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「特定のグループが強い」という傾向を見出しづらい東京新聞杯

  • 2019年02月01日(金) 18時00分

自分で競馬を作れる長所を生かして巻き返しを


 前走クラス別成績や年齢別成績など、特定のグループが強いという傾向を見出しづらいのが東京新聞杯。あまりこだわらずに、馬そのものの力量と特性を見るのがよいかもしれない。

 人気はタワーオブロンドンだろうか。NHKマイルC以外は安定した着順のこの馬。東京コースも悪くはない。斤量の絶対値(57キロ)に限界があるとも考えられず、やはりシルシの対象にはせざるをえない。ただ配当妙味は無いので、軸にするかどうかは個人の判断だ。

 インディチャンプは勢いが魅力。その勢いのままに重賞の壁を突破すると考えるか、それとも東上など未知数の部分に注目するか。これも人によって判断が分かれそうだ。

 レイエンダは血統が血統だけにどうしても期待と人気が先行してしまう。マイルに転じるというのは面白い試みだが、これまでと異なる序盤の流れに乗っていけるかどうか。そのリスク面も見ておきたい。

 ロジクライはマイルCSで14着と大きい着順になってしまったが、着差は0.6秒だからそこまで負けたわけでもない。このコースは2戦2勝と相性も良いし、自分で競馬を作れる長所を生かして巻き返しを果たしたい。

 サトノアレスは阪神カップの大敗をどうとらえるか。休み明けなどエクスキューズはあるが、それにしてもだいぶ負けてきた。過去の類似事例を見るとなかなか好走は難しいが、そこをGI馬の底力でなんとかできるか。

 レッドオルガは牡馬と重賞を走るのが初めてとなるが、相性の良い東京コースなら通用してもおかしくない。前走は追い込みきれなかったが、東京なら話は別。また、重賞をひどすぎない程度に負けてきた馬というのは、このレースの良いパターンでもある。

 ジャンダルムは3歳春までの良さがどこかへ行ってしまったような近走内容。どこかで復活してくる可能性はあると見るが、それが今回だと断定する根拠も見出しづらい。

 リライアブルエースやロードクエストも前走の着順が悪すぎるところが難。買うとしたら東京コースでの競馬がまずまずの内容となってきたリライアブルエースのほうか。この馬たちあたりが複穴になってきそうな気配は感じるが、はっきりした根拠を見出すまでは難しい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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