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あらためて種牡馬フリオーソの活躍

  • 2019年02月19日(火) 18時00分

地方出身の種牡馬としては異例の躍進


 クラシックの前哨戦が始まっている南関東では、今回から重賞に格上げとなった2月7日の雲取賞(大井1800m)をヒカリオーソが勝ち、2月13日の牝馬によるユングフラウ賞(浦和1400m)をポッドギルが勝利。ともに父はフリオーソで、南関東の3歳重賞で2週連続勝利と、産駒の活躍が目覚ましい。

 フリオーソの初年度産駒がデビューしたのは2016年。地方の新種牡馬ランキングで1位となって注目を集めた。2位がスマートファルコン、3位はトランセンドと、ダートGI/JpnI戦線でしのぎを削った馬たちと、種牡馬になっても上位を争った。現役時に地方競馬のみに在籍した馬が、種牡馬となってランキングの上位で活躍した例はこれまでほとんどなかったこと。

 初年度産駒の出世頭は高知のフリビオンで、3歳時には、高知二冠に加え西日本ダービーを勝利。ダービーグランプリは2着だったが、古馬相手に高知県知事賞も制した。初年産駒は各地で3歳になっての活躍が目立ち、名古屋のサザンオールスターが新緑賞(笠松)を、岩手ではダンストンレガーメがあやめ賞、留守杯日高賞を勝利。2017年の地方種牡馬ランキングでは、フリオーソはわずか2世代の産駒だけで18位にランクインした。

 そして3世代目の産駒がデビューした2018年には11位まで躍進。この年はヒカリオーソが平和賞を制し、産駒による南関東重賞初勝利を達成していた。

 2019年の地方種牡馬ランキングでは、さらなるランクアップが期待できる状況だ。冒頭でも触れたヒカリオーソ、ポッドギルら、南関東クラシックでの活躍が期待できそうな駒が揃っていること。さらに昨年の東京大賞典では、秋に中央のダートで500万下から準オープンまで3連勝と急成長したエイコーンが5着。中央から地方のダートグレードで活躍するような産駒が出てくれば、収得賞金が一気に跳ね上がることになる。フリオーソ産駒の活躍は今後さらに注目となりそうだ。

 そして2018年の地方新種牡馬ランキングにも触れておきたい。1位になったのはアメリカから輸入されたダンカーク。産駒の重賞勝利はなかったものの、23頭が出走して16頭が勝ち馬となり23勝を挙げた。ダンカークは、中央の芝も含めた総合の新種牡馬ランキングでもジャスタウェイに次ぐ2位という活躍だった。

 2位は現役時にアメリカジョッキークラブCを制したダノンバラード、3位は2013年のジャパンCダートを制したベルシャザール、4位はトゥザグローリーだった。

 なおダノンバラードの2位は、北海道2歳優駿で誤審によって勝ち馬となったウィンターフェルの賞金が大きい。聞くところによると、北海道2歳優駿の着順は、実際には1位入線だったイグナシオドーロ(父は新種牡馬のヴィットリオドーロ)と入れ替わる可能性が残されていて、もしそうなれば、一応は確定している、2位ダノンバラード(4773.7万円)、5位ヴィットリオドーロ(2415.8万円)という地方新種牡馬ランキングの順位も、1着2500万円、2着500万円の賞金が差し引きとなって入れ替わる可能性がある。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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