点での評価を書かせていただきましたが、その2頭に対する評価は18日の栗東坂路での調整を見た時点でも変わっていません。この部分は19日の調教開始前に書いているので、最終的にどちらを本命にするのか、はたまた最終追い切りで違う馬が浮上してくるのか、ちょっと緊張気味です。

 12月28日にはホープフルSがあり、栗東からも有力馬が出走予定なので、そちらの予想コラムも重要ですが、やっぱり一年の締めくくりは有馬記念。皆様のお役に立てるよう、当欄、そして週末のウマい馬券でしっかりと予想していきたいと思います。

【有馬記念/キセキ】

 ジャパンCではパドックで素晴らしさしか感じることができませんでしたが、それを結果に表した2着だったと思います。この激戦の疲れが出たかも知れないと思えたのは、レース翌週だけで、それ以降は前走以上の状態と思うことしかありませんでした。理由は普段の仕草や追い切りでの動きです。

 最終追い切りも1週前追い切り同様、CWコースで馬が少なくなった時間帯に行っています。6F標識から5F標識の区間は20秒くらいのキャンター、そこから少し促されるとラップを速めていきます。弾むようなフットワークでピッチを上げていくと、最後まで加速するラップを踏んでいきます。

 時計は6F89.3〜5F69.1〜4F53.5〜3F39.1〜1F12.1秒。この数字が遅いことに反動アリと判断する方もいるかも知れません。それは人それぞれだと思いますが、少なくともこの馬をずっと見続けている自分にとっては、この内容が最適だと思います。追い切り後も煩くなるような仕草は見せていませんし、程よい負荷がかかった状態で大一番を迎えることができると思います。

キセキ

ジャパンC激走の反動も心配なさそうなキセキ


【有馬記念/シュヴァルグラン】

 京都大賞典、ジャパンCでは併せ馬の動きが今ひとつでした。ただ、馬体自体は今までで最も充実している印象を受けていただけに、馬体と気持ちの歯車が噛み合っていない状態なのかなと、いつも半信半疑で見守っていました。

 ジャパンCのパドックでもその姿はあまり良く見えません。しかし、レース翌週にその姿を見ると、パドックで見た時よりも良くなっていました。あんな時計で走って、反動が出ない。むしろ、あれがひとつのきっかけになったのかも知れません。

 それを確認した1週前追い切りの動き。そして最終追い切りもH.ボウマン騎手が騎乗し、併せたネプチュナイトに先着。相手が怯んでいる様子を見ると、こちらの迫力が凄まじいことが想像できます。時計は1F目と2F目がチグハグになりましたが、そこが前向きさの証拠。4F目12.5秒なら全く問題ありませんし、あとはどんな枠順からどんな立ち回りをするかだけでしょう。

シュヴァルグラン

前向きさが感じられるシュヴァルグラン、あとは枠順がどうなるか(12月18日撮影)


【有馬記念/モズカッチャン】

 札幌記念以来となったエリザベス女王杯は、調教内容は決して悪くなかったと思いますが、やはり久々の実戦という点で3着だったような気がします。そういった意味では前走後から今回の中間は順調そのもの。だからこそ、1週前追い切りでは坂路で2F24.6秒なんて速い時計が出たんだと思います。

 1週前にきっちり負荷をかけたので、最終追い切りは坂路4F54.8秒。そして4F目が最速になるラップを踏み、出走態勢は整いました。あとは牡馬との力差だけ。京都記念や札幌記念の結果をどう捉えるかによって、その評価が変わってくると思います。

モズカッチャン

出走態勢は万全のモズカッチャン、牡馬相手にどこまでやれるか(12月18日撮影)


【有馬記念/ミッキーロケット】

 天皇賞・秋の負け方は次走ジャパンCへ向けて、好内容だと思いましたが、結果的にJCは回避。筋肉痛から回復し、追い切りをこなしていますが、先週はインディチャンプとの併せ馬で完全に手応え見劣る動きでした。これをどう判断するかでしたが、もともと追い切りで遅れることは少なく、とにかく最終追い切りを見守りたいという状況でした。

 そこへ今回はO.マーフィー騎手に乗り替わり。非常に興味深いところでしたが、時計は坂路4F50.8秒。自己ベストと0.1秒差しかない、速い時計を出してきました。その自己ベストマークが宝塚記念の最終追い切りでしたから、この内容が悪いわけはありません。あとは前日輸送になる競馬で結果を出せるかどうか、そこは気になります。

ミッキーロケット

自己ベストに近いタイムを出してきたミッキーロケット(12月18日撮影)


【有馬記念/サトノダイヤモンド】

 前走ジャパンCのパドックでは素晴らしい状態に見えましたし、J.モレイラ騎手が騎乗してからの仕草を見ていると、今回がベストと思えました。6着という結果は決して、この馬の本来の力ではないと思うファンの気持ちはよく分かりますが、ただ、現状ではこれが精一杯、そんな気がします。

 そして今回が引退レース。調教内容としては、今までと変わったところはありません。いつも通り、CWを主体にした追い切りを行っていますが、1週前のCWでは併せ馬で手応え見劣るという地味な内容。この時点で前走から着順を上げてくるイメージは沸いてきませんし、最終追い切りの併せ馬でもそこまでの迫力を感じることができませんでした。

サトノダイヤモンド

引退レースのサトノダイヤモンド、デキ自体は平行線か…(12月18日撮影)


◆次走要注意

・12/16 2歳500万下【ロードリバーサル】(10人6着)

 なかなか強いメンバー構成で、未勝利勝ち直後の本馬にとっては厳しい戦いになることを予想。しかし、内で巧く立ち回り、直線の不利がなければ掲示板は確保できたと思えるレース内容でした。

 この後はひと息入れるかも知れませんが、戻ってくればクラス上位。ベストはCWで一杯に追う最終追い切りでしょう。

[メモ登録用コメント] [ダート1800m]最終追い切りCWで一杯追いなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・阪神カップ【ケイアイノーテック】

 過去の最終追い切りはすべて栗東坂路。それが今回は藤岡佑介騎手が跨って、CWでの併せ馬でした。コーナーでの加速力が重要になる阪神芝1400mにこの場所変更はプラス。しかもその動きが迫力満点ですから、この追い切りをきっかけに一変を期待したいところです。

ケイアイノーテック

阪神芝1400mの舞台も合いそうなケイアイノーテック(写真奥)


【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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