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【長谷川浩大×藤岡佑介】『最後は再び師匠の元へ…引退を迎える中村均調教師との師弟愛』第3回

  • 2019年02月20日(水) 18時02分
with佑

▲第3回となる今回は中村均調教師との師弟愛について語ります


来月の厩舎開業が間近に迫っている長谷川浩大技術調教師(元騎手)。引き継ぐのは、開業40年を超える中村均厩舎です。

中村調教師は、長谷川調教師の騎手時代からの師匠。長い師弟関係は、時に紆余曲折もありました。しかし、長谷川調教師は再び師匠の元に戻ることを望み、運命的なタイミングも重なって厩舎を引き継ぐこととなりました。師匠への最大の恩返し、その決意をいま改めて語ります。

(取材・文=不破由妃子)


※netkeibaでは後日コラム「今週のFace」にて、中村均調教師のロングインタビューを掲載いたします。併せてお楽しみください。

俺はデキの悪い弟子だっただろうな…


──フリーになってしばらくは中村均厩舎と疎遠になったというお話でしたが、引退後はまた師匠の元に戻って調教助手に。その進路はすんなりと決まったのですか?

長谷川 2012年の夏競馬が終わった時点で、引退するかどうかを冬の間に決めようと思っていたんですけど、秋にたまたま中村厩舎のスタッフのなかに定年になる方がいて、そのタイミング(9月)で先生が声を掛けてくださったんです。思ったより引退が早まったところはありますけど、これも縁かなと思いまして。

佑介 いろいろあったけど、また師匠の元に戻るっていうのがなんかいいですよね。

長谷川 まさか中村先生に声を掛けてもらえるとは思っていなかったから、すごくうれしかったよ。先生との関係がこじれてしまったのも、自分の考えや発言が甘かったことが原因なのに、「お前は俺にとって唯一の弟子。だから、調教助手として働いてくれたら本当に助かる。調教師になるための環境を整えたり、将来の手助けもしてやれるから」と言ってくださって。当時は俺もまだまだ甘かったけど、そうやって先生が道を示してくれた。

佑介 まさに“師匠”という感じですよね。弟子が悩んでいるときは大きな心で見守りつつも、あえて自分の元から一度外に出して、また苦しんでいるときには手を差し伸べて。最終的には、こうやって次の道を目指すきっかけを与えてくれたんですものね。

長谷川 うん、ホントにそう。先生の偉大さに気づくのが遅すぎたよ…。

佑介 でも、いろいろあったからこそ、より絆が深まったように僕には見えます。ずっと長谷川先輩を見てきましたけど、師弟関係がこじれたときが一番悩んでいるように見えたし、その先生との関係が元に戻ったときは、すっごくうれしそうでしたから。

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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

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1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

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