スマートフォン版へ

年明け早々から好レースが目白押し!注目馬の追い切りをチェック!

  • 2019年01月03日(木) 18時00分

春の盾に向けた腕試し、万葉Sも見逃せない一戦


 皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。ホープフルSが終わって1週間後に東西金杯、ということで、基本的なサイクルはあまり変わっていません。ただ、その中に全休日が2回挟まれていて、ここをどう調整していくかがひとつのポイントになる時期でもあります。

 それにしても年明け早々から好レースが目白押し。金杯はもちろん、昨年はアーモンドアイが勝ったシンザン記念に、天皇賞・春に向けてまずは腕試しという3頭が揃った万葉S。2場開催の2日間ですが、2019年開幕週から見逃せないレースがたくさん、ということになりそうです。

【中山金杯/ステイフーリッシュ】

 前走チャレンジCは初めての古馬対戦でしたが、3着という結果。これで芝2000mは3戦して複勝率100%ですから、この条件は文句なしといったところでしょう。前走後は放牧へ出されており、12月19日に栗東へ帰厩。中4週で4本の坂路追い切りですから、本数としては適当です。

 1月2日の最終追い切りでしたが、坂路で4F54.4秒。この数字は遅いようにも思いますが、4F目最速ラップというのがポイント。4F54秒を超える全体時計で4F目最速は京都新聞杯1着時と同じ。無理に時計を出す必要がない状況というのが、この馬にとってはパフォーマンスを上昇させる要因になりそうです。

【京都金杯/カツジ】

 毎日王冠をひと叩きして、明らかに上昇気配だった前走。猛然と追い込むゴール前の脚は際立っていました。京都芝1600m外回りはデイリー杯2歳Sで2着していますが、この舞台はかなり合っていると思います。

 前走後は一旦放牧へ出されており、12月11日に栗東へ帰厩。そこからの調教量は決して多くありませんが、中6週には十分な6本。12月31日にCWで速い時計を出し、年明けの3日は単走で軽めに時計を出すという内容でした。6F90.8秒はかなり遅くなりましたが、終いは12.2秒でサッと伸ばしています。先週までに仕上げて、今週は整える程度でレースを迎える、そんなイメージでしょう。

カツジ

単走で軽めに時計を出し、今週は整える程度でレースを迎える予定のカツジ(12月25日撮影)


【京都金杯/グァンチャーレ】

 7歳という年齢から、あまり上積みがないように思われるかも知れません。ただ、北出成人調教師は常にこの舞台を意識して、ローテーションを組んでいました。それだけ「京都芝外回りが合う」と思っているようですし、実際、5戦4連対という京都芝1600mの成績です。

 1週前追い切りが坂路で2F23.6秒という素晴らしく速い時計を出し、最終追い切りは1月2日。ここも全休明けでしたが、きっちりと時計を出して、坂路4F52.7秒。1F12.3秒と終いもしっかり伸ばしており、ここはかなり期待できる一戦となりそうです。

グァンチャーレ

最終追い切りではきっちりと時計を出し、期待できる一戦となるグァンチャーレ(12月25日撮影)


【シンザン記念/ニホンピロヘンソン】

 折り合いを欠いたこともあり、何もできないままに惨敗を喫した前走。その反省を踏まえて、今回はパシュファイヤーを着用し、CWコースで調整しています。最終追い切りに関して、その馬具の効果を確認すべく、浜中俊騎手が跨って単走でCWという内容になりました。

 着用を始めた頃に比べると、かなり落ち着いた様子でキャンターをしており、ラップが速くなっても引っかかるようなところはありません。むしろ同じスピードを持続するという意味では効果を感じます。時計は6F84.7〜5F69.3〜4F54.5〜3F41.1〜1F13.5秒と終いが遅くなりましたが、これは流してのもの。むしろ抑えることができた点に意味があると思いますし、これをゲート裏まで着用して、レースでは外してスピード全開。そんな走りに期待します。

ニホンピロヘンソン

スピード全開な走りに期待されるニホンピロヘンソン


【万葉S/アドマイヤエイカン】

 前走はアルバートの除外もあって2番人気の支持。それに応えるべく、早目の競馬になりましたが、これが勝ち馬にとっては絶好の目標になりました。それでいて2着は確保しましたし、やはり長い距離でのロングスパートはこの馬の最大の武器だと思います。ちなみに冒頭で「腕試し」と表現した3頭のうちの1頭で他はグローブシアターとユーキャンスマイルです。

 最終追い切りは1月2日にCW。3頭併せの最内でしたが、道中から速めのラップも全く問題なし。相手2頭がゴール前で脚色が一杯になるところを楽々と前へ出ようとする動きでした。6F81.8秒はもちろん評価できる数字ですが、4F50.8秒がそれ以上に素晴らしい数字。コーナーでの加速力を示す4F時計だと思いますし、あとは直線が長くなる外回りでどんな競馬をするかだけでしょう。

アドマイヤエイカン

相手がゴール前で脚色が一杯になるところを楽々と前へ出ようとするアドマイヤエイカン(写真内・1月2日撮影)


◆次走要注意

・12/28 2歳500万下【カントル】(3人3着)

 勝ったサトノルークスとの着差は1/2馬身+クビ。この差をどう捉えるかによって、この馬の今後の評価が違ってくると思いますが、道中波のある流れでラップが変則的だったことを考えると、よく差してきたといった印象。

 今回は変則開催もあり、やや調整が難しいところもあったはずなので、あらためてもう一度狙ってみたいと思います。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・京都金杯【ヒーズインラブ】

 前走後は短期放牧へ出されて、12月13日に栗東へ帰厩。これまでの休み明けは体を持て余していたり、動きが緩慢だったりしましたが、今回はそんなところが一切ありません。だからこそ早い段階で鋭く動けていましたし、最終追い切りもひと叩きされているかのような伸び。これなら前走と同じパフォーマンスを出せる状態にあると思います。

ヒーズインラブ

今回は鋭い動きと伸びをみせたヒーズインラブ(1月2日撮影)


【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング