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波乱傾向が強く面白い一戦に!/東京新聞杯

  • 2019年01月28日(月) 18時00分

■東京新聞杯(G3・東京芝1600m)


【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口



 東京新聞杯を予想するにあたって、必ずチェックしておきたいのが、前走での人気と着順である。中穴人気の激走率が猛烈に高いレースだったりするのだが、好走馬に共通するのが、前走がひとケタ人気かつひとケタ着順であること。これは、東京新聞杯で勝ち負けする上での必要条件といえる。

 かなり低いハードルに感じるだろうが、意外に引っかかるのがこの条件。実際に今年の出走予定馬も、半数近くがこの条件をクリアできていない。前走が超人気薄だったり、前走で大敗している馬の巻き返しがきかないのは、掲載しているデータをご覧の通り。前走マイルCSで14着に大敗しているロジクライあたりは、かなり買いづらいのである。

 あとは、レースデータが完全に「内枠有利」であるのも注目すべきポイント。真ん中よりも内か外かで、評価を大きく変える必要がある。残念ながら現時点では評価に組み込めないが、多くの項目でプラス評価を獲得しているデータ特注馬としてタワーオブロンドン、インディチャンプ、レッドオルガの3頭をあげておこう。

【コース総論】東京芝1600m Dコース使用

・コースの要所!

★基本的に人気サイドが強いコース。1着馬の73.5%を3番人気以内馬が占める。
★枠番の内外による影響が非常に小さいコース。外枠でもまったく問題なし。
★直線の長い東京コースながら先行勢の強さが目立つ。差し馬の過信は禁物。





 安田記念など数々のG1が開催される東京芝1600m。バックストレッチをフルに使うコース形態で、最初のコーナー進入まで500m以上もの距離がある。マイル戦でも序盤のポジション争いが激化するケースは少なく、下級条件では中盤までゆったりした流れになることが多い。こうなると、直線の長い東京コースでも自然と前が残りやすくなる。

 まずは人気別だが、目立っているのが人気サイドの強さだ。16頭以上の多頭数に限ったデータにおいても人気馬が強く、1番人気は勝率38.2%、単勝適正回収値90.5という優秀な結果を残している。同様に2〜3番人気も好内容で、なんと1着馬の73.5%までを3番人気以内馬が占める結果となった。極端な人気薄を1着で狙うような馬券は、正直なところオススメしかねる。

 この人気馬の強さを支えているのが、枠番の内外による有利・不利の小ささである。内枠である馬番1〜4番の勝率や連対率がほんの少し高めだが、信頼度はほぼ横並びといっていいレベル。馬番17〜18番に入った馬でも信頼度は低下しておらず、多頭数の外枠でも評価を割り引く必要はない。G1の舞台となるにふさわしいコースである。

 脚質面はイメージよりも先行勢優勢。最速上がり馬よりも上がり2位馬のほうが勝率が高いという点も、決して差し優勢ではないというコースの特性を物語っている。ただし、クラスが上がれば上がるほど序盤〜中盤のラップが厳しくなり、差し優勢にシフトしてくる。このあたりは実際のところ、出走メンバーの組み合わせ次第だろう。

【レース総論】東京新聞杯(G3) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気は[0-1-2-7]と絶不調。4〜6人気や7〜9人気の好走率が非常に高い。
★コースデータとは異なり完全に内枠有利。真ん中よりも内の枠番が欲しい。
★脚質面はコースデータと同様に先行勢優勢。最速上がり馬の差し損ね多発。
★芝2200m以上からの距離短縮組、前走チョイ負け組、6歳以下馬が好成績。








 レースの平均配当は、単勝977円、馬連7724円、3連複2万8131円と高めの水準。それもそのはずで、1番人気が[0-1-2-7]とコケまくっているのだ。昨年はけっこう堅めに決着しているが、1番人気に推されたグレーターロンドンは9着に大敗。一昨年の1番人気馬エアスピネルも、10頭立ての少頭数だったにもかかわらず3着に終わっている。

 当然ながら波乱傾向は強めなのだが、ふたケタ人気の超人気薄はトータル[0-1-1-58]と、意外なほど上位に食い込めていない。つまり、このレースで強いのは4〜6番人気や7〜9番人気といった中穴なのだ。1番人気がアテにできなさそうな場合は、このあたりを手広く押さえるスタンスを推奨する。

 コースデータと大きく異なる結果が出ているのは、枠番データも同じだ。レースデータは完全に内枠有利で、馬番1〜8番の連対率が20.3%であるのに対して、馬番9〜16番は同5.6%と、なんと4倍近い大差が出ている。しかも、平均人気は後者のほうが上なのである。回収率ベースの数値も、前者が単勝適正回収値134.3に対して後者が16.9と、まさに雲泥の差。ここまで極端な差が出ている以上、フラットなイメージは捨てるべきだ。

 ただし、脚質に関してはコースデータと同じ方向性。重賞なので中団待機組の成績が良化してはいるが、最速上がり馬は[1-4-0-7]と取りこぼしまくっており、上がり2位〜3位の成績もイマイチ振るわない。コースデータよりはナンボか差せるが、それでも東京芝のイメージほどには差せていない──というのが素直な感想である。中団よりも前のポジションを取れる馬のほうが、ここは信頼できそうだ。

 年齢別でもっとも優秀なのは4歳馬で、そこから年齢が上がるたびに信頼度が低下する傾向が見受けられる。7歳以上馬になると、トータル[0-1-1-36]で複勝率5.3%と、きわめて低調な成績に。馬券の対象は、6歳以下馬に限ったほうがいいだろう。前走距離別データでは、芝2200m以上からの大幅な距離短縮となる組が好成績。もし該当馬が出走してくるならば、人気薄でも押さえておきたい。

 最後に、前走条件別でのデータを紹介しよう。前走1着馬は前走が2番人気以内か、それとも3番人気以下かで信頼度が大幅に変化。前者はトータル[3-2-1-8]で連対率35.7%、複勝率42.9%という高信頼度だ。また、前走が2着以下だった馬については、着差が「0秒5以内」であるかどうかをチェック。この条件をクリアしなければ、好走は期待できないといっても過言ではない。

【血統総論】


 コース適性の高さが目立つのは、ディープインパクト、ロードカナロア、クロフネの産駒。確実に出走してきそうなのはディープインパクト産駒だが、その複勝率はなんと41.0%という強烈なまでの高さだ。単勝適正回収値86.3、複勝回収値100と、過剰人気しやすいディープインパクト産駒にしては回収率ベースの数値も優秀。ここは、積極的に狙っていく価値がありそうである。

★東京新聞杯・総論×各論

 今年はいかにも東京新聞杯「らしい」メンバーとなりそうな雰囲気。登録頭数も多く、混戦模様の馬券的にも面白い一戦となりそうだ。レイデオロの全弟であるレイエンダ、準オープンを快勝してきた素質馬インディチャンプなど、先々が楽しみな馬も多い。

 現時点でのトップ評価は「出走できた場合の」レッドオルガ。収得賞金の低さで除外されてしまうケースもありそうだが、プロフィルから臨戦過程に至るまで、買い材料が非常に多い。重賞初挑戦となった前走のターコイズSは6着に終わったが、ここなら牡馬相手でも巻き返しが十分に期待できるはず。ぜひ、出走が叶って欲しいものだ。

 二番手評価にインディチャンプ。前走で準オープンを勝っての昇級戦となるが、もともとその素質を高く評価されていた馬で、ここに入っても能力的に遜色なし。毎日杯で3着、アーリントンCで4着と重賞での好走歴もある。強い4歳世代でもトップクラスの能力馬であり、ここもあっさり通過して次のステップに進む可能性が大。この相手関係でどんな走りを見せてくれるのか、楽しみな1頭である。

 三番手評価にタワーオブロンドン。現4歳世代の重賞勝ち馬で、久々かつ古馬との初対戦となった前走のキャピタルSでも僅差の2着に好走。NHKマイルCで1番人気に推された実力が伊達ではないことを改めて証明している。ここに3頭を送り込んできそうな藤沢和雄厩舎だが、もっとも期待できるのはレイエンダではなく、この馬だと見ている。

 以下はグァンチャーレ、テトラドラクマ、レイエンダ、ストーミーシー、リライアブルエースという評価の序列。ただし、枠番の影響が非常に大きなレースであるのは前述した通りで、「真ん中よりも内」の馬番を引けるかどうかで、評価はここから大きく入れ替わる。先行勢が少ない組み合わせになりそうなので、そのあたりにも注視しつつ最終的な取捨を行いたいところだ。


■総論×各論・先々週の馬券回顧




ここで来るのかよ(#^ω^)ビキビキ

というわけで、1円も買っていないシャケトラさんの強さをポカーンと見ていたワケですが、レース後に当コラムを読んだ知人から「シャケトラ、論旨にかなり沿ってたのになんで無印なんですか?」というツッコミが入るの巻(胃痛)。それはね……1年以上の休養明け初戦だったからだよ……なかなか推しづらいんだよ……。

※コース&血統データは2016年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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