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今年も賑わいをみせた社台スタリオン種牡馬展示会

  • 2019年02月06日(水) 18時00分
生産地便り

社台スタリオンステーション種牡馬展示会全景


新種牡馬入りを果たしたサトノダイヤモンドら5頭も登場


 2月5日(火)、社台スタリオンステーションの種牡馬展示会が行われた。一年で最も寒さの厳しいこの時期は、天候悪化の不安が付いて回るが、幸いにもこの日はほぼ晴天、微風のコンディションに恵まれ、各地から多くの関係者が訪れ盛況であった。

 展示開始時刻は午前11時半。しかし、その30分前には取材陣や熱心なファンが、それぞれ見学や撮影のための場所を確保するべく、見学エリアの外縁に沿ってスペースを確保し、待機するほどここでは人々の動きが早い。

 今年の新種牡馬はサトノダイヤモンド、サトノクラウン、マインドユアビスケッツ、レッドファルクス、リアルスティールの5頭。開始時間前より、まずサトノダイヤモンドとクラウンが、展示スペースを同時に周回し始め、里見治オーナーや池江、堀両調教師を挟んで両馬とともに記念撮影の時間が設けられた。

 新種牡馬にはたっぷりと展示時間が確保されるのが通例で、ここで生産者は各種牡馬の歩様や馬体などをチェックしながら配合を検討する。サトノダイヤモンドが300万円、サトノクラウンが100万円、マインドユアビスケッツが200万円、レッドファルクスが80万円、リアルスティールが200万円(いずれも受胎確認後の支払い)と、今年の新種牡馬は割に種付け料が安めに設定されている。

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新種牡馬のサトノダイヤモンド、サトノクラウンとオーナーの里見治氏


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海外重賞で多くの功績を残した新種牡馬マインドユアビスケッツ


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主に短距離路線で活躍した新種牡馬レッドファルクス


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現役時はドバイターフで優勝、国内重賞でも好走したリアルスティール


 他の種馬場と異なり、社台スタリオンはここからが「本番」である。6番目に姿を現したのは今年初産駒が誕生のキタサンブラック。同じく初産駒誕生のサトノアラジン、ドレフォン、ロゴタイプ、イスラボニータ、計5頭が新種牡馬に続き展示され、11番、12番目には今年初産駒がいよいよデビュー予定のエピファネイアとキズナが登場した。

 ノヴェリスト、キンシャサノキセキ、リーチザクラウンと次々に展示が続く。16番目、17番目、18番目にはモーリス、ミッキーアイル、リアルインパクトのシャトルから帰国してきた3頭が登場した。モーリスとミッキーアイルは来年産駒がデビュー予定である。

 同じく来年いよいよ初産駒がデビューするドゥラメンテが19番目に紹介された。600万円ながらすでにこの時点で満口になっており、高い人気である。次に登場したジャスタウェイも同じくすでに満口(400万円)である。

 このあたりからはハイアベレージの社台スタリオン繋養種牡馬群の中でもよりランク上位の各馬が登場してくる。

 21番目オルフェーヴルは少し下がって400万円に設定されている。22番目は実績十分のダイワメジャー。そしてダイワメジャーと同じ今や数少なくなったサンデーサイレンス直仔のハーツクライ(800万円)。24番目が人気の高いルーラーシップ(400万円)ですでに満口となっている。

 ハービンジャー(600万円)も満口である。この時点で25頭が登場し、紹介されたことになる。

 26番目には、今年一気に1500万円まで種付け料の上がったロードカナロアが登場した。アーモンドアイを筆頭に産駒の競走成績が優秀なことが評価されこの価格になったが、この馬もすでに満口である。1500万円ともなると、中小牧場ではなかなか手の出せない高額種付け料だが、それでも満口になるあたりがいかにも社台スタリオンの底力であろう。

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昨年牝馬三冠を達成したアーモンドアイなど優秀な産駒を輩出するロードカナロア


 最後はもちろん大将格のディープインパクトがトリを務めた。悠然と姿を現したディープインパクトは人垣にも全く動じる気配を見せず、終始リラックスしたまま周回し、立ち姿を披露して厩舎に帰って行った。

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ディープインパクトは人垣にも動じず、終始リラックスした様子であった


 展示は全27頭で、キングカメハメハ、クロフネ、ドリームジャーニーは展示を省略された。

 最初の5頭こそ時間をかけての展示であったが、6番目以降はかなり進行を早めたにもかかわらず、最後のディープインパクトが出てきたのは午後1時近くのことであった。

 一通り全馬が紹介された後、新種牡馬5頭が、遅れて参加した人々のためにもう一度展示され、今年の種牡馬展示会が終了した。

 なお、毎年、社台スタリオンは参加者への手土産が凝っていることでも知られる。今年は新種牡馬マインドユアビスケッツに因んで?特製ビスケットと、オリジナルマグカップペアセットが配られた。

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参加者へ配布された特製ビスケットと、オリジナルマグカップペアセットのすてきな手土産


 さて、来週は日高に舞台を移し、13日静内地区より連日、各地で種牡馬展示会が予定されている。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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