スマートフォン版へ

【無料】初の51キロ、現代では特異となった血統に期待/ダイヤモンドS

  • 2019年02月15日(金) 18時00分

サラブレッドの未来のために、長距離戦の充実を


 3000m級の長距離戦の評価はどんどん下がっている。現在のビッグレースのほとんどは「1200m-2400m」に集中するので仕方がないことだが、数年前からいわれてきたように、ここ2-3年の欧州パターン競走委員会は長距離戦を充実させる方針をとっている。

 日本では3000mの菊花賞、3200mの天皇賞(春)があり、ドイツやイギリスなどとともにそれほど大きく距離短縮指向に傾いたわけではないが、競走距離の幅を広く保つことは、長い目でみると人間が誕生に関与したサラブレッドの未来を大切にすることに通じるかもしれない。

 この5年間「1,1,2,6,1」着とがんばったフェイムゲームが引退し、ここはハイレベルの長距離戦が期待できる組み合わせではなく、波乱含みのハンデ戦。近走の対戦相手をみると、菊花賞3着(3分06秒3)、万葉S2着(3分10秒3)のユーキャンスマイル(父キングカメハメハ)、同じく万葉S3着(3分10秒3)のグローブシアター(父キングカメハメハ)に傾斜することになるが、菊花賞も万葉Sも、3000m級のレースとしてのレベルは決して高くなく、過信禁物。

 思い切って軽ハンデの穴馬ララエクラテール(父ステイゴールド)に注目したい。まだ1600万下の条件馬で総合力は見劣るが、12月のステイヤーズS3600mは勝ったリッジマンから1秒1差の6着。別定56キロだった。前回の東京2400mも自己最高の2分26秒1(上がり34秒6)でがんばっているから、初の東京コースも意外に合っていた。

 今回は、ここまで54キロが最少の負担重量だったが、初めて51キロの軽量。ステイヤーズSと同じく戸崎圭太騎手が乗る。歳は大きく離れ11歳も上だが、半兄アジュディミツオー(父アジュディケーティング)は、帝王賞を2分02秒1の当時のレコードで快勝し、東京大賞典2連勝など2000m以上のビッグレースを5勝もしている。

 古典も古典、1900年生まれの輸入牝馬フラストレート(父はセントサイモン直仔)から継続してきた牝系は、帝室御賞典の世界であり、現代ではあまりに特異だがタフであることだけは間違いない。快走を期待する。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング