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秋華賞馬ブラックエンブレムの甥ノーブルエンブレム

  • 2019年01月23日(水) 12時00分
●ショウナンバビアナ(牝 美浦・上原博之 父ディープインパクト、母シェイクズセレナーデ)

 2代母Desert StormerはブリーダーズCスプリント(米G1)など3つの重賞を制したスプリンター。母シェイクズセレナーデは米7戦3勝で、その半姉にボーモントS(米G2)を勝ったSahara Goldがいる。

「ディープインパクト×Unbridled's Song」はダノンプラチナ(14年朝日杯フューチュリティS-GI、15年富士S-GIII)、レッドベルローズ(18年フェアリーS-GIII・3着)などが出ておりコンスタントに走っている。2代母の父Storm Catは父ディープインパクトとニックスの関係にある。3/4姉クールアイランド(父ハットトリック)は2戦して15、15着という成績で引退したが、本馬は期待できそう。芝向きのマイラー。

●スワーヴカール(牡 美浦・藤沢和雄 父マンハッタンカフェ、母リオニアンレディー)

 ダート短距離で準OPまで出世したサンライズネオ(父ネオユニヴァース)の半弟。母リオニアンレディーは2戦0勝ながらオーストラリアでクイーンエリザベスS(G2・芝12.5f)を勝ったFantastic Loveの半妹にあたり、「Kingmambo×Sadler's Wells」はエルコンドルパサー(98年ジャパンC-GI、98年NHKマイルC-GI、99年サンクルー大賞-仏G1)、Henrythenavigator(08年英2000ギニー-G1、08年愛2000ギニー-G1などG1を4勝)、Divine Proportions(05年仏1000ギニー-G1、05年仏オークス-G1などG1を5勝)、Virginia Waters(05年英1000ギニー)など多くの名馬が誕生しているニックス。

 本馬の「マンハッタンカフェ×Kingmambo」はアントニオバローズ(09年シンザン記念-GIII)、ダイワバーバリアン(10年NHKマイルC-GI・2着)などコンスタントに走っている組み合わせ。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●ノーブルエンブレム(牡 美浦・手塚貴久 父ディープブリランテ、母ピースエンブレム)

 母ピースエンブレムは秋華賞馬ブラックエンブレムの全妹で、現役時代はダートばかり4勝を挙げ、準OPまで出世した。ブラックエンブレムはブライトエンブレム(14年札幌2歳S-GIII)、アストラエンブレム(17年エプソムC-GIII・2着、17年新潟記念-GIII・2着)などを出し、繁殖牝馬として成功している。この姉妹はOur Emblem≒ヘクタープロテクター2×2が配合上のキーポイントとなっており、母ピースエンブレムは姉同様、繁殖牝馬として成功する可能性は高いのではないかと思われる。

 Riverman 4×5、Miswaki≒Woodman 5×4は、母ピースエンブレムが持つOur Emblem≒ヘクタープロテクター2×2と結びつくものなので好ましい。かなりの大型馬なのでまだ少々時間はかかるかもしれないが、将来的には楽しみな存在。芝向きの中距離タイプ。

●ヘルムヴィーゲ(牝 栗東・高橋義忠 父ジャスタウェイ、母ナナヨーティアラ)

 2代母ナナヨーストームは4歳牝馬特別(GII/現在のフローラS)2着馬で、母ナナヨーティアラは準OP馬。繁殖牝馬としても力のあるところを見せており、現時点でデビューした6頭中5頭の産駒が勝ち上がり、メイショウライナー(父キングヘイロー)が芝短距離でオープンクラスまで出世したほか、プラチナティアラ(父プリサイスエンド)は函館2歳S(GIII)2着、ポムフィリア(父フォーティナイナーズサン)は関東オークス(Jpn2)2着などの成績を残している。

 初期の産駒に比べると交配種牡馬の質は上がっており、本馬の父は期待の若手種牡馬ジャスタウェイ。芝向きの中距離タイプだろう。

●ルフランエトワール(牝 栗東・今野貞一 父オルフェーヴル、母スターズインハーアイズ)

 母スターズインハーアイズはディープインパクトの半姉で、名繁殖牝馬レディブロンド(ゴルトブリッツの母、レイデオロの2代母)の7/8妹にあたる。良血だけあって繁殖成績は上々で、ダノンパッション(父アグネスタキオン/09年デイリー杯2歳S-GII・3着)、アインラクス(父ダンスインザダーク/08年若駒S-OP)をはじめデビューした7頭中6頭が勝ち上がっている。
 
 本馬の父オルフェーヴルは、初年度産駒からエポカドーロ(18年皐月賞-GI)、ラッキーライラック(17年阪神JF-GIなど重賞3勝)、ロックディスタウン(17年札幌2歳S-GIII)を出しているが、これら3頭はいずれも母方にMr.Prospectorを持っている。本馬の母の父WoodmanはMr.Prospector系なので見どころがある。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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