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新冠地区で種牡馬展示会

  • 2019年02月13日(水) 18時00分

ゴールドシップの初年度産駒などが公開調教


 日高では今週、種牡馬展示会が日替わりで開催される。12日・新冠町(ビッグレッドファーム、優駿スタリオン)、13日・日高町(ブリーダーズスタリオン)、14日・新ひだか町・静内、(JBBA静内種馬場、アロースタッド、レックススタッド)、15日・浦河町(イーストスタッド)という日程である。

 昨日12日は、午前9時半のビッグレッドファームから11時優駿スタリオンへのリレー開催であった。

 ビッグレッドファームは今年、ダノンバラードが新たに加わり、ジョーカプチーノ、アドマイヤマックス、グラスワンダー、アグネスデジタル、ロージズインメイ、ダノンシャンティ、ゴールドシップとともに8頭の陣容でシーズンに臨む。

生産地便り

新たに種牡馬入りしたダノンバラード


 ダノンバラードは2015年より旧・日高スタリオン(浦河町)にて種牡馬入りした後、同スタリオンの廃場によりレックススタッドに移動。その後、イタリアに輸出され、昨年はイギリスにて種牡馬生活を送っていたが、ウィンターフェル、ナイママなどの初年度産駒が活躍したことから、逆輸入され今シーズンよりここで種牡馬として繋養されることになったディープインパクト直仔である。

 また今年ビッグレッドファームでは、ゴールドシップの初年度産駒が2歳を迎え、展示会終了後に、恒例の「公開調教」が行なわれた。

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ゴールドシップの初年度産駒が2歳を迎える


 古馬との2頭併せで、1組目はマイネルコロンブス(牡、母トウホクビジン)がマイネルミラノ(函館記念優勝馬9歳)と、2組目はコスモジェミラ(牝、母シーギリヤガール、宮崎北斗騎手)がタイドオーバー(1勝馬4歳)、3組目はイクスキューズの2017(牝、丹内祐次騎手)がコスモロビンソン(1勝馬3歳)と、4組目にはスペースシップ(牡、母ジャズプリンセス、柴田大知騎手)がエスティーム(3勝馬5歳)と、4頭が多くの来場者の前で走りを披露した。

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ビッグレッドファーム公開調教の様子


 関係者によれば、ここビッグレッドファーム明和の坂路で、2歳馬の場合は53秒台を出すと速いと評価されるらしいが、マイネルコロンブスとスペースシップはそれぞれ51秒8と、51秒9をマークし、順調に仕上がってきていることが印象的であった。6月から始まる新馬戦で、これらゴールドシップの初年度産駒たちがどんなレースを見せてくれるか楽しみである。

 午前11時からは、優駿スタリオンでの展示会が行われた。ここでの新種牡馬はニシケンモノノフ、ゴールドアクター、ベストウォーリア、レインボーライン、ミッキーロケット、サウンドスカイの6頭である。いずれも、競馬ファンに馴染みのある名前が揃った。

 ニシケンモノノフは門別競馬でデビューし、中央に転じた後も長くダート路線で活躍し、2017年JBCスプリント(Jpn1)を含め、重賞を4勝、通算で42戦12勝2着7回という堅実な成績を残している。

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現役時はJpn1含む重賞4勝馬のニシケンモノノフ


 ゴールドアクターは2015年の有馬記念優勝馬。アルゼンチン共和国杯や日経賞、産経賞オールカマーと芝の中距離で活躍し、9勝、7億4324万円を稼ぎ出した実績馬である。

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2015年有馬記念優勝馬のゴールドアクター


 ベストウォーリアは、2014年と15年に盛岡・マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)を連覇し、中央でもプロキオンステークス、ユニコーンステークスなどを制し、36戦9勝2着9回の成績を残している名馬だ。

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中央・地方でも活躍したベストウォーリアが新種牡馬入り


 レインボーラインは昨年の天皇賞・春と阪神大賞典の勝ち馬。ステイゴールド晩年のG1ホース。ミッキーロケットは、キングカメハメハ直仔で昨年の宝塚記念優勝馬。サウンドスカイは2歳時に部類の強さを見せ、全日本2歳優駿(川崎)、兵庫ジュニアグランプリ(園田)など4勝の成績を残しているディープスカイの直仔。

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昨年の天皇賞・春と阪神大賞典を勝利したレインボーライン


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昨年の宝塚記念優勝馬のミッキーロケット


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2歳時に大活躍したサウンドスカイ


 改めて新種牡馬のラインナップを見ると、芝、ダートを問わず、また中央でも地方でも活躍した馬たちがこうして無事に引退し、種牡馬デビューできることは喜ばしい限りだ。

 それぞれ、初年度なので種付け料も比較的安めに設定されており(受胎確認後20万円〜50万円)、まずはある程度以上の配合牝馬を獲得して、できるだけ多くの初年度産駒を送り出したいところ。その中から活躍する馬が出てくれば種牡馬生活もより安泰になって行くのがこの世界である。

 優駿スタリオンは全26頭の陣容でシーズンを迎える。ヘニーヒューズを筆頭に、シルバーステート、アジアエクスプレスの3頭はすでに満口という人気ぶりである。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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