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有馬記念は400mで割れない距離&坂を3回登るレース

  • 2018年12月21日(金) 19時00分
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有馬記念で求められる適性は他のG1と少し違う


 JRAの芝種牡馬は「軽い馬場」「直線が長いコース」「400mの整数で割れる距離」の適性によって淘汰されている。と言っても過言ではありません。

 日本ダービー、天皇賞秋、ジャパンカップ、は東京競馬場の直線が長いコース。ほとんどの年が軽い馬場状態で行われます。そして400mを整数で割れる距離。ダービー、ジャパンカップ以外も、2歳G1、桜花賞、皐月賞、大阪杯は400mを整数で割れる距離。

 当然ながら、先に上げた3つの条件の適性が高い種牡馬がJRAの主流種牡馬になるわけです。

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 しかし、有馬記念は主流とややズレた適性が問われる条件。直線が短いコース。さらに400mの整数では「割れない」2500m。加えて、坂を3回登るコース。坂を登る能力はスピードとは相反する適性も問われます。

 実際、有馬記念は400mの整数で割れる重賞(1600、2000、2400)の未勝利馬。現役時代に400mの整数で割れるG1に未勝利だった種牡馬の産駒が走りやすいレース。

 たとえば、昨年の勝ち馬キタサンブラックの父ブラックタイドは唯一の芝重賞勝利が1800m。400mでは割れない距離。2着のクイーンズリングの父マンハッタンカフェは有馬記念勝ち馬。1600、2000、2400mの重賞勝利実績はなし。クイーンズリング自身も400mで割れる距離の重賞勝利実績はなし。15年の有馬記念を8人気で勝ったゴールドアクターも1600、2000、2400mの重賞勝利実績はなし。

 有馬記念同様の傾向を示すのが宝塚記念。今年の1-3着馬は、日本の象徴サンデーサイレンスを持たない馬。宝塚記念も400mを整数で割れない距離。直線が短いコース。タフな馬場でした。

 今年の有馬記念は、現役時代にJRAで走っていないイギリス産馬。ハービンジャー産駒に注目。

 ハービンジャーはJRAの主流で淘汰された種牡馬ではありません。だからこそ、有馬記念のように400mで割れない距離ではパフォーマンスを上げるケースは増えます。

 さらにハービンジャーが実績を残したイギリスは坂の上り下りへの耐性が日本より強く求められる環境。坂の上り下りの適性が強く要求される条件も歓迎。

 モズカッチャン、ブラストワンピースはハービンジャー産駒。どちらも母父もキングカメハメハ。

 キングマンボ系種牡馬は、サンデーサイレンス色が薄く欧州型ノーザンダンサー系が強調されると馬力と400mの整数で割れない距離への適性が上がりやすい傾向を示す。

 ハービンジャーで母父がキングマンボ系の配合は、必然的にサンデーの血が薄まります。よって、有馬記念のように非主流血統がパフォーマンスを上げやすい条件への適性が上がります。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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