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今年最初のGIレースは混戦模様!? 有力馬の追い切りをチェック!!

  • 2019年02月13日(水) 18時00分

軸馬は実績馬かそれとも上がり馬か


 いよいよ今年最初のJRAでのGI競走。13日早朝時点でのnetkeiba.comの予想オッズを見ていると、それだけでワクワクするようなところがあります。昨年の覇者、ノンコノユメは20倍以上、根岸Sを勝ったコパノキッキングは9倍以上。単純に単勝を買って応援するという馬券でも面白いかも知れませんし、そんな分かりやすいレースは初心者の方には買いやすいかも知れません。

 ただ、上位3頭(インティ、ゴールドドリーム、オメガパフューム)は拮抗ムード。確かにこの3頭で決まりそうな気もしますし、枠順やレース展開などで波乱があっても不思議ありません。「最初が肝心」ですから、ここを的中させて、2019年のGIの波に乗っていきたいところですが、軸を決めるタイプの私にとってはその選択が本当に悩ましいところです。

【フェブラリーS/インティ】

 前走時の中間が栗東坂路での4F時計の自己ベストを2回更新。それから動きや体型も短い距離にシフトしているように見えましたが、先週の調教の様子を見ていても、より一層、それを感じさせる雰囲気。だからといって、気持ちが乗りすぎているとか、前向きさが出ているということではありません。あくまで走るフォームが短い距離に対応できる機敏なものになっているということです。

 それを実戦したような最終追い切り。2回目のハローが終了した坂路での単走でしたが、後ろからはクインズサターンが追いかけてくる展開。1秒以上の差はありましたが、プレッシャーは感じていたはず。それを寄せつけることなく、左にラチを置きながらの快走。レースでの逃げ切りをイメージさせる走りは「この馬を軸にしておけば」と思わせてくれるものでした。

インティ

逃げ切りをイメージさせる走りを見せたインティ(2月12日撮影)


【フェブラリーS/ゴールドドリーム】

 東京大賞典以来になりますが、C.ルメール騎手が跨った1週前追い切りが本当に素晴らしい動き。併せ馬でも相手が止まって見えるとはこのこと、そんなくらい動けていたCWだったと思います。

 そんな機敏さは最終追い切りでもしっかり。坂路4F52.1秒はもちろんのこと、上がりを12.0秒の持続でまとめて、2F24.0秒はこの馬にとっては楽々マークできる時計ではあります。ちなみに昨年の最終追いは4F49.8秒。それを思えば、1秒近く遅い時計ではありますが、昨年よりは1ヶ月レース間隔が短くなっていますし、調教内容から不安に考える点はないと思います。

ゴールドドリーム

調教から不安点は見つからないゴールドドリーム(2月12日撮影)


【フェブラリーS/オメガパフューム】

 この中間はさほど速い坂路での4F時計がありませんが、もともと速い時計はあまり出していない馬。むしろ気にしたいのはその走りっぷりですが、1週前追い切りを見ている段階では力強く動けていたので、この時計も4F54.5秒と遅くても気にすることはないかと思っていました。

 しかし、その翌々日。坂路で時計を出し、日曜日にも時計を出しました。これは好調だからなのか、それとも少し太目が残っているのか。気になるところでしたが、最終追い切りが4F52.4秒で、2F時計は自己ベストを更新する24.7秒なら体調面に不安を感じることはなさそう。あとは青竜S以来のマイル戦、これに対応できるかどうかでしょう。

オメガパフューム

中間で自己ベストを更新する動きを見せたオメガパフューム(2月12日撮影)


【フェブラリーS/コパノキッキング】

 前走根岸Sでもいろいろと不安視されていましたが、個人的には自信の本命を打てるくらい、馬が成長していることを感じていました。もちろん、それをうまく引き出してくれたO.マーフィー騎手の技量も重賞連勝をアシストしたと思います。

 今回はさらに1Fの距離延長。ですが、調教過程を見ているかぎり、それを不安に思うところは一切ありません。普段の調教では以前より格段に行きたがるところがなくなっていると思いますし、調教助手自身がしっかりとコントロールして動けているといった感じ。この走りならマイルは十分にこなせると思いますし、最終追い切りは本当に素晴らしい、段階的な加速力。時計も6F83.6〜5F66.4〜4F51.6〜3F38.0〜1F12.6秒なら申し分ありません。あとは藤田菜七子騎手とのコンビですが、これについては別コラムで解説していますので、ここでは調教内容から万全の状態でGIを迎えることができるということで締めておきます。

コパノキッキング

距離に対応できる追い切りを見せているコパノキッキング


【フェブラリーS/サンライズノヴァ】

 前走について、パサパサのダートが敗因だったというジョッキーコメントがありますが、音無秀孝調教師もその意見に同感だそうです。ただ、調教という観点からは「輸送したのに2キロ増えていた」馬体重もかなり気にしています。調教捜査官という立場からは、ここに敗因を求め、次にどうやったら巻き返してくるかを考えるべきだと思っています。

 それが今回の最終追い切り。テンから速いラップを踏んでいく方がよいという前走直後の判断から、今回の最終追いは坂路2F目が12.7秒。これは前走時の13.8秒より1秒以上速くなっています。その分、ラストは失速していますが、それでも12.6秒でまとめてきました。まだ太目が残るようなら、最終追いの2F目から飛ばしていく内容で、最後はバタッと止まると思いますが、そうならなかったということは、動ける態勢が整っているということでしょう。

サンライズノヴァ

巻き返す態勢は整っているサンライズノヴァ(2月12日撮影)


◆次走要注意

・2/9 洛陽S【カツジ】(2人3着)

 ウマい馬券の予想コラムにも記しましたが、今回勝てないようなら、冬場が今ひとつという馬なんでしょう。3着はあくまで馬券対象になったというだけ、あの展開なら勝たないといけないでしょうから、次狙う時は暖かくなった時です。

[メモ登録用コメント] [春夏秋]最終追い切りラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳新馬【シャドウアロング】

 先週のCWでの追い切りはエポカドーロに先着。その動きは素晴らしかったと思いますが、最終追い切りは他厩舎の馬を前に見るような形での実質単走。今週もCWでしたが、すでに走りに安定感が出ています。これなら初戦からきっちり力を出してくれるでしょう。

シャドウアロング

GI馬エポカドーロに先着する動きを見せたシャドウアロング


【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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