さらなる距離延長に挑むコパノキッキング/フェブラリーS
藤田菜七子騎手に課せられるタスクは想像以上?
今週のフェブラリーS、話題性という点で注目なのはインティとコパノキッキングだろう。ともに勢いのある上がり馬。そして、東京ダート1600mにはじめて出走するという共通項もある。
インティは芝スタート+1ターンの競馬をこなせるかが課題になり、コパノキッキングは距離延長をこなせるかが課題になる。ここでは、後者にスポットを当ててみたい。1400m以下だけを走ってきた馬が、フェブラリーSでどの程度走ってきたか、というデータである。なお、調査の都合上、まずは地方と海外で走ったレースを無視して中央の出走履歴だけをたどり、残った馬について地方で1600m以上を走った経験があったかを観察する。また、芝ダートの別はなく掘り下げていく。
フェブラリーSがGIに昇格した1997年以降、フェブラリーSに出走した中央所属馬はのべ325頭。そのうち前走が1600m未満だった馬は[5-3-7-117]。根岸S組が該当するので、もちろん好走馬もいる。
2レース連続で1600m未満だった馬は55頭にまで減る。その馬たちのフェブラリーS成績は[2-2-1-52]。
3レース連続で1600m未満だった馬は33頭。その馬たちのフェブラリーS成績は[1-0-1-31]。
4レース連続で1600m未満だった馬は18頭。その馬たちのフェブラリーS成績は[0-0-1-17]。
4レース連続から馬券に絡んだ唯一の例は98年10番人気3着のシャドウクリーク。ただこの馬はそれ以前に東京ダート1600mの条件戦勝ちとオープン特別3着があった。
3レース連続から馬券に絡んだ馬は他に05年1番人気1着のメイショウボーラーがいる。ただメイショウボーラーはご存知の通り芝1600mで重賞勝ちがあり、皐月賞でも3着していた馬だ。
こうしてみるとコパノキッキングの藤田菜七子騎手に課せられているタスクは、イメージ以上に難しいものであると思える。
ちなみに、500万条件以上の中央ダート1000m戦に出走歴のある馬がフェブラリーSに出走したケース(1986年以降のレースを起点)は[0-0-2-11]で前出のシャドウクリークと97年2番人気3着バトルラインが馬券に絡んだのみ。中央GI全体は[2-1-6-133]で、勝ったのは高松宮記念ショウナンカンプと有馬記念ダイユウサク(ダート1000mは出走のみで勝ってはいない)のみ。コパノキッキングが今週勝つと、かなり珍しいケースとして歴史に残ることになる。